見せてあげないよ

ひらひらと跳び回っては　降りて水を飲む
キラキラと光るはずの瑠璃色は　たたんだ羽の中に
これじゃ地面の色と見分けがつかない　開いて見せてくれないかなぁ

空の境目

通りすぎていった台風が引き裂いた空の境目
雲の隙間からは青い空　そして強い風が流れだす
誰も見たことのない景色は　いつもちょっとだけ先にある

氷の王国

雨で薄暗い店の中　氷の冷凍庫には塔が一本
いつの間に誰が作ったのかは　誰も知らない
触れば溶けてしまう　いまここでしか見られない景色

こっち見ないでよ

あんたよあんた　ほらそこでカメラ構えてる！
こっちは食事中なの　邪魔しないでよ
どっか行ってくれないかなぁ　気になって見ちゃうじゃない！

雨だ

また今日も雨だ　なんだかいち早く梅雨入りしたんだとさ
だからといって気持ちが沈むくらい降らなくてもさ
ぼんやりと車を走らせながら　くもりガラスの中で

酒

どういったつながりなのかはしらない
明日休みで 今日の飲み会
行かないわけにはいかない 長い夜の始まり…

野草図鑑

きっといつか野草の図鑑を作るんだ
手作りで　ちょっとしたコメントなんか書き込んでさ
身近にあるのによく知らない　道端の花だからこそカメラを向けるんだ

撮影：三重県紀北町　空木（ウツギ）

いつの間にか撮った写真

時々見返してみると　カメラの中に写真が収まっている
被写体を見つけると　当たり前のようにカメラを向けているからかもしれない
極力人に見られないように　サッと出してさっと撮る
その一瞬を逃さないために

撮影：三重県紀北町　イボダガ

鹿発見

木の向こうに鹿たちを発見するも逃げていった
ただこの一頭だけが不思議そうにこちらを見ている
夜に向かう空の下　なんだか絵画的な写真ができてしまった

雨上がり

雨上がりの夕暮れ時　風は涼しくて気持ちいい
青白い空のキャンバスに　黒く重たい雲を描く
ピカピカと光る太陽も　明日は晴れだと言ってはくれず