白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

どうしようもないおバカさん

2015-03-15 10:34:41 | 仕事
今日は仕事の話。

会社に新しいスタッフが入ってきた。
カルギスタン出身の35歳女性。

なんでそんなおばちゃんを?っと思うでしょ。
サンフランシスコの経済は最近めちゃくちゃ良くて、人材を確保するのが難しいのです。
沢山の人を面接して、何人もの人に内定を出したんだけど、みんなうちの会社を蹴ってしまって、残ったのが彼女だけだったらしい。

でも、ちゃんと会計専攻で、学校をいい成績で卒業してる。
まぁおばちゃんだけどいいかなと思ったわけです。

彼女を一人連れて、クライアント先に監査に出向きました。

二人きりで2週間仕事をするのですがら、それなりにいろんな話もします。

涙ながらに語る彼女の生い立ち。

カルギスタンってどこにあるか知ってます?
中央アジア、中国の隣、アフガニスタンの上の方。
明らかに、産業もなければ資源もない貧しい国。
旧ソ連が崩壊してから、食べて行くだけがやっとの極貧性格。
特に彼女は母子家庭だったため、母が隣町に働きに出るため、彼女はずっと預けられていたとか。
子供のころ最高に嬉しかったことは、クリスマスにもらう親指の爪くらいの大きさのチョコレート。

カルギスタンはイスラム教の国。彼女はイスラムではないため迫害を受け、18歳の時母と一緒に難民としてアメリカに。
アメリカに着いた時、二人の全財産は千ドル。
家賃にいきなり800ドルもかかって、残りはたったの200ドル。
しかしちゃんとビザが下りるまでには数年かかったため、そのあいだ現金収入を稼ぐために時給4ドルで奴隷のように働いたとか。

それから男に遊ばれて一児の母に。
男には当然捨てられ、一人で子供を育てている彼女。
このままではらちが明かないと、借金をして学校に行き、会計学を勉強して今日に至ったわけです。

「苦労したんだねぇ、でもこの職を得たんだから、もう人並みの人生を送れるよ~。」
っと言っていたのもつかの間。
この人、どうしようもないおバカちゃんで、使えないことが発覚。

可哀想だけど、もう話にならない。

会計学が専攻だったくせに、基本的なことすら全然わかってない。
これで会計監査ができるわけがない。

何度教えても、ちっともわからない。

これは困った、彼女に仕事をやるのは時間の無駄。
説明するより、私が自分でやったほうが早い。

それなりにクライアント先での監査を終えてオフィスに戻ると、みんなに「彼女はどうだった?」と聞かれる。
どうやら私と組む前、彼女が雇われてから1か月の間に、かなりのドラマがあったようで、
まぁ想像できるのですが、何を教えても、何をさせてもできない、わからない。

そう、理解できないんです。
エクセルすら使えない。

可哀想だけど、いるだけ邪魔でしかないんです。

それで、先日上の人に呼ばれてミーティング。
そこで「トレーニングすることは不可能」との結果が出されました。
近々解雇されることでしょう。




IQテストは世界中の人に当てはまるわけではないと聞いたことがある。
図や数字を使ってやるテストは、結局図や数字を見慣れた人には有利になる。
山奥で生活して、紙にかかれたものを見ることがない人には、そういうものを見て理解する能力は発達しない。

もし同じような知能や能力を持って生まれたとしても、それをどう使いながら育っていくかで培われるものは違うんだと思う。

コンピューターなど見たこともなかったというほどの農村で育ち、アメリカに来ても単純労働ばかりやってきた彼女。
頑張って会計の世界に入ってきたものの、数字で語られる推理小説の謎解きのようなものができるわけがないのです。
それどころか、私たちにとっては単純作業と思うような利息計算だとか、減価償却の計算すらでいない。

会計は会計でも、ただただクレジットカード明細を入力するだけとか、そういう仕事の方が合うのではないでしょうか。

可哀想だけど、努力だけでは抜け出せない現実を見せつけられた気がします。

解雇されても新しい仕事はきっとすぐに見つかるでしょう。
景気のいいこのサンフランシスコですから。
自分に合う仕事が見つかるまで頑張ってほしいものです。

ご報告

2015-03-15 10:05:57 | その他
1月に長男の中学受験の話を書いてから数か月が経ちました。

合格発表は3/13日。
日本みたいに張り出すのではなく、3/13日に郵便を発送するというやりかた。

封筒が大きければ合格、普通のお手紙サイズの小さい封筒であれば不合格。

朝の10時ごろ、郵便受けに物が入れられる音が。
ドキドキしながら中を見ると。
お~、大きな封筒が入っていました。

やった~。

長男に開けさせてみると、そこには合格を通知するお手紙と、その他いろんな資料が。

あ~、試験日にあんな態度でも合格できた。
アメリカって不思議な国ねぇ、日本なら最初に落しそうなのですが。。。

この学校の売りは算数クラブ。
地域の大会では14年連続優勝。
カリフォルニア大会でも必ず10位に入り、全国大会でも20位に入るという、学校にとっては絶対に譲れないものなのですね。
1学年たったの60人という小さな学校で、全国で戦えるマスリート(アスリートの算数Math版)を育てるためには、算数に強い子を確保する必要がある。
それにつけこんで、申込書には少々大げさに我が子がいかに算数の天才であるかをつらつらと書き連ねた私。
学校や統一テストがどんなに簡単であろうと、満点は満点。
小学校のレベルがどんなに低かろうと、オール4(4段階評価)なのには変わりはない。
ぎりぎりで満点なのか、アインシュタイン的に天才で満点なのかはわかりませんからね。

それで少々態度がわるかろうと、将来のマスリート候補は確保したのではないかという、私の分析。
っということで、競争率の高い狭き門を突破することができました。

ただ・・・・、年間授業料$24,000!


この学費は私が出す!っと言いきって夫を説得したので、母頑張って稼いできます。


教育ママをやるのも辛い。