半分

半分だけ月が昇る
残りの半分は　まだ地に落ちたまま
せっせと拾い集め　やがて満月となる
積み重ね積み重ね　削られ磨かれ　輝きを増して

木の上にて

木の上にて　遠くを見つめる白い鳥
細い雲がさらさらと流れていく空の下で
ずっと前を見つめ　そっとどこかへ飛び去って

えくすとらすてーじ

文・分・文　８が飛ぶ。

光る海

白く光る海は　まぶしいほどに
傾いた今日の陽は　さらりとした風の中に
いつも知らないうちに　季節は変わっていくようで

秋の花

秋の花　朝夕の冷たい風の中で
知らぬうちに深まる季節は　その花も咲かせ
とどまり　進めぬ毎日にまた立ち止まり

蟻

どこへ運んでいくのか　何を運んでいくのか
えっさほいさと運ぶ姿をじっと見つめる
食べるために働くのか　働くために働くのか

とっくり

ふと見つけたとっくり
秋の空の下　中には誰もいないようで
熱燗の恋しい季節へと変わっていきます

紅く咲く

細い線のような花は紅く染まり
季節の変わり目を知らせるように
この時期に迷わず咲く　力強さと儚さと

つぼみ

花咲く前　まだつぼみのままで
変わりゆく季節の中で　ゆっくりと咲く花
消えていく夏の面影と　深まる秋との狭間で

蛙

草原に隠れたカエル
じっとしていれば見分けもつかない
近づいて飛び跳ねてやっとわかる