白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

Kite Festival

2007-07-31 14:29:32 | その他
今年もやってきました凧揚げ祭。
今回は、マー君も凧揚げを楽しめるように、一つ持参してきたぞ。


巨大な蛸の凧


最近の凧は良くできていて、風邪さえあれば簡単に飛ぶ。
マー君も楽しんでいるご様子。


凧のダンスショー。っとでも言いますか、いやぁ、すごい。
これは一人の人が3つの凧を操って、音楽に合わせて大空を豪快に踊らせる。
お見事。
二本の糸で操る凧って、いろんな種類のがあって、うまく操れば思い通りに動くのね。この他もっと多くの凧でやるマスゲームみたいなショーもあった。
よく糸がもつれないものだと、不思議。


浜松の大凧も来たよ。竹と糸でできた伝統的な凧を披露していました。


ダディーの太鼓グループもパフォーマンス。


ダディー決まってるよん。

富蔵くんのパーティー

2007-07-29 06:44:10 | その他
みずえ先生のお子さんの誕生日パーティーに行ってきました。
富蔵君は5歳のお誕生日。

CEIDのお友達や、Deafの親を持つお友達、それから富蔵君が通っている日本語幼稚園のお友達がいっぱい来ていました。


私は前からこの女の子の親はだれなのか不思議だったんだけど、今回やっと判明。
レズビアンカップルのお子さんみたい。お母さんのお二人はどちらも白人さん。
たぶん種のお父さんが黒人さんなのでしょうねぇ。


2人が見ているのは、かもの親子。
この女の子は、CEID付属のサンシャインプリスクールのお友達で健聴なんだけど、やっぱりDeafの先生だからか、手話はとっても上手。それに誰がデフかちゃ~んと分かってて、人によって使い分けるところがすごい。


スパイダーマンが来て、子供達とゲームをして遊んでくれました。


マー君はゲームの間中、おどけたり悪ふざけをしたり、マー君がこういう正確とははっきり言って知らなかった。
よくクラスに一人はいる悪ふざけばかりして他の人に迷惑をかけるタイプの子のようだった。
今回は親御さんが見ていたから、恥ずかしくてひやひやしながら見ていたけど、こういう明るい性格なのは悪いことではないなぁと思う。
耳が少々悪くても、仲間はずれをされないためには明るい性格であることがなにより。

ご褒美のミニカー

2007-07-29 06:40:28 | その他
最近やっと粗相もなくなり、おトイレができるようになったマー君。
ここまでは長い道のりがありました。

「2歳でできるようになった」っとか、「特にトレーニングはしなかったんだけど、本人からおトイレに行くようになった。」なぁ~んてのはよそのお子様の羨ましいお話で、マー君ときたらオムツが汚れていても、まったく気にする気配はなく、時間がかかりました

「おトイレができたら、シールをあげるよ」
なぁ~んて言って、シールをたくさん買ってきたものの、効果なし。
苦肉の策でやったのが、「一日ちゃんとできたら、ミニカーをあげるよ。」っというもの。
2つで1ドルのミニカーをたくさん買ってきて、それをえさにトレーニングをしました。

マー君は車ほしさに、あっという間にできるようになったと言うわけ。

車の大好きなマー君はどこに行くにもこのミニカーを4~5個持って出かける。
たまにはバックに40個くらい入れて出かける時も。

先日日本料理屋さんに出かけた。
マー君が退屈して暴れださないように、かばんにたくさんミニカーを入れて持っていき、遊べるように畳の部屋をお願いした。

さっそく全部出して遊ぶマー君。

お店の人が声をかける。
「わ~僕、車たくさん持っているねぇ。どうしたの?パパとママに買ってもらったの?」

大きな声で元気よく応えるマー君。
「うんちとおしっこをしてもらったの~」



お店の人は目が点。

いや、あの、その、申し訳ありません。お食事中のお客様がいらっしゃるのに。。。

マー君は得意げ、親は赤面でした。。。



おトイレをしてもらったミニカー


渋滞してますねぇ。

チャイルドモデル?

2007-07-29 06:39:03 | その他
CEIDでは、幼児向け聴覚検査やスピーチセラピーサービスを一般の子供にも提供している。
それで、ローカルの子育て雑誌に広告を載せることになった。

っで雑誌社の人がCEIDに来て、広告に使う写真を選んだらしいのだが、選ばれたのがなんとマー君だったというわけ。

親バカな私たちは、「わ~い、マー君チャイルドモデルだぁ~」っと喜んでおります


1年前くらいのちょっと古い写真。
ドアップでしょ♪


これがその雑誌の表紙。

新しい補聴器

2007-07-29 06:37:29 | その他
みてみて、ちょっとマー君の新しい補聴器。
すっごくかっこいいでしょ~~~。



男の子に赤も悪くないかなぁっと思って、付けてみたらほらやっぱり、かっこいい~~~。


親のほうが喜んでる。。。

見た目だけじゃなくて、かなりの優れもの。
これまで使っていたワイデックスのセンソもなかなか(買った当時は)最先端のもので、
悪くはなかったんだけど、CEIDで使っているFMシステムとの相性が悪かったから、思い切って新しいのを購入してみた。

相性が悪いと言うのは、下からカパっとFMシステムをはめると、補聴器の本体のスイッチがOffになってしまうことが多かったらしく、それをマー君が何も言わないから、一日中Offのまま過ごしていましたっなぁ~んてことがよくあったらしい。

たった3年でも、テクノロジーの進歩とはすごいもので、聞き比べるとその差は歴然。
前の補聴器もデジタルで音が自然に聞こえると(当時は)言われていたんだけど、それでもやっぱりマイクを通したような音。
それが新しいやつは、ぐんっと自然な音に聞こえる。

それに雑音が全然違う。

前のやつも雑音を抑えるようにできているんだけど、それでも健聴の私たちがつけると、頭にガンガン響くとても耐えがたい音。

例えば、マッチ箱を5cm持ち上げてテーブルの上にカタンと落とすとする。
補聴器を通したら、まるで隕石でも降ってきたような。。。それはちょっと大げさだけど、頭にガンっとくるすごい音。
それが新しいやつは、そのガンがないの。

前のやつは生活上常にある音(冷蔵庫やコンピューター、水道水が流れる音)を拾うから、着けた瞬間に「うるさい」っと思うんだけど、新しいやつは誰かが喋らない限り、音が大きいと思わない。

始めは、まったく雑音を除いたら、それはそれで生活に不便なんじゃないかと心配したけど、マー君は車のおもちゃで遊びながら、「車の音が聞こえる。」っと喜んでいるから、どうやら自然な音だから頭に響かないというだけで、前のやつに比べて極端に雑音の音を小さくしているわけではないみたい。

まーとにかく、聞き比べてこの違いを感じると、どうしても買ってあげたくなったわけです。
だって、これがマー君にとっては耳なんだもん。

ただ、そのお値段。
実は1つ3700ドル両耳で$7,400!
日本円にして88万円
はちじゅうはち万円
くどい?

だってあなた、貧困生活をしている私たちにとって、これは大金なのよ。
保険が少しは出してくれることを祈っているけど、3年前に買ったばかりだから多分無理。
でも一か八か申請はしてみた。
千ドルでも二千ドルでも出してくれたらラッキー、でも全額負担は覚悟してます

マー君に耳は買ってあげられないから、せめて補聴器くらいはね。



CEIDの卒園式

2007-07-15 11:03:16 | その他
CEIDの卒園式。いや、CEIDは学校だから卒業式?
まぁどっちでもいいや、Graduation Ceremonyがありました。

マー君はまだ卒業じゃないけど、ダディーもママもグランマもみんなで行って来ました。
CEIDは1歳半から2歳までのToddlerクラスと3歳から幼稚園に入るまでのプレスクールクラスの2クラスしかない。
どちらも園児数は7人くらい。

マー君はプレスクールクラスの中では、一番年下なんだけど、体は一番でかい
特別なものは何も食わせてないんだけどなぁ。

体は大きくても、他のこと比べたらやっぱり年少だなぁって思う。
だってお隣に座ってる女の子なんて、手話がすっごく堪能で(彼女はデフならしい)私には全く理解できない速さでお話をする。
マー君はまだまだそのレベルじゃない。
こうやって、年上の子と一緒にお勉強する方が、刺激になっていいかもしれない。

人数が少ないせいか、すっごくアットホームで楽しい卒園式でした。


笑顔を振りまき、こっちに向かって何度も手を振るマー君。
笑顔だけは誰にも負けてないね。



音楽(すごいボリューム)に合わせてみんなでダンス。
あら、マー君こんなに上手にダンスが踊れるなんて知らなかった。


CIEDの先生達による歌の贈りもの。
もちろん手話で歌う。
声だけの歌より、感情がこもって見えてジーンときました。


外国の監査

2007-07-11 11:05:43 | その他
今監査をやっているクライアントは、国内50箇所、世界30カ国に支店・支社を置く会社で、私たちにとっては一番でかいクライアント。
6人の監査チームを組んで今取り組んでいる。

全部を連結して決算を出すんだけど、外国にある支社はほとんどその国で監査を受けているので、私たちが直接監査をするのは5ヶ国だけ。
その5カ国全部を私が受け持つことになった。
カナダ、イギリス、ドイツ、オランダ、中国。

もちろん、いろんな証拠書類は全部現地の通貨、言葉で書いてある。
カナダとイギリスはもちろん英語だから、問題なし。
中国語も私は少しかじったことがあるし、漢字でだいたいわかる。
ドイツ語は英語にかなり似ているので、意外と想像がつく。
問題はオランダ語。
全然分からん。

オランダ語の口語は、ドイツ語にかなり似ているらしく、ドイツ語が分かる人なら7割方聞いていて理解できるというけど、書いてあるものを見ても全然わかんない。
インターネットのフリー翻訳機能で大切そうな部分を訳すしかない。
でもほとんどの場合、約しても意味がわからない。
重要部分だけ英語に直してもらうように頼んだり、電話で確認したりしてどうにか終わりそう。

でも実は一番苦労しているのはイギリス。
理由の一つは、この5社の中でもっとも規模がでかいのがイギリスで、もちろん監査の幅も広がるし、問題点も数多く出て来る。
少し複雑なことになると、Eメールでやり取りするのには時間がかかりすぎて面倒なので、電話をすることもしばしば。

その電話が大変なわけでございます。

大体アメリカ英語でも電話は嫌いな私。
それでも、相手も英語がネイティブでない場合、少々の訛りがあっても、気分はずっと楽

しかし、イギリス人はそうはいかない
アメリカ英語になれている私にとって、イギリス英語の発音はまるで他言語。
しかも相手はまくしたてるように話す
半分も理解できん
たまたま耳に残った単語から想像して想像してつなぎ合わせてなんとか理解しようと努めるものの、会話が成り立たない
何度も、何度も聞き返してしまう
聞き返されたら、少しはゆっくり話せばいいのに、少しもスピードは緩めずに言葉を変えて説明しようとするから、また聞き返すことに

アメリカ英語も嫌いだけど、イギリス英語はもっときらぁ~い。

もうイギリスの担当は嫌でございます。


今は9時頃まで明るいから、私が帰る頃夫とマー君がお散歩を兼ねて地下鉄の駅まで迎えに来てくれる。
ほっと一息つける瞬間です。

     

阿波踊り

2007-07-09 11:11:49 | その他
夫の和太鼓グループの仲間数人が一年程前から民謡も始めたとかで、今度阿波踊りをやるから練習に参加しないかと誘われた。

あら、楽しそうねぇ。阿波踊りといえばSyokoさんでしょう。
だって彼女は徳島県出身。
せっかくだから、Syokoさんもお誘いしましょうということで、電話をしてみた。

「ねぇ、明日の日曜日はお暇?」
「明日は忙しいのよ。ほらこの前言ってた『阿波踊りを教えてほしい』っていきなり電話がかかってきたというあれ。」

アホな私は、今アメリカではそんなに阿波踊りが流行ってるのかしら?っと思った。

「へぇ、私たちも明日阿波踊りの練習会があるのよ~」
Syokoさんはすかさず、
「もしかして、同じ阿波踊り練習会の話をしてるんじゃない、私たち?」
「え?」
よくよく話を聞いてみると、突然電話をかけてきたというその人は、夫の太鼓グループの一人。

なぁ~んだ、Shokoさんが先生なんだぁ。
どっかでつながっているバークレーの日本人社会、狭いねぇ。

っということで、行って来ました阿波踊り練習会。
私は始めての阿波踊。

すごく簡単そうで、すごく楽しそうに見える阿波踊り。
しかし実際に踊ってみると・・・すっごく大変

だってさぁ、手をずっと高く上げてなきゃいけないんだよ。
10分が限度。
あんなタフな踊りを何時間もぶっ続けてやる徳島の人ってすごいかも

夫はこういうことになると、嫌にのりのりで、Shoko先生に「うまい」と誉められていました。
本人も得意げ。
岩手で鍛えたさんさ踊りの成果でしょうか。


参加者は白人さんが多かった。

もし産まれてくる子供が障害を持っていたなら。。。

2007-07-09 05:50:34 | その他
「ここにサインしてください。」
目の前に差し出された紙を眺めながら、私はペンを握らなかった。
隣で夫が通訳でもするように、その言葉を日本語に直して私に伝える。
「ここにサインしてだって。」

言われなくったってわかってる。

「この検査受けたくないんだけど。」
看護婦にわからないように日本語で言った。
夫はおどおどしながら、看護婦にわかるように英語で説得する。
「時間かからないから、他の血液検査と一緒にできるし、わざわざ仕事を休まなくてもサンフランシスコでできるから。」
私は無言でペンをとらなかった。
看護婦はたまりかねて言う。
「今サインしなくても構いませんけど、○○までにこの紙をもって検査場に行ってください。」
結局私はサインをしなかった。

面倒くさいからその検査をしたくないと言っているんじゃない、必要ないと思うからしたくないと言っているのだ。

それはダウン症のスクリーニングテストと、自閉症のいわば『可能性度』テスト。

マー君を身篭っているとき、私はあらゆる検査を目的もあまりわからないまま、ほいほいと受けた。
検査は陰性を確認して安心するものでしかなかった。
もちろんすべての検査にパスし、妊婦優等生だった。
検査は必ずパスするものだった、けれど、一つだけパスしなかった。

マー君の聴覚スクリーニングテスト。

あれはあれで必要なテストだったと思ってる、
でも、
ある程度確実な検査結果が出るまでの半年間、どこの病院にいっても言われることがまちまちで、
どうせわからないんだったらどうしてあんなに早くに検査をする必要があったのか?っと疑問に思った。

あのテストにひっかかってからの約半年、原因究明と確実な検査結果を求めて検査、検査、検査の日々。
地獄だった。
その時も、勧められる検査は言われるままに全部受けた。
今考えると、私たちには何の利益にもならない研究者の材料になるだけの検査もたくさんあったように思える。

そして今また妊娠して、あの検査この検査と検査ばかりさせられている。
以前のような気持ちでほいほいと検査を受ける気にはなれない。
検査をすれば陽性反応が、スクリーニングを受ければ通らないような気がして仕方ない。

前回同じテストをした時、私は何の疑問ももたず質問もせず、さっさと血液検査を終わらせた。
でも今回は、医者に質問を投げかけずにはいられない。

「もしそのスクリーニングにパスしなかったらどうなるんですか?」
「そしたらこのテストを受けます。この時点でもパスしなければ、およそ80%の確立で生まれてくる赤ちゃんはダウン症です。」
「それにもパスしなかったらどうするんですか」
「次は○○の検査をして確定診断を出します。」
「そんなに確実にわかるんでしょうか?」
「ほぼ確実です、ただし、ダウン症と一口に言っても症状はまちまちで、普通の人と何ら変わりなく生活できる程度の人もいれば、一生援助が必要なレベルまで様様で、その症状のレベルまではわかりません。」
「ダウン症であると確実にわかったら、それからどうするんですか?」
「それはご両親次第です。妊娠を終わらせるか、そのまま産むかの決断はご両親にゆだねられます。」
「最終的にわかるのはいつなんですか?」
「第一回目のスクリーニングにパスしなかったら検査を加速させますが、最後の検査は20週を過ぎないとできないので、どうしても20週から数週間は過ぎます。」
・・・妊娠6ヶ月じゃん。
今の医学なら、22週を過ぎて生まれた赤ちゃんは保育器で育つことができるというのに、中絶可能期間は21週までと定められているのに、それを超えて中絶するの?

「もう一つの自閉症のテストでは何が分かるのでしょうか?」
「ご主人の血縁者に自閉症が2人いるというので、遺伝子に自閉症の遺伝子があるかどうか調べます。」
「っで、なんで私の血液を検査するんですか?」
「妊娠の検査は妊婦を検査するものですから。」
・・・意味わからん。
「っで、それが陽性だったらどうするんですか?」
「生まれてくる赤ちゃんは自閉症の可能性があるということです。」
そんな可能性分かってどうするの?可能性があるから子供は産むなってこと?



○○までに検査を受けて下さいといわれた、期日がちかくなってきた。
夫が検査用紙をもってやってきた。
「検査明日やった方がいいとおもうんだけど。」
私はしばらく黙ってから口を開いた。
「何かを予防するための検査とか、検査結果によって対策を考えることのできるものなら、もちろん受ける。でもあのダウン症と自閉症の検査はしたくないのよね。」
「そんなに嫌なの?」

「スクリーニングテストにパスしなかった時のことを考えてよ。泣いて泣いてぼろぼろになるほどないて、でも医者からは『これは確定じゃないから』っとあいまいな言葉で慰められて、かすかな希望をもって次のテストをうけるものの、次もダメで、また泣いて泣いて。・・・そうあの時のように。」
夫は黙って聞いていた。
「そして最終的に、ダウン症と診断されたら。。。もう妊娠6ヶ月、おなかも大きくなっていて胎動も感じる。それで症状の程度もわからず赤ちゃんを殺しちゃうの?
私たちは、泣いて泣いて泣いて泣いて・・・その決断はできないと思う。」

夫は言った。
「中絶なんてそんなことはできない。」

私は続けた。
「もしマー君の聴覚に障害があると、おなかの中にいる時点でわかったとしたら、『聴覚のレベルまでは分からないけれど、なにか問題があるようだっ』と。それで私たちはマー君を殺したかしら?それが正しい選択だったかしら?
それに自閉症の遺伝子検査なんかしてどうなるの? こっちはもっとあいまい。生まれてくる子供は自閉症である可能性があるってだけでしょ。それでも陽性となれば私たちは泣くのよ。泣いて泣いて不安で不安で、だからってそんなことで産まない選択をするの?」

夫は言った。
「君の言うとおりだよ、この検査はばかばかしい。今さらおろすことなんてできるものか。この検査、受けなくていいよ、受ける必要はない。」

私はその言葉を聞いてすごく嬉しかった。

っと同時に検査を受けないことに対して、すっごく重い責任のようなものを感じた。
検査を受けないということは、どんな子供が生まれても、たとえその子が障害を持っているとしても、愛し育てるという自信と覚悟の現れだと思う。
夫はそれを受け止めてくれた。
涙が止め処もなく溢れてきた。
この人と結婚して良かった、私は心からそう思った。

大丈夫、この人となら大丈夫。
どんな子供が生まれてきても、幸せな家庭にすることができる、きっとできる。

美味しさの基準

2007-07-08 07:11:05 | その他
アメリカ人は誕生日を祝うのが好きな民族らしく、誕生日は年齢に関係なく盛大なパーティーをする。

結構うざったいものがある。

私の誕生日は次の日が独立記念日なものだから、必ず旦那の実家に呼ばれて、誕生日&独立記念日お祝いディナーをやる。
家族3人でこじんまりと誕生日をやるのが私の夢なのだけど、当分は実現しそうにない。。。

しかしこの誕生日パーティーは私にとって拷問以外のなにものでもない

問題はケーキ

これが、甘いなんて言葉じゃ形容できないウエェ~~~っとうなりたくなるような甘さ。
コーヒー一杯あれば、小さなスプーン一切れくらい流し込むことができるかもしれないけれど、それ以上はとても無理。
無理をしても食べられないものは、食べられない。

来たばかりの頃は、勧められたものを断るのは失礼だろうと、すこ~っしは無理して食べていたけれど、今はきっぱりと"No thank you"というようになった。
でも、自分の誕生日のために買ってきてくれた、自分の誕生日ケーキを食べないわけにはいかない。
それが苦痛で仕方ない。

だから今回は夫に頼んで、「ケーキはこっち用意するよ」と言わせることにした。

お隣のくみさんに紹介してもらった、美味しいケーキ屋さん。
ここでは、日本人好みのあっさりしたケーキを売っている。
何度かくみさんちで頂いたけど、すっごく美味しい★

さて、そのケーキを持参していきました。
今は夫の姉さんも2人の子供(高2、中1)を連れて遊びに来ている。

ディナーが終わって、さてケーキカットタイム。
子供達は、このケーキのために、夕飯は腹7分でやめている。

「わ~い、ケーキだ。いっただきまぁ~す」(もちろん英語に頂きますという表現はないけど)

私は満足してぱくぱくと食べる。
う~ん、美味しい

しかしアメリカ人は、ん? ムム? 
高2の甥が口を開いた。
「なにこれ? このクリーム味がない。」
中1の姪も同じことを言う
「へんなの、このスポンジも味がない。」
大人たちは率直なコメントを言うのが失礼と思ったのか、しばらく無言。

夫の姉が口を開いた。
「アイスクリームと一緒に食べたらどうかしら。」
味がないから砂糖をかけようと言わなかっただけ賢い。

義母がアイスクリームを出してきた。
バニラ、チョコチップクッキー、アーモンド、色々ある。
子供達は、味のないケーキにがっかりして、2口目をたべようともせず、アイスクリームだけを食べることにしたようだ。

大人たちは自分のお皿の上にのっているぶんは、どうにかアイスクリームで甘さを足して食べ終えた。

初めて食べる味のないケーキに大人達はびっくり。
だれも誉めはしないものの、興味はあるらしい。
「どこで買ったの? これはなんていうケーキ? 砂糖を入れないように特別注文したの?」


あの、べとべとの吐き気がするような甘いケーキが好きな人たちだから、日本風のケーキじゃ物足りないだろうと初めから予測はしていたものの、これはこれとして別の種類のものとして食べて美味しいのではないかという期待は少しあった。
ここまで露骨に、「味がない、味がない」と驚かれるとは思わなかった。

昔聞いた話、嘘か本当か知らないけど、白人の舌とアジア人の舌とでは、味を感じる神経細胞の数が違うらしい。アジア人の方が圧倒的に多いっと聞いた。

今ではそれが納得できる。

味音痴の人たちと生活を共にするのは辛いわ。

寿司を美味しいと言って食べる白人達。
本当にその味がわかっているのか不安になってきた。
高いというだけで、かっこつけて味がわかる振りをしているんじゃないだろうか。