黒い翼

黒い翼は大きく風をとらえ
咲き誇る花たちを渡りあるく
秋の風の中に　新しい明日への思いを抱きながら

差し込む光

雲の隙間から差し込む光は　冷たい風に小さな暖かさを吹き込む
過ぎ　変わりゆく季節に　風は無情にも変わりはじめ
見上げる空は何も語らず　ただ光だけが時の移り変わりを求め

白く

冷たい空の下に白い花が咲く
この間までは考えられない　雨に冷やされた街
傾く弱い日差しに　始まる秋とやがて来る冬の季節へ

曇る空

窓の外をたたき始めた雨が少しだけやんで
湿った風にぼんやりと景色が浮かぶ
いつもと変わらない海をながめながら

さいた

咲いたコスモスは始まる秋の香り
揺らめき移りゆく季節は　早くなった日の入りとともに
長く伸びていく僕の影と　長い夜を過ごしながら

強い風の先

澄み切った空は光る川面に照らされて
吹き抜けていく強い風は遠くの街の香りを運び
ため息が出るほどに空は高く　秋の香りが空を舞い

空の色

空の色はいつからか夕の色に変わり始め
台風から吹き込んでくる風に　街は揺れる
通り過ぎていく風の香りは　いつか感じた秋の香りで

昼と夜

昼と夜をつなぐ太陽は山の向こうへ
長くなる夜に　秋の風を知り　短くなる昼に夏の思い出を語る
止まることもなく過ぎていく暦　また去年と同じように秋の季節がやってくるようで

夜の

夜の色が街を包み込み　柔らかな雨が舞い散る
吸い込むほどに湿った空気と　水音をたてるアスファルト
過ぎ去っていく車たちを見守るように　光はぼんやりと灯り

駅

どこまでもどこまでも続いていく線路をつなぐ駅
遠い昔から　街の移り変わりを見つめながら
幾度となく変わる季節に　変わらぬ空を見上げながら