2022年のお正月を迎えましたが、もう月の半ばを過ぎてしまいましたね。年末から、後期の講義(救急医学や産婦人科関係の講義など)とe-learningコンテンツの作成、年賀状、定期試験の実施と採点、大学のオミクロン株対策など、バタバタとしてしまい、ブログで発信ができないまま、あっという間に時間が経ってしまいました。齢を経るにつれて、時間の経つ感覚がどんどんと速くなっていく感じがしています。
実は、年末の12月11日に日本学術会議の学術フォーラム「我が国の学術政策と研究力に関する学術フォーラム― 我が国の研究力の現状とその要因を探る―」で発表させていただいたんです。今回のフォーラムの企画をされた学術会議会長の梶田隆章さんともお会いしてきました。
そのプレゼンの内容がそのまま忘れ去られてしまうのは、けっこうもったいない話かも知れないと思いました。それで、今年は年男でもあるので、もう一度がんばってブログで紹介させていただこう、と決心した次第です。パワーポイントのスライド数で150ページあるので、ご紹介するのに、ちょっとばかり時間がかかりますけどね。途中で、別の話題を挿入させていただくこともあるかもしれません。
一部は3年前(2019年)に発刊した科学立国の危機にお示ししたデータにもとづいていますが、ほとんどが、それ以後に分析した新しいデータをお示ししました。
プレゼンの導入部分では、昨年の8月に文部科学省 科学技術学術政策研究所(NISTEP)が報道発表した科学技術指標2021のデータです。
日本の自然科学分野の論文数、特に注目度の高い論文数が減少し、世界ランキングがどんどんと下がっているというデータですね。表の数値では実感しにくいので、それをグラフ化すると次のようになります。(なお、NISTEPは文系分野の論文の状況については示していませんが、そもそも文系分野は英語の論文数が少なく、論文数は徐々に増えているものの、国際競争力の低い状況が続いています。)
2000年を超えたあたりから、自然科学分野の論文数が減少しはじめ、海外諸国との差がどんどんと開いているのがわかりますね。なぜ、このようなことになってしまったのか、そして、どうすればこの状況を好転できるのか、ということをお示しするのが、この発表の目的です。
お伝えしたいことは、次のスライドで示しましたが、前半で論文指標の分析方法について、かなりのページを割いています。研究力を評価する指標として、論文の量や質(注目度)が用いられているのですが、まずは、その限界や信頼性を抑えておくことが重要と思うからです。
では、これからたくさんおデータが出てきますが、どうか、最後まで私とお付き合いをいただきたいと思います。