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父親が被害者で母親が加害者--。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説
湊さんの本は、楽しくはないです。
父。母。子ども。夫婦。親子。夫婦。友人。隣人。どこにでもありそうな家庭で。でも。それぞれがすれ違っていて結局は、会話不足なのかな。一番、身近な人間と。人と人との関わりが薄い。そんな現代社会を映しているのかな。
見て見ぬふり。それから、思いっきり関係のない人だったら。中傷。ブログなどのネット投稿。野次馬?なにもわからずに言葉の暴力の渦。
そういった、不思議な社会。
事件の真相は、明かされた。けれど、残された者が、生きていくためには。正しくない情報が、世間には必要なのかもしれない。
殺された父親は、気の毒だが。また、この母と血がつながった子どもたちのこれからも、気が重い。
一人一人の思いは、理解できないでもないけれど、結局、可愛いのは自分だけ。自分の事しか考えない大人。子ども。老人。個の時代に突入した。
そして、人はどこに向かっていくのでしょうか?
乾ききった社会に。乾ききった関係に。疲れてしまう。なのに。怖くて一気に読んでしまうのが湊さんの作品には、ある。