創造性の開発 新規商品を企画しよう

新規商品企画の成功学
求むる所第一義
随時随所楽しまざるなし

情報科目の内容

2010-01-05 14:13:57 | Weblog
こんにちは。

 情報教科に関連した、情報分野のクラブ活動について、高校の理事長に助言を求められています。このため、情報に関する、高等学校の教育内容を調べることが必要になりました。昨年末、情報教科の先生にお願いし、使っている教科書を貸していただきました。

 実は私は、この歳になるまで情報の教科書を読んだことありませんでした。高校の情報の教科書を初めて手にし、正月、ゆっくり読みました。本の表題は情報B。Bがあるなら、Aもあるのだろう、と思い、文部科学省のホームページを検索しました。何と、A,B,Cとあります。指導要綱の作り方や、内容に関する規制または助言がたくさん記載されています。えらく難しい内容。コンピュータシステム開発のプロを自認している40年の経験者が、知っていれば苦労しない、と言いたくなる内容です。

 3つの情報科目を説明している先頭に、「情報及び情報技術を活用するための知識と技能の習得を通して,情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに,社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ,情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。」とあります。

 その通り、だから難しい、のです。私が40年前から東大と富士通と女子栄養大学でやってきて、自分の至らなさを実感し、悩んできたことばかり。この分野で生きてゆこうと決めた若者の相談相手になってあげられただけ。勉強嫌いの高校生や、仕方なく基本教科を勉強している人、大学や社会で何を生業にするか考えたこともない人を指導できる能力はない、と正月早々自信喪失。気が重くなりましたが、お酒の力を借り、気を取り直し、それぞれの内容を読んでみました。

 情報Aの目標は、「コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を通して,情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識と技能を習得させるとともに,情報を主体的に活用しようとする態度を育てる。」です。その通り。でも、富士通の新人だけでなく、プロのSEが主体的に活用できる能力を身に着けているとは到底思えません。私がいつも私の師匠、中村洋四郎元富士通のシステム開発の責任者と話していることです。もちろんシャープも同じ、ソニーもでしょう。

 情報Bの目標は「コンピュータにおける情報の表し方や処理の仕組み,情報社会を支える情報技術の役割や影響を理解させ,問題解決においてコンピュータを効果的に活用するための科学的な考え方や方法を習得させる。」これも全く異論なし。でも、ビジネスマンの誰ができているの、と疑問が沸きます。情報Cは「情報のディジタル化や情報通信ネットワークの特性を理解させ,表現やコミュニケーションにおいてコンピュータなどを効果的に活用する能力を養うとともに,情報化の進展が社会に及ぼす影響を理解させ,情報社会に参加する上での望ましい態度を育てる。」です。これも正論です。

 しかし、疑問が沸きます。AとBとCの本質的な違いを理解できる高校生がいるのでしょうか。いえ、むしろ、社会人の誰もが反対できない、全部同じ事を言っている、当たり前のことを言っている、だけではないでしょうか。その高校の情報の教科書の先頭に書かれている情報理論の大家、悲劇の人、シャノンの教えによれば、誰もが正しいと思えるデータは情報量ゼロ。情報量は出現率の逆数で表現される、のです。そう思って40年間、商品企画や事業企画を担当し、プロとして認められてきました。

 情報分野のプロの卵を養成するのは今までの仕事の少なくとも2倍ほど難しいことかもしれません。でも、そう思うからこそ、この業務を最後の総仕上げの仕事にしたい、思いも強くなってきています。

今日はここまでにします。
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