(原題:DEAD END)
【2003年・フランス/アメリカ】DVDで鑑賞(★★★★☆)
『デイヴィッド・リンチから影響を受け、この作品を撮った』と語る、新進気鋭の若手監督コンビ、ジャン=バティスト・アンドレアとファブリス・カネパのデビュー作。
異常な事態に巻き込まれてしまった人間の極限の恐怖を描いたシチュエーション・ホラー。
クリスマス・イブの夜。毎年恒例になっている親戚の家でのパーティーに出席するため、ハリントン一家は車を走らせていた。運転手は父親のフランク・ハリントン(レイ・ワイズ)。助手席に母親のローラ(リン・シェイ)。後部座席に長女で駆け出しの精神科医マリオン(アレクサンドラ・ホールデン)。弟のリチャード(ミック・ケイン)。マリオンのフィアンセであるブラッド(ビリー・アッシャー)が乗っていた。今年はいつもより近道をしようと、高速を通らずに下の道で行こうとしたために、道に迷ってしまう。暗い夜道を行けども行けども、目的地に辿り着くことができない。やがて、道端に赤ん坊を抱えた白いドレスの女(アンバー・スミス)に遭遇する。高速への道を聞こうとするが、女は口が聞けない様子。彼女を乗せて途中で見かけた古びた山小屋に戻るが、ここでの電話は繋がっていない。携帯電話も繋がらない。そんな時、ブラッドが黒いクラシックカーで連れ去られてしまう。急いでハリントン一家は後を追うが、そこで彼らが発見したのはバラバラに切り刻まれ、放置されたブラッドの死体だった。とにかく警察に行かねば…と車を走らせるフランク。マーコットという標識はあるものの、地図にはマーコットという地名は存在していない。時計は19時30分で止まったまま。暗い森の中の道を走る車。しかし、車のタイヤがパンクしてしまう。タイヤを交換している隙に、リチャードは森の中へ入っていく。そこで、再び白い服の女に出会う。タイヤ交換をしているハリントン一家の横を、再び黒いクラシックカーが通り過ぎる。今度は後部座席にリチャードを乗せて。必死で黒いクラシックカーを追い掛けるが、リチャードも無残な姿で発見される。車が止まるたびに、ひとりまたひとりと殺されていく。ハリントン一家は、この異常事態から脱出することが出来るのか?
「トワイライト・ゾーン」や「世にも不思議な物語」系の物語。
宣伝に関して誉めるところと酷いところが。
誉めたいのは邦題の付け方が巧い。
いろんなコトを想像させてくれます。
酷いのはキャッチコピー。
「CUBE」を凌ぐ戦慄、「ソウ」を越える衝撃!!
「CUBE」を凌いでないし、「ソウ」を越えてもいない。
でも、つまらないわけではない。
意外と面白いし、凄い邦題を付けているのに、月並みすぎるキャッチコピー。
今回災難に見舞われるハリントン一家。
何故この不思議な空間(世界?)に迷い込んでしまったかという説明はありません。
そして白い服の女が誰であるとか、家族を連れ去っていく黒いクラシックカーが何であるかという説明もありません。
だから面白いのである。
理不尽で不可解な恐怖。
それがこの作品のキモである。
そして、この作品の面白いところは、殺された人を一切映し出さない点。
バラバラにされているとか台詞での描写はあるけれど、その姿はまったく画面に出てこないのである。
想像力が駆り立てられます。
黒いクラシックカーにさらわれていく場面。
何だか寸法のデティールが変な感じがして、更なる不快感が増幅される。
「激突2」の車を想像させられます。
物語のヒロインとなるのかな?
娘のマリオンを演じたアレクサンドラ・ホールデン。
「フレンズ」や「アリー my love」に出ていた女優さんらしいけど、両方とも観てなかったからなぁ。
これは霊による仕業なのか、それとも?
『ラストが●オチでつまらない!』とか書いてあるのをチラホラ見たけど、その人たちはエンドロールの後を観てないんだろうね。
可哀想に。
エンドロールの途中で流れ始めるエピソードを観れば、絶対そんな感想出てこないハズなのに。
監督はジャン=バティスト・アンドレアとファブリス・カネパ。