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林真理子「アッコちゃんの時代」

2007-07-13 | 小説

アッコちゃんの時代80年代、狂乱と豊饒の時代。地上げの帝王と称される男の愛人となり、キャンティの御曹司を有名女優の妻から奪って世の女たちの羨望と憎悪を一身に浴びた女子大生がいた。マハラジャの饗宴、赤プリの誘惑、キャンティの陶酔―煌めくバブルの東京を、無邪気に、奔放に泳いで伝説となった小悪魔・アッコの素顔を描く。

アッコちゃんは、実在の人物らしいが、働かずして、美貌と放漫な容姿で、生きることができた時代。東京という都会だからあった話し。対照的なのが現代で、アッコを取材する若く美しい編集者のキャリアウーマン。

アッコちゃんは、社会のひずみが生み出した、つまらない生き方をした女性の感じが強い。形骸化した結婚は、子供に対する世間体のようなものであるし、ふと、婚外子が当たり前の源氏物語を思い浮かべた。通い婚であった時代。

あっけらかんとした性格が救われるが、何とも惨めな人生である。



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