白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

白杖は危険物?羽田空港で没収されました

2019-08-06 12:24:32 | RP
日本という国は、なんとも不思議な国で、道には点字ブロックが敷き詰められて、
ちょっとやりすぎなほど、障害者に優しい国かと思いきや、
突然「視覚障害者はご利用いただけません」とか、
露骨な差別を堂々と言ってのける。

空港では、車いすの人のために従業員が待機していて、手伝ってくれてたり。
なんとも、いたれりつくせりなサービスっと思いきや、

息子はセキュリティで白杖を「危険物」として取り上げられた!!!


いったいなんなんだこの国は???


アメリカは9・11の事件以来、飛行機のセキュリティはめっちゃ厳しいけど、白杖を取り上げたりはせんぞ~~~!!!


今回は北京経由だったけどもちろん北京の空港だって、白杖を取り上げたりはしません。


何?テロリストが盲目を扮して白杖を武器に飛行機に乗りこもうって?

白杖なんかでいいんだったら、わざわざ盲目のふりしなくったって、小さく折りたたんで鞄に入れちゃえばいい。
どうせプラスチックなわけだし。

結構小さくなるから、携帯には便利よ~。


んじゃ何?折りたたんで鞄に入れていればいいけど、使ってたらダメってこと?


そんなアホな。


長男も、「あー、そうですか」って渡さずに、「じゃあしまいます」って折りたたんじゃえばよかったのに。それでも、没収したのかなぁ?


「それがないと、歩けなくて困るんだけど」と言うと、搭乗口までついてきたらしい。

それをサービスがいいというのか、思いやりがあるというのか。。。


飛行機から降りて返してもらったらしいんだけど、それでも、ちょっとどうなんだろうね?


パラリンピックだってあるんじゃないの?
視覚障害者だって多く来るだろうに、
世界で唯一白杖を「危険物」として取り上げる国、日本!になるのかしら。



セキュリティーの手前に張り紙をしたらどうかしら。

「白杖は折りたたんで鞄に入れましょう」

セキュリティーの直前で鞄に入れて、直後で出して使う・・・。



あー、ばかばかしい。

少しは考えてルールを作ってほしいわ。














2019-07-19 12:27:43 | その他
私には妹がいる。かわいい、かわいい妹がいる。

あまり良い家庭環境ではなかったため、私と妹は二人で寄り添って育ってきたように思う。

何にでも立ち向かう私と、気の優しい妹。

妹は私を慕ってついてきてくれた。
私は優しい姉ではなかった、でも私なりに必死で妹を守った。

私が21歳の時に母が死に、その10年後に父も死んだ。

私にとっての実家は妹の家になった。
子供を連れて日本に帰るときは必ず妹の家に泊まった。
妹はそんな私を歓迎した。

日本から何か送ってほしい時はいつも妹に頼んだ。
妹はいつも快く
「いいよ~~!」
っと私がリクエストするものを送ってくれた。

今妹は、優しい旦那さんと3人の子供たちに囲まれて幸せに暮らしている。


いや、幸せに暮らしていた。



癌が発覚するまでは。。。




癌の中でも特に質の悪い癌、胆管癌。
もう、手術はできないほど進行しているらしい。
転移も見られ、リンパ節にまで広がっている。


不幸な生い立ちを克服し、幸せを手に入れたはずだった。
なぜ?どうして妹なんだろう?
私の妹。かわいい、かわいい、妹。


そして10歳、5歳、3歳の三児の母。

死が怖くない人なんていないと思う。
だれだって、死にたくなんかない。
でも、でも、でも、幼い子供を持つ母ほどその気持ちが強い人はいないんじゃないだろうか。
それは、命が自分だけのものではないから。
子供の将来を心配し、母を亡くす子供を不憫に思い、そしてもう二度と会えなくなってしまうという耐えがたい悲しみに直面している。

なんで今なんだろう。
せめて母の享年である49歳まで生きることができたら。

妹は、アメリカに帰る私を見送りながら泣いた。
「また来るから、またすぐに来るから、頑張るんだよ。」

奇跡は起こらないのだろうか。


遊園地での障害者差別 その2

2019-07-16 12:42:09 | RP
これまた屋内遊園地でのお話。

その日は大変混んでいた。
小さい子を蹴飛ばしたりしないように、長男には白杖をしっかり持たせる。

そんな中での出来事。


長男は白杖を持っていたため、並んだアトラクションに乗ることを拒否されたのだという。

2時間も並んで、やっと自分の番になって「これから」という時に、「あなたは乗れません」って、ちょっとあんまりでしょ。

数歩トコトコと歩いて乗ってシートベルトを締める。
座ってしまえば見える人も見えない人も同じ。
終わったらシートベルトを取って、数歩トコトコと歩いて出てくる。


たったそれだけのこと。


目の前にあるその乗り物にのるだけなのに、座ってシートベルトをするだけなのに、

「あなたは目が悪いのでできません」

「いやできますよ。見ててよ。」

「いえ、決まりなので、ダメなことになっているので。」


夫が言うには、そのアトラクションは映像を見ながらシートががたがたと揺れるだけでいったい何がどう危険なのか、どうして目が悪いとだめなのか、わからなかったそうだ。


納得がいかないから電話をしてみた。


責任者の大崎さん(仮名)という方が私の対応をした。


私はなぜ白杖を持っていたら乗れないアトラクションがあるのかを聞いた。


「暗くて足元が見えにくいので、乗り降りの際、また避難をする際など危険ですのでご遠慮いただいています。」

まただ。

まるで障害者を守っているかのような口ぶりの差別、排除、締め出し。


私の頭の中には、いろんなことがよぎった。

まず長男は、視野は狭いけれど、中心視力は普通だ。
乗り降りだとか、階段だとか、気を付ける場所がわかっているのであれば何の問題もない。
問題は予期せぬ障害物であったり、小さな子供なのだ。


「白杖」イコール「視覚障害者」イコール「全盲」イコール「危険」は先入観と偏見でしかない。


二つ目、暗くて足元が見えないんだったら、かえって晴眼者の方が危ないんじゃないの?
全盲の人の方が見えない足元には慣れているわけで。



しかし、屁理屈を言うために電話をしたのではないため、この辺のことは言わないことにした。


私の目的は「守っているかのように見せかけた差別」に気付いてもらうことと、
「責任逃れのために張ったバリアが、結果、差別になっていること」に気付いてもらうこと。


私は続けた。

「大崎さん、ではこれはどう思われますか。ある映画館が『館内は暗くて足元がよく見えないため、視覚障害者の入館はお断りしております。』といったとしたら。」

「それは違いますね。」

即答だった。

「映画館がそんなことをしたら差別にあたるけれど、あなた方は良いという意味ですか?それはなぜでしょう?何が違うのですか?」

「それはー。」

「何がどう違うのですか?」

「それに関しては、後程回答させていただきます。」




避難時に危ないからという理由で視覚障害者の利用を断るのであれば、視覚障害者はどこにもいけないではないか。

「出入口が狭いので」
「階段は危険なので」

などという理由で、ありとあらゆる建物の出入りを禁じることが可能になるではないか。


「それに、〇〇の場合危険なので」という理由も、なんとでも作れると思う。


映画館も、スーパーも、デパートも、ホテルも、レストランもありとあらゆるものが「危険だから」という理由で視覚障害者を締め出すことが可能になってしまう。

「うちのレストランでは、熱いものを出しますので、ぶつかってやけどの危険があるため、視覚障害者の来店はお断りしております。」

「陳列棚にぶつかって、重いものが落ちてきては危険ですので、当店への視覚障害者の来店はご遠慮願っております。」

「うちのホテルは段差があるため、足をつまづいて転んでは危険ですので・・・」

まるで、"風が吹いたら桶屋が儲かる"状態だ。

そんな取ってつけたような「安全上の理由」を正当な理由として認めてしまえば、障害者差別のし放題になる。


誤解しないでほしいのは、「安全上の理由」がすべて間違っていると言っているのではない。
例えば車の運転など、目が見えない人が行うと危険な行為は実際にある。

私が言いたいのは「安全上の理由」と言ってしまえば何でもOKという風潮はおかしいということ。
少なくとも、事業者側はそのルールが本当に理にかなっているものなのか、しっかり吟味する必要があるし、それが当の本人から「不当だ、差別だ」と思われるのであれば、見直すべきではないのかと言っているのだ。



さて、電話の話に戻ろう。

私は長男が断られたアトラクションの話をしているのに、大崎さんはローラーコースターの話に持っていこうとする。

「危険だから安全のためにっ」と言いたいようで、
そのためには最も危険度の高いローラーコースターが都合が良いようだ。

でも私からしてみたら、ローラーコースターでも、椅子ががたがた揺れるだけの映像アトラクションでも、はたまた映画館でも、目が見えない人だけを除外する正当性はないと思う。

ローラーコースターだって、座ってシートベルトをしてしまえば見える人も見えない人も同じなわけで、目が見えないからと言って危険度が特に上がるわけではない。


大崎さんは言った。

「実際にうちでも死亡事故があったんですよ。」

「それは目が見えない人が、見えないことが理由で起こった事故ですか?」

「いえ、それは、まぁ普通の人でしたが。」

事故があったから、じゃー見えない人はダメにしようって、いったいどこから出てくる発想なの?
そんなに危ないなら、そのアトラクションは辞めればいい。

目が見えないからと言って、危険度が上がるわけではないけど、でもやっぱり危険なので、まー念には念を入れて目が見えない人はダメにしておこうっといったところか?

大崎さんは、この決まりができた経緯だとか、過去の例を話して、私を説得しようとする。
どの話も視覚障害とは何の関係もない話だけれど、責任を問われないようにと考えた挙句にできた決まりだということはよくわかる。

まぁ、説明されなくてもそれくらいのこと想像はつきましたけど。

この決まりを作るに至った経緯が何であれ、できたものが結果的に障害者差別になっているのだから、見直すべきだという私の意見に耳を傾ける気配はない。


数が少ないから、怒ってこなくなったところでたかが知れてる。
面倒な障害者が来なくなったら逆にありがたいくらいなところか。



自己責任を棚に上げて、何でもかんでも相手のせいにしてしまう人々。

責任を問われるのが面倒で、過剰にバリアを張り巡らすあまり、面倒な障害者を事前に排除してしまおうとする日本の社会。



アメリカは日本以上に訴訟の国だけれど、こういう不当な締め出しを食らったことは一度もない。
何も知らない他人が「あなたはできません」なんていう権利はないのだ。



できるかできないかは本人が一番わかる。そして本人しかわからないことがほとんどだ。
他人が勝手に「できない」と判断して行動を制限したり、サービスの提供を拒否することは人権侵害だ。


健常者と同じ入場料を払っているのに、乗り物まで歩いて行って、自分で乗ってシートベルトを締め、終わったら降りてくる、たったそれだけのことなのに、こんな白い棒を持っていたばっかりに「あなたはできません」と決めつけられて拒否された理不尽さ、屈辱。

こんなことってあっていいのだろうか。


長男は乗れなくてがっかりしたというより、すごくショックを受けていた。



私は大崎さんに伝えた。
「私を説得しようとするのはやめてください。あなた方がやっているのは、明らかに差別です。こういう意見が出たことを会議に上げて話し合ってください。」

おそらく、電話を切った後は「あー、またうるさい客だった。」と愚痴って終わったことだろう。


そして、また何にはばかることもなく堂々と「視覚障害者はこのアトラクションには乗れません」と露骨な差別を言ってのけるのだろう。

まるで障害者を守っているような顔をして。


以下障害者差別をなくすための日本の法律 (ウィッキペディアより引用)


障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、財・サービスや各種機会の提供を拒否する又は提供に当たって場所・時間帯などを制限する、障害者でない者に対しては付さない条件をつけることなどにより、障害者の権利利益を侵害すること。法は、事業者、行政機関等いずれに対しても不当な差別的取扱いをすることを禁止している。








遊園地での障害者差別 その1

2019-07-15 12:36:13 | 難聴・手話
せっかく日本に来ているのに雨だ。
お台場に屋内遊園地があるらしい。行ってみよう。

連休の日曜日、雨の日とあってさすがに込み合っている。
どれもこれもアトラクションに乗るためには1時間~2時間待ち。
列に並ぶ夫と子供たちを見送って、私はカフェでゆっくりすることにした。

帰る途中、三男の耳に補聴器がついていないのに気づく。

イヤーモルドはついているのに、チューブの先の補聴器の部分がない!
補聴器の部分だけ落ちるなんて初めてのことだ。
無理やり引っ張ったりしない限り普通落ちたりはない。

いったいいつ落としたのか?
すぐに遊園地に電話をした。

乗ったアトラクションを聞かれたので答えると、そのアトラクションに乗るときは補聴器をはずいてもらうのだという。

は?なんで?私は耳を疑った。

「あの、今なんとおっしゃいました?補聴器を取らせるんですか?なぜ?」

「落としてしまう可能性がありますので、補聴器は取っていただくようお願いしております。」

は?落としてしまう?冗談でしょ。

「補聴器はそう簡単に取れるものではありません。耳の型を取って作ったイヤーモルドは個人個人の耳に完璧にフィットしています。耳は中もらせん状になっているため、装着するときは少し回すように、ねじを入れるようにして装着します。逆さになろうと、どんなに首を振ろうと手を使わずに取ることは不可能です。」

そう。モルドはそう簡単には取れない。無理やり取ろうとすると、チューブの部分を痛めてしまう。

見えた! 

三男は自分の番が来て、補聴器を取るように言われたので、急いで力任せに引っ張ったんだ。
それでチューブのところでブキチれるようにして補聴器の部分だけ取れてしまったんだ。


「では眼鏡をかけている人はみんな眼鏡を取るようにお願いしているのですか」

「いえ、それは。。。」


簡単に取れてしまう眼鏡はいいのに、そう簡単に取れない補聴器は「落ちる可能性があるから」取れというのか?ますます許せない。


「なぜ眼鏡はOKなのに、補聴器は取らなきゃいけないのですか。」

「落ちてなくされたり破損されたりしたものに関しては責任は一切持たないとお断りしておりますので。眼鏡に関しては自己責任ということで。。。」

じゃぁ補聴器だって同じじゃないの。責任持たないのになんで取れと命令するの?


っていうか、何か重大なことをこの人たちはわかってない気がする。
落ちる、落ちないの問題以前に、補聴器はイヤフォンやピアスなどとは違う、体の一部なんだということを!!!

義足をしている人に「そこに義足を置いていきなさい」と言えますか?

補聴器を取れだなんてもってのほか、絶対に許せない。

私は補聴器は取れにくいものであること、眼鏡はOKで補聴器はダメと言うのはおかしいのではないかということ、そして体の一部である補聴器を取らせるという行為はいかがなものかということを伝え、必ずこのことを上に伝えるように言って電話を切った。
(でも後で聞いたら、やっぱり上には伝えてなかった。きっと「またうるさい客だった」と愚痴りながら切ったのだろう)


幸い補聴器はジョイポリスで見つかり、手元に戻ってきた。


しかし、また別のことが発覚した。(続く)

新しい補聴器

2019-07-05 12:33:49 | 難聴・手話
長男に新しい補聴器を買ってあげた。

$7000を超す買い物。

最近では、もっと安くてもいいものはたくさん出ているようだ。

でも、安いのとの違いを知ると、結局今市場に出ている中でもっともいいものを選んでしまう。
やっぱりね、体の一部だから、お金には代えられない。

新しい補聴器はスマートフォンのアプリで自分で自由自在に設定を変えることができる。

音の大きさを変えるのはもちろん
騒がしい所で目の前の人の声だけを拾うモード
外で風が強い時に風の音を抑えるモード
飛行機の中など騒音を抑えるモード
後ろの音を拾うモード

色々できる。

ブルートゥースでスマホとつながっているため、イヤフォンのように音楽や電話が耳に直接入ってくる

その時も、周りの音も拾うモード
周りの音はシャットアウトして、スマホからの音のみを拾うモード
と切り替えができる。

補聴器にはマイクもついているので、そのままハンドフリーで話すこともできる。

正直言って、普通の耳より便利だ。

新しい補聴器に満足してくれているようで良かった。

来年は三男の補聴器も買い替えてあげよう。金額的に一年に二個はちょっと無理なので。。。


長男の涙

2019-06-29 12:30:56 | RP
長男はおっとりとした性格をしている。
弟たちに暴言を吐かれようと、叩かれたり蹴ったりされようと、
「仕方ないなぁ」
と苦笑しながら許して、弟たちのわがままを聞いてあげる。

目のせいで、テーブルの上のものを倒したり落としたり、壁や物にぶつかったり、蹴飛ばしたり。
それでも「いってぇ~」と言いながらも「またやっちゃった~」と笑い飛ばす。

ある日長男が言った。
「家ができたら、また自転車で通学できるかな」

私は少し考えていった。
「マー君、自転車はもう無理なんじゃないかな。」

たぶん、それを一番わかっているのは長男だと思う。
わかっていながら言ったんだ。

「僕は自転車が好きなんだ。」
うつむいてぼそっと言った。

泣いていた。

一つまた一つと今までできていたことができなくなっていく。
代わってあげられるものなら、代わってあげたい。

勉強しないアメリカの高校生

2019-01-24 12:16:34 | アメリカ生活雑感
アメリカで子育てしていて本当に思う。
アメリカの子供は勉強の絶対量がたりない。


100万人に一人の超天才が出るのは確かかもしれない。
しかし一般人のレベルが低すぎるのは、ひとえにこの絶対量が足りないせいだと思う。



長男は高校生だ。
現在期末試験期間中。

でも長男は「特にやることがない」と言ってなにもやらない。
試験前の一週間も、特に勉強をしている様子はなかった。

「少なくとも習ったことの復習くらいしていきなさい。」っというと、
「そういう試験じゃないんだよ。」

っとのこと。

社会のテストは、感想文。
それはいつも同じ。
歴史でも現代社会でも、感想文を書くのが社会。
暗記はゼロ。
なにもやらない。

今回の英語のテストは、
3~4人でのディスカッション。
先生は全体を見て、ちゃんとディスカッションしてるか見る。
ちゃんとやっていれば満点で、やってなければ・・・さぁ知らない。

数学は、中間や期末まで待つとみんな忘れちゃうから、ちょっと教えるたびにおさらいテストをする。
長男が言うにはめちゃくちゃ簡単だから、
何も勉強しなくても満点とれるらしい。
中間や期末テストはない。
受験もないから、習いながら忘れていく。

理科は?
テストがあったらしいけど、15分で終わったとのこと。
できばえは?
「満点だと思うよ。」
いったいどんだけ簡単なテストなんだ?

唯一テストらしいテストは外国語。
長男は中国語を選択している。
んで、どうだったの?
「一個間違えたかも。でも確実に95点は取れてる。」

まったく試験勉強しないで?
冗談でしょ。


こんなんだから、やる気が出ない。

もう知らん。好きにせい!

きっとまだ高1だからこんな簡単なんでしょ。
きっと、きっと、これからどんどん難しくなっていくんでしょ。


そう信じることにする。


白杖 周りの反応

2019-01-23 12:45:21 | RP
白杖を使いだして約2週間。
一番気になるのは周りの反応。

長男は特に何も言わない。
気になる母は聞いてみることに。

「ねぇ白杖使ってみてどう?」
「ああ、いいよ。」

・・・会話おしまい。

もぉー、これだから男の子は困る。

「ねぇねぇ、もっと教えてよ。周りの反応は?」
「よけてくれる。歩道歩いててもね、道に出ようとしてる車がバックして引っ込んでくれたり、白杖の威力すごいなぁって思う。」

そうでしょうよ。
でも一番気になるのは友達の反応よ。

「友達には何か言われた?」
「そんなに目が悪かったんだぁって数人の子に言われた。」

「それだけ?」
「うん」

淡白なもんだ。
そんなもんなのか?
私が気にしすぎだったのか?

全校生徒3000人を超えるマンモス校。
からかったり、いやみ言ったりする子がいても不思議はないんだけど。

たぶんバークレーという土地柄もあると思う。
障害者にとって世界で最も住みやすい町とかなんとか。

本『五体不満足』の乙武洋匡さんが本の中で書いているように、ジロジロ見る人がいない。
見ないように心掛けているというより、みなさん気に留めてないといったほうが近い。
いろんな人種、いろんな民族衣装、いろんな言葉、いろんな障害を持つ人、ありとあらゆる人がありのままで自由に暮らすバークレーだから、みなさん『違う人』に自然と慣れている気がする。
白杖持っているくらいじゃ、目を引くことはないのかもしれない。

まぁ確かに、白杖を持っている人を見かけることも珍しくはない。
シンボルケーンとして、使わずにただ白杖を持って歩いている人もみかける。

他人がどう思うか、自分がどんな目で見られているか気にするのは、私が日本人だから?

いや、きっとアメリカでも他の町に行けば違うでしょ。

きっとバークレーで良かったんだ。



アメリカの教育制度(スキップ)

2019-01-21 12:24:10 | 子供
アメリカではスキップ(飛び級)という制度があることを知っている人は多いだろう。

しかし、大きな勘違いがある。

日本人は、「頭がよけれあスキップするもんだ」と思っているようだ。
それは違う。
スキップをする子供たちは、スキップさせることを目的に特別な教育を受けさせられたっとでも言おうか。

頭がいいから学校がどんどん先を教えて結果的に3年生なのに4年生の勉強終わっちゃったってことはほとんどない。
まぁ、どっかの私立の学校ならそういうこともあるかもしれないけど、
公立の場合断言していい。
学校が一人の生徒のために、そんな手間をかけるなどあり得ない。
たいていの場合、先生たちは遅れている子供を引っ張ることで精いっぱいだ。
そして、「最低レベルに達している子が何パーセントいるか」で学校は評価される。

スキップする子供は、親がスキップさせることを目標にして、自分が教えるなり、家庭教師をつけるなりして勉強させるのがほとんどだ。

アメリカの小学校のスタンダードはめちゃくちゃ低い。
うちの子供たちでさえ、たいくつで仕方なかった。
だから、よっぽどのアホでもない限り、それを目的にやれば、一学年のスキップくらいなら難しくないと思う。

じゃぁ、金持ちは誰でもやらせるかと言うと、それも違う。

だって、子供時代って重要。
精神年齢が近いほうが友達と遊んでいても楽しい。

昔就職面接にやけに若く見える女の子が来た。
アメリカでは年齢を聞くのは違法なので、誰も彼女の年齢を知らなかった。
監査はクライアント先に出向くので車の運転が必要だといったところ、
15歳だからまだ免許を取れないという。

15歳でもう大卒?
確かに若く見えるけど、みんなびっくり。

普通なら高校生で青春を謳歌している時期に、もう働きに出る?
それって幸せなの?

頭がいいことを見せびらかしたいなら、スキップじゃなくても方法はいくらでもある。
例えば数学オリンピックとか、
American Math Compitionとか。

例えばAMC8は8年生レベルに作ってある。
8年生以下ならだれでも挑戦できる。
優勝するのは8年生とは限らないのが面白い。

AMC12の優勝者が小学5年生なんてことも聞く。
明らかに、その子は頭がいい。
ものすごく頭がいい。
天才的に頭がいい。

でも、スキップはしてないわけです。
少なくとも数学は微分積分まで勉強済みなわけです。
スキップできないというより、スキップに興味がないといったほうがいい。

アメリカの公立学校のレベルの低さを愚痴るとよく言われる。
「じゃぁスキップしないの?」

「成績良い=スキップ」でもなく
「頭が良い=スキップ」でもないということ、お判りいただけたかしら?



白杖デビュー

2019-01-17 11:54:45 | RP
ついに白杖デビューを果たしました。
もっと抵抗があるかと思ったけど、意外とすんなり受け入れてくれた。

カバンの中に入れっぱなしにして出さないんじゃないかと思ってた。
「使え」って言う練習までしてたのに。



初めて使うのに勇気は要ったけど、1度使っちゃうとその大きなハードルはあっさりクリアしたご様子。
1週間ほどで、もう白杖なしでは不安で歩けないほど不可欠になっちゃいました。

歩くの怖かったんだね。

他の人には
「見えないことをわかってほしい」
と訴えながら

実は私の方が
「まだ大丈夫、まだいける」
と長男に無理をさせていたのかもしれない。

目の前のものに気付かなかったり、
躊躇なく壁に突進して派手にぶつかったりしたとき
つい言ってしまう。
「いったいどんな見え方をしているのか不思議だわ~。」

そのたびに笑いながら返す長男、
「どんだけ見えてないかわかったらびっくりすると思うよ~」


そうだよね。
彼がどれだけ見えているかなんて、私にわかるわけはなく、
「まだ大丈夫、まだいける」なんて、私が判断することじゃなかったんだ。

白杖使って堂々と生きていけ!

白杖が届いた

2019-01-09 10:25:00 | RP
目が見えない人の象徴、白杖。

高校で歩行訓練をしてくれている先生が長男のために注文してくれていた。

4つにたためる折りたたみ式。

「これからは、これもあなたの体の一部よ。補聴器やメガネとおなじ必需品であり、あなたの武器。これさえあれば無敵。どこでも戦っていける。」

武器という言葉が気に入ったらしい。

「武器かー」

ちょっとかっこいいと思ったかな?

「でもこれ使ってると電車やバスで本読めないね。」

白杖は全盲の人が使うという認識はアメリカでもある。

「関係ない。堂々と本を読んでいい。携帯を見ていい。あなたは何も間違ったことはしてない。何も悪いことはしてない。盲目のふりなんてしなくていい。ジロジロ見る人がいたらサラリと言いなさい。」
白状を持ち上げて
「これ?僕視野が狭いから」って。

人は知らないだけ。
あなたに会うことで
「ああ、そうか。」っと思えばそれでいい。

「堂々と使いなさい。」

とは言ったものの、周りの理解がないのは辛いだろうなぁーと心配する私。

そんな事言ってられない。
安全に歩くため、必要だから使うんだ。
他人の目なんて気にしてられるか。


ボート部入部

2018-09-19 12:25:08 | RP
早速長男にボート部のことを話してみた。

うちの子供たちは、カヤックに乗るのが大好きで、海や湖でカヤックのレンタルがあると、かならずやりたがる。

先週カタリーナ島に行った時も、ちょうどみんなでカヤックを楽しんだばかりだ。

長男はすぐにのってきた。

「練習きついよ~、厳しいよ~。忙しくなるよ~。ゲームする暇なんかなくなるよ~」

それでもやりたいという長男。
やったー、そうこなくっちゃ!


練習はオークランドとアラメダ(島)の間でやるらしい。
うちから車で20分くらい。
駅が近いから、BARTでも行ける。

初日はボートに乗らずに、機械で漕ぐ練習をしたようだ。
二日目と三日目は、練習用のボートにのって練習をしたらしい。
でかくて、ひっくり返る心配はないけど、重くてのろい。

そして四日目、初めてレース用の8人乗りボートを使う。

私も含めて家族みんな、長男のボートに興味しんしん。

「どうだった?」

「すごく楽しかったよ~。すごく速いんだよ、怖いくらい速いんだよ。漕いでるというより、スピードに合わせてオールを動かすのが精いっぱいって感じ。ちょっとでも気を抜くと、オールが流れる水にのみこまれちゃうんだよ。」

嬉しそうに話す長男。

8人で漕ぐんだから速いだろうなぁ。
風を切って進むんだ(後ろ向きだけど)。

目が見えなくても、風を切って進むことができるスポーツ。
すばらしい、最高じゃん!

このあたりには大人のボートクラブもあるし、やりたければ続けることも可能。

汗をいっぱいながして、
友達いっぱい作って、
頑張れ!

ママは応援してるよ。








目が見えなくてもできるスポーツ

2018-08-10 12:49:36 | RP
長男は小学生のころテニスをしていた。

何歳になっても楽しめるようにと、私もせっせとお金をつぎ込んで、テニスクラスに入れていた。

でも・・・
目の病気のことを知ってからは、気が進まない。

そのうちに、ボールなんて見えなくなる。

初めからできなければ、そのスポーツをしたいとは思わない。
でも、ある程度上手になってできなくなると、できないことを辛く感じる。

できないほうがいい。

そんな風に考えるようになってしまった。


それからというもの、目が悪くてもできそうなスポーツを探してきた。


水泳を勧めたものの、本人はあまり乗り気ではない。

アーチェリーもやってみた。
広い視野は必要ないかなと思って。
でも、そのうち的も見えなくなるのかもという気持ちがつきまとう。

何かないか?


そんな時、高校から送られてくるEメールに面白いものを見つけた。

「ボート部です。興味がある方、夏休みに一緒に練習しませんか?」

ボート⁉
これだ!これなら目が悪くてもできる!
見つけた!
見つけた!

どうせ後ろ向きに乗るんでしょ。
座って漕ぐんでしょ。
いいじゃん、いいじゃん、できるよきっと。

目が見えなくなると、引きこもる人が多いらしい。
長男にはそうなってほしくない。
人生を通して楽しめるスポーツがあれば、どんなにいいことか。
それに高校時代、部活をやらないなんてつまんない。
汗と涙の青春を謳歌してほしい。
目がハンディーにならず、同じ条件でみんなとできるスポーツ。

よし、長男にすすめてみよう。







五体満足なんだから、いいじゃない。

2018-08-08 12:21:54 | RP
子供を使って競争してくるお母さん。
どこにでもいそうだけど、
私の身近にも、一人そんなお母さんがいる。

二人目不妊で苦しみ、お子さんは一人だけ。
ご主人とうまくいかず離婚。

家族五人、和気あいあいの我が家に対して妬みに近い羨望の目があるのはわかる。

子供だけは負けたくないと思うのか、
どんな些細なことでもすべてにおいて競争してくる。

そして、自分の子供のほうがどれだけ優れているか
自分の子供がどれだけ幸せかをアピールしてくる。


なんで、私と競争したいの?


あなたのお子さんは、見える目と聞こえる耳を持っているじゃない。
それだけで、十分でしょ。

そんなにうらやましいならすべて代わってあげていい。
その代わり、見える目と聞こえる耳をちょうだい。

すべてのことと引き換えにしていい。
見える目が戻ってくるのなら。








子供三人

2018-08-06 12:33:25 | 思うこと
息子三人に囲まれて、私は幸せ者だなぁっと思う。
いや、やっと思えるようになってきた。

子供が小さいときは育児に追われて、そんなこと思う暇なんてなかった。
どちらかというと、
「後先考えずに3人も生んだ私は馬鹿じゃないか?」
っとさえ思っていた。

一人でやめておいたお母さん、あなたってなんて賢いの?

「三人目ができたのよ~」なんて話を聞こうものなら、
新たな戦友の登場に、無性にうれしかった。

「あなたも、一緒にこの苦しみに耐えることになるのね!」



それほど、子育てとは大変なのです。

お金もかかります。

稼いできたお金そっくりそのまま子供行きです。


「私はどうしてここまで自分を犠牲にして子育てをしてるのかしら?」
なんて毎日のように考えてました。


それが、一番下が5歳くらいになると、グンっと楽になり、
今末っ子が7歳、ようやく「幸せ」が「大変」を超えるようになってきました。

子供三人、男の子三人、私の宝物。


生まれてきてくれてありがとう。