身障者の夫を抱えてラブホテルのフロントで働く主婦、明日美。
彼女の元へかつての同僚で彼女をマルチ商法へ引き込んだことのある葉山しのぶが現れる。
顔もみたくないと思っているしのぶが彼女にいっしょに現金輸送車を襲おう、としつこく付きまといはじめる。
まるで相手にしなかった明日美だが、彼女たちの前に藤並渚という戦闘マニア(?)の若い女が現れた事で急に犯罪計画が現実味を帯びはじめる。
また一方あまりにも気が弱く取り立て先の人間にも小馬鹿にされるようなヤクザの木島史郎。
妻に逃げられ幼稚園の娘と二人暮らしをしていたが組にはめられ、娘を殺されたことをきっかけに彼女たちの犯罪計画に巻き込まれる。
最初は明日美の勤めるラブホテルのひと月分の売上金を納める日に強奪するだけの計画だったが、史郎の所属していた組の組長の家から金庫の金を奪うという無謀ともいえる計画に発展してゆく。
解説に桐野夏生の『OUT』に似ていると評されると書かれていたが確かにくたびれた主婦が犯罪に手を染め、そこからより大きな犯罪へ飲み込まれてゆくというのは確かに似ている。
『OUT』の主人公、雅子ほどの清々しさは明日美もしのぶも持ち合わせていない。
ここで色を放っているのは途中から現れるまだ小娘という年齢でしかない渚である。
銃器や犯罪計画に綿密な知識を持ち、その他にはCGで「ヒカルくん」という想像上の男の子の絵を描いているだけの渚。
現実に生きている実感が湧かないのだという彼女の素性は後半まで明らかにはされず、他の人物に比べるとまったく表面しか書かれずにストーリーは進んでゆくが、彼女がいなければこの計画は成立すらしない。
そして終盤に近づくにつれて書き込まれてゆく渚にしてもそうだがほんとうに意外などんでん返しが仕込まれている。
500ページ強の小説だが次々に展開してゆく事件にどんどん読めてしまう。
ひとことで言うと「俺達に明日はない」的な話でした。
彼女の元へかつての同僚で彼女をマルチ商法へ引き込んだことのある葉山しのぶが現れる。
顔もみたくないと思っているしのぶが彼女にいっしょに現金輸送車を襲おう、としつこく付きまといはじめる。
まるで相手にしなかった明日美だが、彼女たちの前に藤並渚という戦闘マニア(?)の若い女が現れた事で急に犯罪計画が現実味を帯びはじめる。
また一方あまりにも気が弱く取り立て先の人間にも小馬鹿にされるようなヤクザの木島史郎。
妻に逃げられ幼稚園の娘と二人暮らしをしていたが組にはめられ、娘を殺されたことをきっかけに彼女たちの犯罪計画に巻き込まれる。
最初は明日美の勤めるラブホテルのひと月分の売上金を納める日に強奪するだけの計画だったが、史郎の所属していた組の組長の家から金庫の金を奪うという無謀ともいえる計画に発展してゆく。
解説に桐野夏生の『OUT』に似ていると評されると書かれていたが確かにくたびれた主婦が犯罪に手を染め、そこからより大きな犯罪へ飲み込まれてゆくというのは確かに似ている。
『OUT』の主人公、雅子ほどの清々しさは明日美もしのぶも持ち合わせていない。
ここで色を放っているのは途中から現れるまだ小娘という年齢でしかない渚である。
銃器や犯罪計画に綿密な知識を持ち、その他にはCGで「ヒカルくん」という想像上の男の子の絵を描いているだけの渚。
現実に生きている実感が湧かないのだという彼女の素性は後半まで明らかにはされず、他の人物に比べるとまったく表面しか書かれずにストーリーは進んでゆくが、彼女がいなければこの計画は成立すらしない。
そして終盤に近づくにつれて書き込まれてゆく渚にしてもそうだがほんとうに意外などんでん返しが仕込まれている。
500ページ強の小説だが次々に展開してゆく事件にどんどん読めてしまう。
ひとことで言うと「俺達に明日はない」的な話でした。