読んだ!!700ページ。上下巻あると、なかなか手を付けられませんでしたが、しかも重松さんだし、暗いよこれは、絶対…と後回しにしていた本。
でも、これは、重松作品の中でもやっぱりはずせないかも…。
ガン、不倫、子供の事故、過去の恋と流産、新聞連載だけあって内容がてんこ盛りになったのはしかたないが、根底にある、ゆるされたい人、許したい人辛さ…。ずーっと貫いて、やっぱり、最後は、哀しみを知っているから、みんな優しく、温かい想いにちょっとなれる。
あと、設定が、北の大地だから、ちょっと情景がイメージできるし、炭坑の事故なども本当にあった事故などと異様な観音様も、話の中で組み立てて、人々のいろんな想いが、背景にあること、1つ1つ丁寧に描かれていました。
ミッチョ、シュン、ユウ、トシ小学4年生だった、仲良し4人組…星の輝く丘…。
人間は前ばかり向いているわけにはいかない。下を向いたり後ろを振り返ったりするのが人間なんだよ。
楽しかった、悲しかった思い出とか…なあ、人間って、そういうのと一緒に生きて、死んでいくんじゃないのか?
懐かしい場所があるんなら、素直に帰ればいいんだ。そこから先はそれから考えればいいんだ
カッコ悪くていいんだ。心の中にあ「明日」がある。…それだけで俺は嬉しい。
きついときには、体を温めること、目に見える風景をシンプルにすること。風呂がなかったら熱い飲み物を。家にいれば部屋を片付け、外ならだだっ広いものを見る。空でも海でも夜景でも、砂漠でも
ガキの頃に教わった勇気とは、未来に立ち向かう勇気だった。でも大人になったら、もう1つ加わる。過去とまっすぐに向き合う勇気
親が子供を持って良かったと思う瞬間は意外と、育っていくのを見る時じゃなく、自分が生を閉じるときかも知れない。
くっつきすぎると息がつまる。ちょっとだけ離れて、好きな人を見つめる。見守るという愛し方ある。それが大人になったってこと~ユウ
僕という人間が息子に教えられ最後のことをきちんと伝えたい。今、おまえはここにいる。それは、奇跡のようにすごいこと。
でも、星はある。ずっと空に。朝でも、昼間でも、夕方でも、晴れた日でも、雨の日でも、雪の日でも。逢えないけど、いるから。
ゴールまで、お父さん頑張るから。おれと出逢ってくれてありがとう。一番傍にいてくれてありがとう
生きてて幸せだった。死にたくないけど、しあわせだった~シュン
命の星が、いくつも夜空に輝いている。もうすぐ終わる命。見送る命。断ち切られた命。さまよう命。悔やみ続ける命。重い荷物を背負った命。静かに消えた命。暗闇をじっと見つめる命。眼をそらす命。身を寄せ合う命。孤独な命。どの命も傷ついて、知れでも夜空に星は光り続ける。
命は消えないで、輝いて夜空に星座を作っている。今まで誰にも語られなかった命を、夜空においてあげたい。
人を1度も傷つけることなく、誰かに1度も悲しい思いをさせることのない人生は、この世にあるのだろうか。誰からも傷つけられた事が泣く、悲しい思いを1度もしたことのない人災は、よかったね、と思うけど幸せだったね、といえるかどうか分からない。傷つけて傷つけられて、悲しい思いをさせられて、だから人は昔から星の物語を語ってきたのだと思う。~ミッチョ
忘れっぽい人って優しい人なのかな?優しいから忘れっぽくなるのかな。
許した事って覚えていないでしょ。許さなかったことはやっぱり忘れないじゃないですか。だから。人を許すって、忘れること。~ミウさん
心に残る言葉がたくさんありました。やっぱり、哲生君の存在は大きいなあ。子供が元気でいて欲しい。輝いて欲しいよ。