もうすぐ咲くよ

もうすぐ咲くよ　そんな声が聞こえてきそう
赤くふくらんだつぼみが　ゆっくりと空を見上げる
変わりゆく季節へ　その花を咲かせるために

空を覆う

空を覆う大きな花の木
いつからか誰も知らない長い時を超えて
ただ息をのみ　ただぼうっと眺め春を感じ

青の香り

咲く桜　ほんのりと青く染まり
さわやかな日差しと風の中で
いつの間にか咲き始めた桜たち
今年はどれくらい撮れるんだろうか

花の白

じっと見つめるように白い花はこちらを向いて
あたたかな風が　さらりと乾いて過ぎていく
足を止めてこそ見つける春の中へ

咲く花

咲く花春をつげて
こぼれ落ちる春の香り
もやもやとした空の下で　朝の冷たさを見つけて

春まだ浅く

春まだ浅く　地面に咲くタンポポ
暖かな日差し　さらりとした空気
どこかで咲く桜　いつの間にか春が来ているようで

無数の星

手の中に無数の星が見える
空の星よりもはかなく、夜の明るさにまるで消え入りそうな。
ただ、ぼくはそれをぎゅっとにぎりしめる。
指のすきまから星がこぼれ落ちないように。
たぶん。もしかしたら。夢のかけら。
ぼくが夢見た無数の未来。いつの間にか忘れてしまった夢の記憶。
忘れてもなくならず、忘れようとしても思い出せず、
いつか忘れて消えるまで、いつか夢が叶うまで。
ぼくはまた手をにぎりしめ、いつもと同じちがう朝へ

光指す海

光が示すその先は　ゆっくりと青の晴れ間
音を立てて乾いていくような風の中
さらりとして　街に春の香りを残し

線路

遮断機が下り初め　少しだけ立ち往生
必ず来る列車と　かまえたカメラ
出会いと別れ　出会う偶然と必然の中で

地に芽吹く

地に芽吹く新しい花
うららかな日差し　春を迎えたこの場所で
立ち止まり　しゃがみ込んで春を見つけ