テルミンとJAZZ
テルミンやマトリョミンの話。私、こちろうこと相田康一郎のプロフィールは左メニューバーのCATEGORYを。
 



以前のエントリーにコメントもいただきましたが、テルミンのビブラートの練習法で、美しいビブラートのかかっている先達の音源に合わせて演奏してみるのはいい方法でしょう。ビブラートをかけ始めるタイミングや深さ、振幅回数など、完全にシンクロして音源の音と自分のテルミンの音との区別がつかなくなるくらいまでマネしてしまうことです。学(まなぶ)はマネぶ。
余談ですが、禅宗の高僧が、自らの師について語っておられたなかで、「まねばかりしているのはだめなことと思ってもいたが、50年真似をし続けるとそれは真似ではなく本物になる」というような主旨のことをおっしゃっていたことを思い出しました。

さて、練習曲や音源利用以外の方法ですが、いわゆるシャドーテルミンでビブラート動作をひまさえあればやっておく、というのも有効だと思います。ビブラートの練習に限らないのですが、私はよく「トイレ練習法」をお勧めしています。トイレに座ったときに(別にトイレでなくても椅子でいいのですが、トイレの個室は誰にも見られず、集中できます)、ひじをももに乗せたまま、前腕全体を動かしてブブラート動作をするのです。ひじを起点(支点)として前腕全体の動きを体に覚えさせることができます。小さく、大きく、連続的に大きな動作から小さな動作に、などなど、頭に音を思い浮かべながらやってみます。試してみてください。

竹内正実先生による教則本「テルミンを弾く」(絶版)のなかに湯船に入っているときに手首から上をお湯の中から出してビブラート動作を行い、均一な波紋ができるように練習する、という内容がありましたが、これも結構やりました。

思うに、日常生活のなかで、たとえばトイレに入ったときでさえも常に「より美しいビブラートをかけたい」と念じ続け、なにかしら練習となる動作を行ってみる、という「こころがけ」のようなものの累積がいつの日か突然効果を表すのではないでしょうか。いつの日か、がいつなのかはわかりませんが、いつの日かが訪れることを期待して日々、思いを深めていきましょう。

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