昔よく金曜ロードショーで『刑事コロンボ』を見ていました。
日本版のお初は、NHKだったようなんですけど、その頃のことはさすがに知らず…。
現在、去年秋からNHKのBSで刑事コロンボ全話一挙放送中なのです。
初回は知らなくて残念ながら見逃しましたが、その後は録画してコツコツ見続けてます
『刑事コロンボ』といえば
・犯人が最初からわかっている
・どうやってコロンボが犯人を追い詰めるかが見どころ
・かっこいいアクションシーンなどいっさいなし
という異色刑事ドラマ。
昔金曜ロードショーなどで見ていた頃は学生でしたが、いま見てみると改めて構成のクオリティの高さにオドロキです。
昔は、金曜ロードショーでやっているし、映画だと思っていたんですが、テレビ映画だったんですね。
それであのストーリーのクオリティは、素晴らしいなぁと改めて感心しました。
今回は国内初のノーカット版の放映だそうです
それゆえ昔の声優さんが吹き替えしてないシーンだけ別の声優さんがやってたりするなんていうところもあるそうです。
さて、今回のBSで放映はまだですが、私が過去見ていた限りで一番好きだった作品は
「忘れられたスター」
主演(犯人)は『サイコ』のジャネット・リー。
ジャネット・リーの役どころは、老いてしまったかつての大女優グレース。
今は引退しているけれど、昔の栄光を忘れられません。
そんな彼女にふたたびブロードウェイミュージカルの話が舞い込みます。
資金さえあれば、その話は実現するのだけれど、医者である彼女の夫は大反対。
資金提供を断固として拒みます。
どうしても再び、かつてのようにスポットライトを浴びたい、という夢を諦められない彼女は、資金を手に入れるため、夫を自殺に見せかけて殺害するのです。
そこへコロンボが登場。
じわじわと彼女を追い詰めてゆくのですが。。。
コロンボの犯人にはいろいろなタイプがいます。
身勝手な理由で殺人を行う人、追い詰められて殺人を決行する人。
たいがいは知能犯で、かなり頭の良い人物が多いです。
女性の犯人というのは数が少ないのですが、この話はまたラストが異色です。
【以下、ネタバレあり。文字色反転させています。
マウスでドラッグすると読めるようになっています。】
このお話も殺人の理由はかなり身勝手です。
夫が頑なに資金提供を拒否していたのには実は理由があったのです。
グレースは脳の病気に侵されており、もう先が長くなかったのです。
本人にはそれを隠してただ反対をしている風にしていたのですが、彼女の体の事を心配してのことだったのです。
それを知らずにどうしてもカムバックしたい一心で夫を殺害するグレース。
最後にグレースが犯人であることを知ると、彼女の長年のパートナーであり、賛美者でもある振付家ネッドは全てを知って彼女を庇う証言をします。
自分が犯人であると…。
そしてなんとも切ないのが、ネッドはコロンボに対して「せめて彼女が亡くなるまでは、自分が犯人ということにしておいてほしい」と頼み、自分が犯人であるとグレースに言うのだけれど、病気が進行しているグレースは自分が夫を殺した事も既に忘れており、本気でネッドを犯人だと思い、悲しむのです。
また異色なのは、コロンボがネッドの希望を受け入れて、彼を連行してゆくところです。
キラキラした瞳で自分の昔の主演映画に見入るグレースを残して。
コロンボが逮捕しなかった、唯一の犯人でしょう。
逮捕しないとか、ちょっとドラマ的すぎる終わりかたではあると思いますが、それも含めて一番好きな作品です。
「忘れられたスター」のBS放映は夏ごろだそうです
現在BSでコロンボを見ていて、初めて見るもの、ほとんど覚えてないものが多いです。
先日放映された「別れのワイン」もかなりしゃれた作品でした
全69話あり、来年まで放映は続くようなので、楽しみに見たいと思います。
新たなお気に入りも生まれるやもしれません。