目立つと思っていた色も

目立つと思っていた色も　草原を飛べばなんだか見つけにくい
光と影と花の色と　そっと混じって見つけにくい
可憐な色の中に　必要からこそ生まれた美しさ

いつものように

いつものように始まる朝
いつもの景色も変わることなく
いつもの夕方も　それはそれでいつも通り
ただ　今日は少し疲れた

うすっぺらく

なんだか塩タンが食べたくなるようなそんな色
季節柄増えてきた蛾たちに　また心躍る
あのオオミズアオとの出会いから　もう二年ほど経つのだろうか

散ってなお

散ってなおアスファルトを染めて
青葉芽吹く枝をそこから眺める
季節変わるとき　暖かと暑い日々の狭間で

大きすぎる

大きすぎる夕焼けに心打たれながら
出会えた喜びに　今日の夕を感じる
いつもと同じこの場所に　いつもと違う人々を見ながら

空にはあるはずのない

空にはあるはずのないシミ
こればかりはどうしようもない　とは言ってられない
一抹の寂しさと　心苦しさと　どこまでも切ない出来上がった写真

せまい

だから狭いって　なんでみんな一緒に咲くんだよ
もう咲くスペース無いじゃないか
ていうかそのカメラ傾いてないか？　適当に撮りやがって

藤

当たり前のようにそこにあるはずの藤
ただ花が咲くまで見つけられない注意力のなさ
間違うこともなく　季節を告げる花に教えられるばかりで

おちゃっぱ

またこの季節が来てお茶っ葉
からからとさらさらと　いつのものうちの味になる
時々恋しくなるこのお茶は　鰹のお茶漬けとともに

影

これはいつも離れることなくついて回る影
どこへ行くにもついてくるので　時々写真に写り込むことも
ただ夜になると時々消えていってしまいますが