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The Garden of Abdul Gasazi「魔術師アブドゥル・ガサツィの庭園」

2011-05-04 | 絵本

C・V・オールズバーグ:絵と文  村上春樹:訳

ぜったいに、何があっても、犬を庭園に入れてはいけません―引退した魔術師ガサツィ。ふしぎな庭で少年が体験した奇妙なできごと

ミスヘイターの飼っている犬フリッツ。とんでもない噛みつき犬。お上品そうなヘイターさんにだけ懐いている犬なのかな?飼い主にだけ、忠実な。犬というものは、そういう動物であることを考えると。フリッツは、犬らしい犬なのだ。

アラン少年は、この犬のことのお世話ができるのは。不思議。噛みつかれたって、なんたって犬の好きな少年なんだな。

よりによって、犬嫌いのガザツィ氏の庭園に入り込むなんて…

それにしても、アランは勇気ある少年です。魔術師を相手に礼儀正しく謝罪の言葉とお願いをする場面。えらい!ぞ。ひとりで。

世話の焼ける犬と少年。誰かにとって必要な自分って。

ちょいと面倒だけど人にとっては大切な事なのかもしれない。

アランは、ヘイターさんに頼りにされ。フリッツの面倒をみなきゃならないけど、案外それを楽しんでいるのかもしれない。

それにしても、鉛筆一本で書いたような、濃淡だけで表現された墨絵のような世界。

オールズバーグの絵は多彩な技法を使って、楽しめる。庭園の細部の丁寧な描写にも。頭の中で、色彩をイメージできる。これは、絵本の楽しみかもしれません。

 



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