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2次元モデルの原点

2010-01-30 08:24:30 | コーチング・マネジメント

おはようございます。

 卒論にコンピュータシミュレーションを選択したのがコンピュータモデルとの出会いでしたが、モデルの考え方に特別な思いはありませんでした。意識を変えさせられたのは、富士通入社3年目のころでした。

 当時、富士通は何をやっても成功しました。研究開発費は補助金で潤沢。管理職者や経営層への経営研修がスタートしました。管理職者が一ヶ月、現職を離れても部門は維持される、問題は発生しない、ことを管理職者に認識させる取り組みが狙いだったのでしょう。もちろん、研修に参加した管理職者も勉強になったよう。私は管理職直前で退職したため、講習は未経験。しかし、年代が違う複数の管理職者から研修内容を聞かせられました。多くは自慢。すばらしい知識を得た、と子供のように自慢する人がほとんど。特に印象に残っているのが第一期生の話です。

 今もほとんどの会社で採用されている講習かも知れません。元GEのCEO、ジャックウェルチ氏の考えをそのまま公式化したような、ポートフォリオマネージメント手法です。手法はボストンコンサルティングが開発し、一世を風靡しました。今もマトリクスマネージメント手法に用いられていると私は想像しています。これは複雑な問題を分かりやすく表現できます。私が2次元モデルを重視し始めたきっかけでした。

 ご存知の方が多いと思いますので、簡単にこの手法を説明します。横軸は相対的な市場占有率。目盛りは対数。自社の市場占有率がトップの市場占有率に対して何割なのか、何倍なのかが数値です。1が中点。すなわち、自社が同率トップなら横軸は中点です。アサヒビールや麒麟麦酒がその例です。トヨタの日本市場のように、第2位の会社が自社の半分なら、横軸は2の値になります。普通、横軸の増加方向が右ですが、この手法の上手さは左方向を増加方向にしたこと。縦軸は市場成長率です。そのまま線形で目盛りをとります。10%以上の市場成長を示していれば、成長市場と考えます。自動車市場は10%マイナスですので、値はマイナス10です。そして事業規模を円の直径で表します。自動車は大きな円になります。高い成長率で、トップの占有率が良さそうですので、左上に来る事業が有望のように見えます。

 ここからがコンサルティング会社の上手いとこ。右下に来る事業を負け犬。右上に来るのを問題児。左上に来るのを花形。左下に来るのを金のなる木と命名しました。もちろん、オリジナルは英語ですので、それぞれ原語がありますが、私の本意はポートフォリオマネージメントの説明ではありません。以下は省略します。

 私が素晴らしいと思ったのはこの命名法です。負け犬を問題児まで、どうにか育て上げ、花形になったら一安心せず、金のなる木まで一気に持ち込み、成長性ほとんどゼロの事業でも、独占的な地位を築く。日本の自家用車市場のトヨタや、シャープの液晶テレビが良い例です。ぐるっと回って大もうけ。この構図に感心しました。もっともこのような理解は邪道かも知れません。命名に、私は感心させられました。
 
 今私が用いている2次元の思考法はポートフォリオの応用かもしれません。縦横の軸を対数にしたり、直線にしたりして、軸の目盛りを課題に応じて変えます。値も絶対値にしたり、成長率にしたり。とにかく、比較対照の円が平面上均等に広く分布するように変えます。比較対照の複数の円が広く分布した軸の特性が市場を表している特長と考えます。すなわち、市場の特性を導き出すために2次元を利用します。これが私の発想法の基本です。なかなか難しいかもしれませんが、挑戦することをお勧めします。

 ここまで書いて、言いたいことを全て言い尽くしたような気がしてきました。3月末までブログ掲載を続けようと思っていたのですが、一区切りです。皆さんからアドバイスを頂き、それに答えますので、掲載のピッチは遅くなるかもしれません。

今日はここまでにします。または、しばらく、かもしれません。

コメント
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