お友達がみんなリカちゃん人形を持っているのが羨ましくなったようこは、お雛祭りのプレゼントをくれるというおばあちゃんに
「リカちゃん人形が欲しい」
とお願いします。
けれどおばあちゃんがようこに送ってくれたのは、おかっぱ頭に着物を着た、日本人形の「りかさん」でした。
ひどくがっかりしたようこでしたが、おばあちゃんが送ってくれたりかさんはただのお人形ではなかったのです。
以前読んだ『西の魔女が死んだ』はややファンタジー色も含まないこともなかったですが、祖母と孫のふれあいの話でした。
この『りかさん』ではほんとうに人形達が話し出したりしてしまうので、まあ、だいぶファンタジーですね。
ようこのお友達の登美子ちゃんの家にある雛人形をはじめとした由緒ある人形や、後半の青い目の親善大使、ママボイスドールのアビゲイルの話など、人形自体についても丁寧に書かれています。
この著者の小説にいつも流れている、人が昔からあたりまえにしてきた、そして失われつつある生活の知恵のようなものや、自然との共存といったものが、このお話の中にもなんの気負いもなく自然に存在しています。
たとえ主人公が小学生であろうと、もうひとりの主要人物が市松人形であろうと変わりません。
読んだあとにはなんとも優しい気持ちになるお話です。
ぜひ読んで欲しい本です。
最新の画像[もっと見る]
- サロン・デュ・ショコラ2016 9年前
- サロン・デュ・ショコラ2016 9年前
- サロン・デュ・ショコラ2016 9年前
- サロン・デュ・ショコラ2016 9年前
- サロン・デュ・ショコラ2016 9年前
- サロン・デュ・ショコラ2016 9年前
- サロン・デュ・ショコラ2016 9年前
- サロン・デュ・ショコラ2016 9年前
- サロン・デュ・ショコラ2016 9年前
- サロン・デュ・ショコラ2016 9年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます