「MAZE」の女言葉の美青年、神原恵弥が主人公のお話。
前作とは何の関係もない話です。
年の瀬、恵弥は長年の不倫の恋人を追って函館(作中H市)へ転居してしまった双子の妹・和見を家族の意向で連れ戻しに行くことになった。
東南アジアの謎の遺跡で、軍や幾つかの国の思惑が入り乱れた「MAZE」に比べるとずいぶんスケール感が違いすぎる話じゃないか!?
しかも満じゃなくて恵弥が主役なのに…。
と、思い読み始めたのもつかの間、話はどんどん混み入ってきます。
恵弥が到着してその夜、和見に連れて行かれるのが彼女の恋人、大学教授の若槻の葬儀だった。
驚きを隠せない恵弥に、和見は
「あんたの目的は私を連れ戻しにきたわけじゃないでしょう」
と詰め寄られる。
若槻は事故死だったのだが、生前ある研究をしていたらしい。
和見も詳しくは知らないが手帳には「クレオパトラ」という言葉が何度か残されていた。
アメリカの製薬会社でそれこそスパイまがいの行為までする恵弥はそれが目的なのではないか。
確かに恵弥にはその研究に近づくために若槻に会おうとしていたのだ。
そこから恵弥と和見の腹の探り合いが始まる。
和見は何をどこまで知っているのか。
そして葬儀で見かけた男・多田や、若槻の妻・慶子などそれぞれが何かを知っているらしく動き始める。
若槻はほんとうに事故死なのか。
クレオパトラと呼ばれるものの正体はなんなのか。
話全体の長さの割に色々な事件が盛り込まれて展開がスピーディーです。
最終的には函館市の歴史も絡んできます。
そして面白いのはやはり「MAZE」でも異彩を放っていた恵弥です。
ずけずけとあけすけでちょっとおばちゃんが入ってる?という女言葉だったり、30代後半の男がスヌーピーパジャマだったり。
展開がスピーディーなのは彼が主役だという点もあるかも。
なにしろ彼自身がすごく目まぐるしいのですから。
それに加えてお互いに性格をよく分かり合っている双子(二卵性ですが)同士の腹の探り合い。
このふたりのやりとり、距離感が絶妙です。
緊張感のある場面ももちろん面白ければ、高校の時の交際相手の愚痴を言い合ったり。
私は「MAZE」より本書の方が面白かったです。
学園モノが得意な恩田さんですから、高校生の恵弥や満、和見の活躍する話も読んでみたいです。
もうあったりして…
前作とは何の関係もない話です。
年の瀬、恵弥は長年の不倫の恋人を追って函館(作中H市)へ転居してしまった双子の妹・和見を家族の意向で連れ戻しに行くことになった。
東南アジアの謎の遺跡で、軍や幾つかの国の思惑が入り乱れた「MAZE」に比べるとずいぶんスケール感が違いすぎる話じゃないか!?
しかも満じゃなくて恵弥が主役なのに…。
と、思い読み始めたのもつかの間、話はどんどん混み入ってきます。
恵弥が到着してその夜、和見に連れて行かれるのが彼女の恋人、大学教授の若槻の葬儀だった。
驚きを隠せない恵弥に、和見は
「あんたの目的は私を連れ戻しにきたわけじゃないでしょう」
と詰め寄られる。
若槻は事故死だったのだが、生前ある研究をしていたらしい。
和見も詳しくは知らないが手帳には「クレオパトラ」という言葉が何度か残されていた。
アメリカの製薬会社でそれこそスパイまがいの行為までする恵弥はそれが目的なのではないか。
確かに恵弥にはその研究に近づくために若槻に会おうとしていたのだ。
そこから恵弥と和見の腹の探り合いが始まる。
和見は何をどこまで知っているのか。
そして葬儀で見かけた男・多田や、若槻の妻・慶子などそれぞれが何かを知っているらしく動き始める。
若槻はほんとうに事故死なのか。
クレオパトラと呼ばれるものの正体はなんなのか。
話全体の長さの割に色々な事件が盛り込まれて展開がスピーディーです。
最終的には函館市の歴史も絡んできます。
そして面白いのはやはり「MAZE」でも異彩を放っていた恵弥です。
ずけずけとあけすけでちょっとおばちゃんが入ってる?という女言葉だったり、30代後半の男がスヌーピーパジャマだったり。
展開がスピーディーなのは彼が主役だという点もあるかも。
なにしろ彼自身がすごく目まぐるしいのですから。
それに加えてお互いに性格をよく分かり合っている双子(二卵性ですが)同士の腹の探り合い。
このふたりのやりとり、距離感が絶妙です。
緊張感のある場面ももちろん面白ければ、高校の時の交際相手の愚痴を言い合ったり。
私は「MAZE」より本書の方が面白かったです。
学園モノが得意な恩田さんですから、高校生の恵弥や満、和見の活躍する話も読んでみたいです。
もうあったりして…