白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

強制送還

2016-11-28 07:14:40 | 思うこと
まさかのまさか、トランプが大統領選に勝って、不安の声がいっぱい上がっています。

トランプの公約の一つ「違法入国者を一斉摘発強制送還する」っというものが最近の大きな話題。

日本にとっては、そう突拍子もない話でもないのですが、ここは移民の国アメリカ。先についたからと言って、あとから来る人を排除するというのはあまりにも心が狭い。

それに、数だってものすごい。
私の周りにも普通にいっぱいいます。幼い頃に親に連れられ不法入国して40年。アメリカで義務教育を受け大学まで出て、今では結婚し子供もいて家も買い、ごく普通に生活している人たち。ちゃんと働いて税金も払ってます。
家族を置いて、お父さんだけ又はお母さんだけ強制送還すると言うのでしょうか。言葉もわからない、何の記憶もなく知り合いもいない、そんな国に送るというのでしょうか。

これから入ろうとする不法入国者を厳しく取り締まるというのならまだわかるけど、上記のような人たちを強制送還というのは、納得できない。

家の子供たちがあまりにも無関心なので、ちょっといたずら心で言ってみました。

「ママも日本に強制送還されるのかなー」

「強制送還ってなーにー??」

やっぱりこうくるよね。

「アメリカからキックアウトされるってことよ。ママは日本人だもん。」

子供たちの顔色がぱっと変わりました。

「え?なんで?そんなのやだ。」
っと次男。

「よし、じゃあ、トランプが大統領になったら、みんなで日本に引っ越そう」
っと長男。

みんな真剣です。

いやいや大丈夫だよ、ママは不法入国者じゃないから。

でも、これが冗談じゃない人たちはたくさんいるのです。

家族をお引き離すのだけは絶対に許せんぞ、トランプ。

網膜色素変性症とは

2016-11-26 07:21:47 | RP
息子たちが持つ網膜色素変性症とは、
簡単に言うと、網膜の視細胞が少しずつ死滅していく病気。
進行速度は人によってまちまちで、二十代で視力のほとんどを失う人もいれば、中年頃まで使える視力を保つ人もいる。
ただ言えることは、ほとんどの人が50歳までに、ほとんどの視力を失う。

目には桿体細胞と錐体細胞があり、桿体細胞は暗いところで錐体細胞は明るいところで機能する。
桿体細胞の方が、数も多く目全体にあるのに対し、錐体細胞は中心視力を担う。
典型的な網膜色素変性症は、まず桿体細胞から死滅していくため、まず暗いところで見えなくなり、視野がだんだんと狭くなっていく。

長さ60センチのトイレットペーパーの芯を除いたような小さな小さな視野になると、
いったん視野の狭窄は止まるものの、今度は中心視力が衰えだす。
そして、その小さな小さな穴の中も見えなくなっていく。


この病気の人は失明の恐怖を背負って生きていかなければいけない。


言えない。
失明の恐怖を与えたくない。

医者は早く告知しろという。
家族の中で隠し事があってはいけないと。

でも、言えない。
まだ12歳の子供にそんなこと言えるわけない。

せめて、なんらかの治療法が生まれて、
病気を遅らせることができるようになるまで、
希望が持てるようになる日が来るまで、
もう少し、もうしばらく・・・。

でも、そんな日は本当に来るのだろうか。


お化けが出てくるよ

2016-11-23 07:16:52 | 子供
今週は感謝祭。
感謝祭が終われば、クリスマスはすぐそこ。

あー嫌いな嫌いなクリスマスショッピング。

私はAmazonで済ませちゃいます。

ただAmazonはクリスマスが近づくと商品の値段を乱高下させることを私は経験上知っている。

豆に値段をチェックすれば安く買うことは可能かもしれないけど、そんな暇はない。

変に高い値段を掴まされるより、早めにお買い物をやっちゃおう。

するとよりにもよって家に子供しかいない時に箱がどっさりとどいちゃいました。

やばい

「開けていい?開けたい開けたい。」とまとわりつく三男。

こまったなーっと、とっさに思いついた一言。

「箱を開けるとお化けが出てくるよ」

こんなんで騙されるわけないよなっと思いきや、

はっと三男の顔色が変わり

「ママ、この箱外に出して」

みごとにだまされてくれました。
危機一髪。

ペンパイナップルアップルペン

2016-11-22 07:16:15 | その他
変なものがはやってる。

ピコ太郎の
「ペンパイナップルアップルペン」

見てるだけで恥ずかしくなるんですけど。

子供たちは大好きでしょっちゅう歌って踊ってます。

先日会社で、eメールが回ってきました。何かと思いきや、なんと

「ペンパイナップルアップルペン」
のリンク。

会社でまで流行るとは。。。

私が子供の頃はよく
「詰め込み教育で独自性がない」
などと言われたものですが、
アメリカから見ると、日本ほどユニークで面白い国はない。
どうしてそんなに次から次へと、突拍子もないことを考えつくのか。

時々聞かれます
「日本はどうしてこんなに変なことを思いつくの?」

わたしにきかれても、困る。




難聴の理由

2016-11-21 07:21:47 | RP
長男が生まれてすぐ、私たちは遺伝子の検査をした。

異常は何も見つからなかった。

三男も難聴を持って生まれてきた。
兄弟が2人も難聴なんだから、明らかに遺伝だ。

あれから10年、遺伝子の世界は研究が進み今までわからなかったことが、色々解明されてきた。

気になることがあって、もう1度遺伝子の検査をした。

今回は難聴の原因遺伝子が特定された。
それと同時に、この遺伝子異常が持つ本当の怖さもわかってしまった。

難聴は兆候の一つに過ぎなかった。


病名は・・・


アッシャー症候群。




あの日、マーカスの夜盲に気づいた日から、ずっと疑ってきた。
間違いであってほしいと願ってきた。


医者は表情一つ変えずたんたんと説明する。

「10人に一人が持っている遺伝子異常です。遺伝子異常としては少しも珍しくありません。
ただ、タイプがわかっているだけでも100ほどあり、
ご夫婦が同じ遺伝子異常のしかも同じタイプでない限り、お子さんには出ません。」

そして、私たちはぴったり合ってしまった。
すごい確率で。


「現在確率された治療法はありません。
病気の進行を止めることも、遅らせることもできません。」



私の目を移植できないんですか?
長男と三男に一つずつ移植することはできないんですか。

聞きたかった。
でも答えは知っている。
長男の夜盲に気づき、アッシャー症候群を疑った時、私は最初にそれを調べた。

私の目をあげることができたら?

母ならだれもが最初に考えることだろう。
でも答えは


ノー



角膜の移植はできても、網膜の移植はできない。

なんて残酷な・・・。



生まれながらの難聴と、だんだんと見えなくなっていく目の難病、網膜色素変性症。
それがアッシャー症候群。



長男は、そして同じ難聴を持つ三男も、今後だんだん見えなくなっていく目と戦っていかなければいけない。

スタンディングデスク

2016-11-18 07:28:57 | 仕事
去年の暮にヘルニアの手術をしてから、いたって健康になったものの、長くは座っていられない。長く座るのってすごく腰に負担がかかるんですってね。

それで会社にお願いして買ってもらいました、なんとスタンディングデスク。
既存の机の上に設置するだけ。これで立って仕事ができます。



箱は机を広く使うために置いているだけです。意味はありません。

反対から見たらこんな感じ。


高さ調節できます。

座りたい時はぺったんこになるまで下げちゃえばいいだけ。

会社のみんなが見に来ました。
ハイテクの会社では、ごく普通の光景ですが、うちの会社では私が第一号。

へー、いいねこれ。

っと、腰に問題のない若者が次々に願い出て、あっという間に会社の半数がスタンディングデスクをつかうようになりました。

日本ではどうなんでしょう?
使ってます?スタンディングデスク。

手話通訳

2016-11-16 07:03:33 | 難聴・手話
三男が小学校に入学した。アメリカはキンダーから義務教育なので、日本より一歳早く5歳で入学する。

次男とスクールバスに乗って元気に通っています。

学校ではなんと三男のために手話通訳をつけてくれた。

リクエストはしたけど、まさか本当につくとは思ってなかった。

中等度の難聴で補聴器をつけたら充分聞こえるので、いらないといえばいらない。

長男の時は、長男が早々と手話を捨てちゃったので、手話通訳なんて考えもしなかった。

でも三男は、手話でスラスラ会話ができる上、長男より聞き返しが多い。

「え?なーに?手話使って?」

と聞き取れない時に手話をお願いする。

お友達と話をする時など聞き返すことが出来る時は良いけど授業中は聞き取れなかったら、そのままになっちゃう。

それで手話通訳をリクエストしたんだけど、教室で先生の横に座って、三男に向かって手話ですべてを通訳している光景を見ると、ちょっとやりすぎかな?っと思わないでもない。

あはは、まー税金払ってますし、権利はあるんだからいっか。手話通訳さんの雇用にもなってるし。