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随時随所楽しまざるなし

情報技術者が持つべき資格

2010-01-16 12:11:55 | ビジネス実用

こんにちは。

 以前、ブログに書いたため、またかと思う人がいるでしょうが、大事なことですので、繰り返します。10年ほど前、中村洋四郎さんが、医者が持つべき資質を教えてくれました。アメリカの医科大学協会がアメリカ全土のお医者さんに、医者が持つべき資格についてアンケート調査した結果です。人に対して持っている温かさが断トツの1位。患者ではなく人、すなわち、患者さんを第一に、先輩、後輩、同僚、また臨床から検査の他部門の先生、検査技師などを含めた人に対する優しさなのでしょう。ちなみに、2位は直観力、続いて推理力、4番目が医学の知識でした。

 先輩に対する尊敬の念、師を敬う心は誰もが持っていますが、負うた子に教えられる人は稀でしょう。患者さんは検査技師や療法士や看護師を下に見がちです。患者さんの立場で考えられる先生は、気がつかないうちに周囲の評価基準を取り込み、自分が優れている、周囲はお手伝いとして見てしまうでしょう。幸い、私は小学校時代から東大に勤務していた2人の叔父さんの教室や病室に遊びに行き、白い巨塔の凄さを実感しながら育ちました。このため、私はお医者さんにはならないと心に誓いました。

 中村さんから教えられ、アメリカの医学部は違うと思いました。しかし今、中村さんが言ったように、日本でもインフォームドコンセントが重視され、患者さんに的確に説明し、治療法に対して同意を得ることがお医者さんの必要条件です。できなければ訴訟事件になるでしょう。私もインフォームドコンセントがしっかりしている先生や医院を選びます。患者は無知だから黙って俺に従えばいい、俺は天才と考えている白い巨塔の先生はいません。それでは出世できないからでしょう。

 アンケート調査結果はそのまま情報システムの技術者に適用できると中村さんは言っています。すなわち、3番目までは同じ、4番目が情報技術に対する知識。中村さんは富士通高専の新入生に、映像的な知識に頼りすぎている、独りよがりの文章を書いている、受身である、倫理観に乏しい、夢がない、など警鐘をならしていました。それぞれ、知識の量を追わず情報を体系化する、聞き手の目線で用語を選ぶ、主体的に目的意識を持つ、上司の指示でも間違ったことはしない、常に10年後の自分の役割を描け、と訓示していました。その通りでしょう。

 最近、高校の情報教育に踏み込み、10年前の中村さんの言葉を深く理解できています。先を読み、ニーズを体系化し、新規商品に夢を描き、開発部門や営業部門を叱咤激励し、計画を達成させる、が商品企画の役目です。私は中村さんから評価されていると自惚れてきましたが、商品企画を長年担当してきた知識や経験を中村さんは買っているのだと思いました。私が優れているのでなく、私の経験を中村さんは評価しているのです。そして今、私の商品企画の知恵や技法を若い人に伝授したい思いがますます強くなりました。

今日はここまでにします。

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