
今日から公開です。
いつも土曜日が休みではないのですが、今日はうまく休みの日でおまけに私の地元は今日1000円で観れるため朝一番で観るぞ~と出かけたもののすでに行列。
初回は完売で次の回もチケット購入して観れました。
宮崎アニメで実在の人物を描いたのは初めてではないでしょうか。
主役の堀越二郎さんの少年時代から始まります。
豊かな自然に恵まれたなかで育った二郎さんはそのときから空に憧れていました。
ただ視力が弱かったので飛行機を操縦することはあきらめ飛行機を作りたいという夢を持ちます。
そんな二郎の夢の中にいる彼の憧れでもあるイタリアの飛行機の設計士カプロー二伯爵(野村萬斎さんが素晴らしい)。
夢の中で2人はより高く、より早く、より美しい飛行機を作りたいと語り合います。
東京の大学で飛行機の設計を学ぶ二郎が帰省から戻る汽車の中で関東大震災に遭遇します。
そのとき出会った少女がのちの彼の妻となる菜穂子さん。
アニメでこの関東大震災をこう描いたのかとものすごい迫力に圧倒されます。
ここから日本は恐慌が起こったり戦争の足音が近づいたりといい話はないのですが、それでもみんな毎日を送っていくのです。
大学を卒業して飛行機を作る会社に勤めるのですが、飛行機が何のために使われるかわかっていても、より高く、より遠く、より美しいものを作りたいという気持ちの方が勝ってしまう。
そんなことは言っても仕方のない事と割り切っていたのでしょうか。
当時の日本では国産の飛行機がなかなかうまくいかず何度も試作を繰り返していたのは知りませんでした。
飛行機の設計がうまくいかず休暇に訪れた信州でふたたび菜穂子さんと再会します。
最初の出会いも風が吹いていて、再会したときもやはり風が吹いてとこの映画は風が重要な役割をしています。
宮崎アニメでオトナの恋愛を描いたのも初めて観ました。
昭和の初めのお話ですからもっと奥ゆかしいものかと思っていましたがお互いの気持ちをはっきりと言い、お互いの気持ちを尊重する、その時代では新しいタイプの夫婦ではなかったかと思います。
二郎さんが庵野さんで良かったなあと思ったのが、堀越二郎を誰が演じるかというとすごく人選が難しい役だと思うのです。
声優さんや俳優さんが演じてもその人が浮かんでくる、庵野さんがどんなふうに演じるかイメージがなかったので堀越二郎というひとがスッと私の中に入ってきました。
庵野さんが芝居が上手いとはいえませんがそれも味があると思いました。
激動の時代を進んで行くのに堀越二郎は飛行機をただひたすら作っているだけで淡々と過ぎていきます。
後から振り返ってあのころは凄かったなあと思うのであってそのときはそんなこと考えていませんものね。
オトナが観てもう~んって考えさせられるアニメでした。