白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

子供三人

2018-08-06 12:33:25 | 思うこと
息子三人に囲まれて、私は幸せ者だなぁっと思う。
いや、やっと思えるようになってきた。

子供が小さいときは育児に追われて、そんなこと思う暇なんてなかった。
どちらかというと、
「後先考えずに3人も生んだ私は馬鹿じゃないか?」
っとさえ思っていた。

一人でやめておいたお母さん、あなたってなんて賢いの?

「三人目ができたのよ~」なんて話を聞こうものなら、
新たな戦友の登場に、無性にうれしかった。

「あなたも、一緒にこの苦しみに耐えることになるのね!」



それほど、子育てとは大変なのです。

お金もかかります。

稼いできたお金そっくりそのまま子供行きです。


「私はどうしてここまで自分を犠牲にして子育てをしてるのかしら?」
なんて毎日のように考えてました。


それが、一番下が5歳くらいになると、グンっと楽になり、
今末っ子が7歳、ようやく「幸せ」が「大変」を超えるようになってきました。

子供三人、男の子三人、私の宝物。


生まれてきてくれてありがとう。



安楽死

2017-01-20 17:45:50 | 思うこと
友達の御主人がつい先日お亡くなりになった。
48歳。
中学生と小学生の娘さんが二人いる。

子供を置いて、家族を残して逝くなんて、どんなに無念で、どんなに心残りで、どんなに悲しかったことか。

大学教授で大変威厳のある方だった。

癌が発見されたのは11月の終わり、たったの6週間前。

実は彼が選んだ道は安楽死だった。
私は知らなかったけど、カリフォルニアでは安楽死は法的に認められているらしい。

余命6ヶ月以内と宣告された患者さんには、安楽死を選択する権利がある。

カウンセリングを受けて、本人が正常な精神状態の上で判断していると認められた場合、安楽死の薬が貰える。

薬は自分で開けて自分で飲まなくてはならない。
誰かが手伝ってあげてはいけない決まりになっている。

もう1度考える時間を与えるためか、なんと90個のカプセルを一つ一つ開けなくてはならないらしい。

彼は、もうダメだとわかってから、急ぐようにこの決断を決行した。

早くしないと、自分で飲むことが出来なくなる。
そうなったら、安楽死の選択肢は消える、そう思ったのだろう。

両親と妻と2人の娘達に見守られながら、その薬を飲み、眠るように安らかな最後だったそうだ。

きっと涙涙のお別れだったんだと思う。
一人一人手を取って、伝えたいことを全部伝えてのお別れだったんだと思う。
想像しただけで涙が出てくる。

でも、なんて素晴らしい死に方なんだと思ってしまう。

この日の数日前に奥様にあった時、彼に意識はあるのかと聞いた。その時の答えは

「意識も何も、相変わらず私よりシャープだよ。」

すごく頭のいい人だった。
きっと、薬を飲んだ日も、朦朧となんてしてなかったんだと思う。

誰にも迷惑をかけず、威厳を保ったまま、自分の意志と判断で、この選択肢を選んだんだと思う。

私が余命数カ月と宣告された時、そんな精神力があるかどうかわからないけど、寝たきりになって死ぬより、まだ意識がはっきりしている時に最愛の家族にお別れを言って逝きたい。

日本でも、自殺原因の第一位は病気だという。
安楽死が合法ではないから、自殺という形をとるしかない。

家族に隠れて1人で決行するしかない。

そういう風に考えると 、安楽死って言葉を変えれば尊厳死なんじゃないか。

人として生きる権利があれば、死に方を選ぶ権利があってもいい気がする。

彼の死は、私に色んなことを考えさせるものだった。
ご冥福をお祈りする。

強制送還

2016-11-28 07:14:40 | 思うこと
まさかのまさか、トランプが大統領選に勝って、不安の声がいっぱい上がっています。

トランプの公約の一つ「違法入国者を一斉摘発強制送還する」っというものが最近の大きな話題。

日本にとっては、そう突拍子もない話でもないのですが、ここは移民の国アメリカ。先についたからと言って、あとから来る人を排除するというのはあまりにも心が狭い。

それに、数だってものすごい。
私の周りにも普通にいっぱいいます。幼い頃に親に連れられ不法入国して40年。アメリカで義務教育を受け大学まで出て、今では結婚し子供もいて家も買い、ごく普通に生活している人たち。ちゃんと働いて税金も払ってます。
家族を置いて、お父さんだけ又はお母さんだけ強制送還すると言うのでしょうか。言葉もわからない、何の記憶もなく知り合いもいない、そんな国に送るというのでしょうか。

これから入ろうとする不法入国者を厳しく取り締まるというのならまだわかるけど、上記のような人たちを強制送還というのは、納得できない。

家の子供たちがあまりにも無関心なので、ちょっといたずら心で言ってみました。

「ママも日本に強制送還されるのかなー」

「強制送還ってなーにー??」

やっぱりこうくるよね。

「アメリカからキックアウトされるってことよ。ママは日本人だもん。」

子供たちの顔色がぱっと変わりました。

「え?なんで?そんなのやだ。」
っと次男。

「よし、じゃあ、トランプが大統領になったら、みんなで日本に引っ越そう」
っと長男。

みんな真剣です。

いやいや大丈夫だよ、ママは不法入国者じゃないから。

でも、これが冗談じゃない人たちはたくさんいるのです。

家族をお引き離すのだけは絶対に許せんぞ、トランプ。

日米子育ての違い 1

2014-07-08 12:00:50 | 思うこと
日本とアメリカでは当然子育ての仕方が異なる。

好き嫌いの多い次男に夕飯を食べさせているときのこと。
次男が「これ嫌い!」と言うと、夫は「そうか。」っと食べさせるのをやめる。

そこで私は
「あんたが好きとか嫌いとか関係ないんだよ。出されたものは全部食べなさい。」
っと食べさせる。

アメリカって個人を尊重するとか言って、お客にお茶を出すにしても、コーヒーがいいかティーがいいか、コーヒーには砂糖は入れるかミルクは入れるかと事細かに聞く。
それを子供にもやるんだから私としてはあきれる。

夫の家族が集まった時の夕食は必ず好みを聞いてからお皿に盛る。

「アンドルー、チキン食べる?」
「ノーサンキュー」
「サラダは?」
「ノーサンキュー」
「ホットドッグなら食べる?」
「イエスプリーズ」

っといった風な会話がなされる。
子供は好きなものしか食べない。

子供にそんなこと聞くなよな!
自分の好きなものしか食べないに決まってんじゃん。

こうしてアメリカ人は大人になっても「あれが嫌い、これは食べない」と言って、それを恥ずかしいとは思わない。
偏食が悪いとも思ってない。


ここはアメリカでも我が家の夕飯で、それは認めません。


「日本の子供は何でも食べるんだよ。給食で食べさせられるから少々の好き嫌いはなくなっちゃう。全部食べるまで残って食べさせられるんだから。低学年の子なんてよく泣きべそかきながら食べていたものよ。」


昨晩のこと、いつもの私のこのセリフに夫が一言
「お前たちよかったなぁ~、アメリカに生まれて」

なに?聞き捨てならぬその言葉。
「ちょっと待った?好きなものばっかり食べているから、アメリカ人はぶくぶく太って不健康なんじゃないか。子供の成人病が広がっているのは何のせいだと思ってんの?最初の10年泣きながらでもなんでも食べて好き嫌いをなくして、残りの80年健康にグルメを楽しみながら生きるのと、好きなものだけを食べて、あれが嫌いこれが嫌いと言いながら残りの人生を送り、早くから糖尿病などの成人病で苦しみ早死にするのとどっちがいいんだ?こら、言ってみろ!!!」

しまった、口が滑った・・・といった顔をしている夫。
口答えできない子供たち。

こうして我が家は日本風になっていくのです。


し・か・し、三男の好き嫌いは次男よりさらに激しくなんにも食べない。
は~、ため息。
母は負けません!





専業主婦

2012-04-17 22:26:18 | 思うこと
ぼけっとしているうちに、気付けばもう春。
三男坊も1歳を迎えました。

そっか、1歳かぁ。
っということは、私の専業主婦生活も早一年。
え?たった一年?って感じ。
もうすっかり専業主婦が板について、仕事なんて考えられない。

専業主婦ってなんて楽。
専業主婦ってなんて幸せ。
ストレスもなく、時間ものんびりあって、子供と好きなことやってるだけ。
家事だって自分のペースでのぉ~んびりやれるんだもの、
会社に行って上司にへこへこ頭を下げ、嫌なクライアントの相手をし、下手な英語でどぎまぎやる仕事生活とは比べ物になりません。

世の中で最も贅沢な生活をしている人って、専業主婦だと思うわ~。


私はよく「男の子3人もいるのに、どうしてそんなに余裕なの?」
っと言われる。
本当によく言われる。

「育児に追われている感じが全然しない。」っと。

そりゃぁ、そうでしょう。だって実際余裕なんだもん。

次男が生まれたときなんて、生後2ヶ月もたたないうちに仕事復帰したんだよ。
残業残業の毎日の中、共働きで2人の子供を育てていた頃に比べたら、
今の生活の楽なこと、楽なこと。

しかし、そういう風に思う専業主婦のお母さんってあまりいないようで、
みなさん不満をい~~~っぱい抱えていらっしゃる。

一緒に子供を連れて公園に行ったり、お茶したり、ランチしたりと付き合いが深くなるに連れて、いろ~~~んな家庭内のごたごた、要するに旦那の愚痴がでてくるわけですねぇ~。

話を聞いていると、こっちも真剣に腹が立ってきて、
「離婚しちまいなそんな男~~!」っと言いたくなることも多々。

仕事という逃げ場がなく、経済的に旦那に頼るしかないという弱い立場がまた拍車をかける。

国際結婚で夫婦の共通語が英語というのも、また立場を弱くしてしまう。

日本では考えられないようなことがまかり通ってしまうのも、国際結婚の難しいところ。

有能な女性が、アメリカなんかに連れて来られたせいで籠の中の鳥になっているケースもよくある。


こんなママ友の話を聞いていると、「女性の人権!社会的地位向上!」と運動を起こしたくなる。


結局私の余裕はどこから生まれるかというと、
専業主婦生活が一時的なものだとわかっているからだと思う。

もしこれが、「ずっとこのまま」又は「社会復帰が極めて難しい」場合はこんなのんきなことは言ってられないだろう。

専業主婦・・・2~3年なら天国、一生は地獄の世界かもしれない。



世界で一番難しい言葉

2011-07-15 11:28:36 | 思うこと
日本人にとって英語は難しい。
それは言語系統的にとても遠いのが一番の理由。

今私は中国語にはまってるけど、日本語との文法的な類似性はほぼないにもかかわらず、漢字のおかげで英語に比べたらとっつきやすく、すごく簡単。

でももちろん、アメリカ人にとって中国語は難しいらしい。


何語が誰にとって難しいか・・・少し興味があって調べてみた。


ウィキペディアによると「英語を母語とする人にとって、最も難しいとされる難易度5の言語は、アラビア語、中国語、韓国語、日本語。この中でも、最も習得に時間がかかるのは日本語だ」
っとある。


なんだよ、日本人が英語ができないからってバカにすんなよなぁ。
自分らは「日本語は難しい」とはなっからあきらめているくせにさ。

そうです、日本語と英語はあまりにも違いすぎる、だからお互いにとって難しいのです。


なぁんてことを言い訳にしている私。。。

小学校の先生

2010-09-21 21:44:38 | 思うこと
マー君が日本の小学校に2週間通ったとき、担任の先生にそれはそれは気をとめてもらって、良くしていただいた。

先生がサラリーマン化しているなんて聞くけれど、いやいや私が知っている小学校の先生は情熱を持って先生をやっていますよ。

日本語教室の先生たちも、それはそれは気合の入れようが違う。
丁寧に準備をしているのがわかるし、宿題も丁寧に○付け訂正してくれている。

それに対してアメリカの小学校の先生と来たら・・・


先生からお手紙のプリントがかばんに入っていた。
それには細かく家でやって欲しいことが書いてある。
絵本の読み聞かせをして欲しいだとか、単語の綴りの練習のために単語カードを作って練習してほしいだとか。
宿題は毎日プリントが1枚出るから、親も一緒に取り組んで欲しいといった内容。

ただその最後にかかれてあったことに唖然。

「宿題の○付けや訂正は私はしません。親御さんでボランティアをしてくださる方がいたら、毎朝学校に来て子供の宿題の訂正をしてください。ボランティアがない日は宿題は集めるだけで訂正して返したりしません。」

はぁ?なにそれ。
あんた、それでも先生かい?
たった20人の宿題を見るくらい、そんなに時間はかからないでしょうに、なんとまぁ怠慢な先生だことよ。

先行きが不安になってきた。

原爆に対する意識の違い

2010-08-17 01:23:41 | 思うこと
8月6日、「今日は原爆記念日だ。」の私の言葉から、ちょっとした原爆議論が始まった。

「原爆を落とされたのは、戦争をやめない日本が悪かったんだ。さっさと降伏しておけばあんな目にあわずにすんだものを。アメリカは戦争を終わらせるに原爆を落としたんだ。」っというのが彼らの意見。
まぁ私が原爆を落とした理由を、「第一に実験目的、第二にアメリカの強さを世界(特にソ連)に見せ付けて戦後処理をアメリカの優位に運ぶのが目的だったわけで、戦争を終わらせるという目的は、罪悪感を紛らわすための口実であり、戦争はもう終わっていた。」と言ったから、彼らもかっとなったんでしょうけどね。(私も相変わらず口減らずなもので)

それでも原爆のことをこうも堂々と正当化するところに、わかってはいたけど腹立たしい・・・というか、人類の危機を感じた。

これは誰が悪いとか、自業自得だとかそんな次元の問題ではない。
こんな爆弾を作ってしまったこと、そして使ってしまったことを人類史上最大の過ちとして、後の世代に引き継いでいかなければならないものだと思う。

私たちは子供の頃からいやというほど、原爆の話を聞かされ、吐き気を催すような写真やビデオを見せられてきた。
私の妹は、あの写真やビデオがこわくて、8月6日の出校日は泣いて登校をこばんだものだ。

でも、原爆を落としたアメリカを非難したり、アメリカを憎めという教育を受けた覚えはない。
どちらかというと、こんな悲惨な戦争を起こしたことを非難し、もう二度戦争を起こしてはいけないというのが、一貫したメッセージだった。
そして広島・長崎の悲劇は、人類が犯した最大の過ちとして絶対に忘れてはいけない、どんなことがあろうとも絶対に二度と繰り返してはならないと、あの平和教育を受けてきた私たちは心に刻み付けてきた。

日本は何度もアメリカでの原爆写真展示会の催しを提案したが、アメリカ政府は頑としてそれを受け入れようとはせず、未だに実現していないらしい。

あの写真やビデオを見たら、どんな大義名分をならべたてても、絶対に正当化できるものではないとわかってしまう。
そして、それは都合が悪い。
原爆は意味のない戦争を終わらせるための手段だったという理由で、正当化し続けなければならないからだ。

この国の人が、事実を直視し、広島と長崎の経験を人類の過ちと悔いないかぎり、地球上から核がなくなることも、戦争がなくなることもないだろう。



親切な日本人

2010-07-06 20:01:35 | 思うこと
友達に「ユナイテッド航空で行くのは辞めとけ。子供二人連れてユナイテッドは自殺行為だ。ANAかJALにしなさい。」とさんざん忠告をうけておきながら、$100ほど安いという理由でユナイテッドを選んだ私。

・ ・・まちがいでした。

前JALで行った時とは大違い。子供がいるからといって、何の配慮もサービスもない。
JALの時みたいに飛行機のおもちゃはもらえなくても、塗り絵くらいはあるでしょう、と思いきや大間違い。
塗り絵どころかお子様ミールすらない。

たい君は前の座席についているテーブルをあげたり出したり、バタンバタンする遊びを発見。いくら止めろといってもやめない。
もちろん前の人(日本人でない)に「ちょっと止めさせていただけません?」っと叱られた。
次は、前のいすをボコンボコン蹴る遊びを発見。
靴を脱がせて「止めなさい」っと叱ると、大泣き。

こまった。
そしたらヘッドホンを見つけたたい君、プラグをさしたり抜いたりして遊びながら、あっちこっちをいじくり回してあそぶ。
「よかった~。」っと思った矢先、ボキっと鈍い音?
え?
あらぁ~、折っちゃった。
ヘッドホンが真っ二つ。
やばい、やばいどうしよう。
取り上げて隠す。

そしたらまた叫びだした。
やばいやばい、黙らせなければ。
っと、私のヘッドホンを見つけたたい君。
それを欲しがる。
もう壊さんだろうと渡した私が馬鹿だった。
5分も経たないうちに、またボキ!

だめだめ、お菓子で黙らせよう、お菓子お菓子。
お菓子を機嫌よく食べているから安心していたところ、ふと見ると、お菓子の包み紙をポーンと前の座席に投げてるじゃないですか。

あ~~~~。

しかも、マー君はなぜかお腹が痛いと15分に一度くらいトイレに行く。
3人で通路を行ったり来たりする親子。

飛行機の中で寝てくれることを祈っていた私。
結局マー君が寝たのは着陸の1時間前。
たい君ときたら、着陸してから眠ってしまった。
降りるとき寝た子を2人抱えていても、もちろん手伝うどころか声もかけないユナイテッドのスチュワーデス。
くっそ~~~。

くたくたになって飛行機を降りたら。
そう、そこは日本。

降りてからは次から次へと人が助けてくれる。
「あら、大変ですねぇ、荷物を持ちましょうか。」

バス停を探していると、「どちらに行きますか?っという私もよくわからないのですが、一緒にお探ししますよ。」っとなんてやさしい。

バスに乗るのも後ろの人が助けてくれて、荷物の心配をする必要はなし。
バスから降りて「公衆電話を探さなきゃ。」っと言っていると、「どうぞ私のをお使いください。」っとご自分の携帯を差し出してくれる人がいる。
待ち合わせ場所のマルイの場所を聞くと、「じゃぁ、一緒に行きましょう。荷物を持ちますよ。」っと助けてくれる日本人。

なんてまぁ親切な人々なんだ。
ユナイテッドのスチュワーデスなんて、こっちが客だというのに完全に無視。それに比べてなんて親切な日本人。
着いて早々感動してしまった私でした。