えくすとらすてーじ

いえいえ、ちょっとしたひつまぶしです。

この空の下

この空の下　傾きかけた時間の中で
いつの間にか早くなった夜の始まりを知るように
変わらない街並みの中に　新しい道ができはじめて

映る秋

水の中に映り込んだ季節は　過ぎていく日々
秋と冬を行き来する暖かな今日の日は　日暮れとともに
秋の葉を集め　冬を待つように

窓の外染まる

窓の外染まる秋の終わり
雨上がりの空はまだ曇ったままで
変わりゆく木々の姿に　冬が近いことを知り

ホウジャク

ひゅるひゅると細い口で蜜を集め
見えない羽を羽ばたかせ　花から花へすっと移る
冷たい雨さえも　よけていくように

撮影：ホシホウジャク（三重県紀北町にて）
科：スズメガ科(Sphingidae) ホウジャク亜科(Macroglossinae)

冷たい

冷たい雨の降る今日の空
いつの間にか冬へと変わる季節の狭間で
咲く花は　いつもと変わらぬ暖かな色で

爪の先

爪の先のように細い月が出ている
弱々しく暮れていく空の上で
薄っぺらな世界をあざ笑うかのように

近づく

近づく冬にはまだ遠く
不安になるほどに　まだ暖かく
時々吹き込む冷たい風の中で

朱に色づく

朱い色に変わった葉は　沈みゆく秋の季節
寒さが始まるように　ぱらぱらと葉を落とし
寒々しい冬を越え　また新しく咲く時を求め

冬始まる

冬始まるはずの空は　まだまだ暖かく
冷たい風は　夕をこえて吹き始める
暖かな風の中で　花を見つめ