おおきなうねり

海を這う大きなうねり
音も立てない凪いだ海と　柔らかな風の下で
通り過ぎていく見えない力は　まるで大きな龍のように

風を待つ

風を待つ綿毛たちはどこへ向かうのか
冷たくなっていく風に乗り　どこまでも
過ぎていく季節は　弱い光で照らしながら

うすぼんやり

うすぼんやりと煙る街は　雨上がりの風
乾いていく雨の香りは　空に上り
遠くの雲を照らす光を海が映して

黄色い花

黄色い花が咲いて　空はゆっくりと夜を迎える
冷たくなった風と　寂しくなった景色の中で
過ぎていく時間と繰り返す季節　明日を重ね
またあの季節へ

青く広がる

青く広がる空に　流れ出す風
太陽の暖かさを知るほどに　日陰の寒さを思い知る
暑さと寒さの入り交じる季節　深まる秋はまだ山を染めず

はなひらくまえ

花開く前　変わっていく季節の中に深まる色
もう少しを繰り返し　昨日とはまた違う姿
日々新しくなっていく今日の日　明日の姿を思いながら

実る

実る秋の色は　だんだんと深みを増して
あたたかな太陽の色に染まる
こぼれ出す香りと　生い茂る青葉の中で

そらのさかな

空を泳ぐ魚はゆったりと浮いていました
暖かな風の下で見上げた空
どこか遠くへ　懐かしい空を思い出すように

赤い橋

遠くに見える赤い橋は　雲の下で
光と影が交互に入り交じり　街を照らす
雲の隙間からこぼれ出す光　流れるほどにその姿を変えて

澄んでいく

澄んでいく空の色に　冷たい風が吹く
息をのむ夕暮れに　短い昼の時間が終わる
夜風の上　雲のない空に星が瞬いて