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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

「野の花の道」古矢一穂・画、岸田衿子・文

2007-04-08 | 詩、短歌、俳句
群馬県、スイス、オーストリア、イタリアの野の花の詩画集。 古矢一穂さんの水彩の植物画は、リアルで美しく、写真とはまた別の楽しみがあります。星野富弘さんの絵にも似たような感動を覚えますが、この本は、春から晩秋へと季節が移り変わって行きます。同じ植物でも、秋になり、枯れたり、虫に食われたりした、自然の状態も描かれています。日本各地で、どこかの野原で見かけることが出来る野の花たちの名前を1つ1つ書いて . . . 本文を読む

向田邦子「父の詫び状」

2007-04-08 | エッセイ
先月の新聞の日曜版に逸話が載っていたので、読んでみました。出版に当たり、家族の方から待ったがかかったと言うが、確かに、読み手を惹きつけるがため、事実を脚色しているようだ。 父が死んだとき、気が動転している母は、ふらふらと立ち上がって豆絞りを顔にかけたとか、ああなるほどね。こんな表現でさらりと書いてしまうんですもの。 昭和の時代の家庭の日常。戦争を挟み、子供時代を過ごした思い出。極貧の家庭から、 . . . 本文を読む

恩田陸「エンドゲーム」

2007-04-08 | 小説
常野物語の3作目。光の帝国に出てくる、拝島親子の物語。 そもそも裏返しの能力自体を持っている人間が苦しくて、辛い立場であるから、この物語は、表紙で納得できるくらいに、暗い闇の帝国だ。その点で楽天家の私が楽しめる内容ではない。 とはいうものの恩田作品を、読み進めるのは、スピーディであり、いったん本を開くと一気に読めてしまうところは、魅力です。 人間みんな誰しも持っているかもしれない、子供の頃の . . . 本文を読む