鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

パリャヌィツァ(丸パン)というオブジェ

2022年11月09日 01時01分01秒 | アングル




越後妻有大地の芸術祭、里山現代美術館MonET(モネ)1Fに展示されている、ジャンナ・カディロワ(ウクライナ)の作品。
ウクライナの戦争から避難する時の実写映像がモニターに流れていて、避難先の川原で作品の元となる石を拾っているシーンもあった。
作品に手を触れないでください、という注意書きがあったが、触って遊びたい代物だった。
転がっていた天然の石をスライスしただけなのだから造形とは言いにくいアイディア・アートという気がしたのだけれど、紹介の文章を読むと意味深なのであった。

公式ガイドブックに載せられている全文紹介。
「『パリャヌィツァ』はウクライナ語で丸パンを指す。ウクライナ語を母語としない者には発音しにくい単語であり、偵察者かどうかを見分けるために使われる言葉でもある。作家は2022年3月、戦火のキエフからウクライナ西部の山間の村に避難し、川で石を集め、デニス・ルバンと共にパンのオブジェを制作し始めた。パンは幸福、生命、平穏な生活の象徴である。戦争で平穏な日常を失った作家が最初に作った作品がパンだったことは、日常や平和が再び戻るようにという願いのようでもある。このオブジェの売り上げはウクライナの市民のために寄付される。『戦争が始まった当時、私は芸術は夢のように儚いものだと感じた。しかし今は、美術は声を届けてくれると信じている』」(作家コメント)。

追記;キエフというのはロシア語読みで、ウクライナ語ではキーウと発音するということが検索して解った。
昔はウクライナの首都をキエフと言い習わしていたのに、この頃キーウと言い始めたのは、そのような事情であった。


コメント (2)
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