銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



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2月2日

2012-02-02 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。欧米株高や対ユーロでの円高一服などを背景に買い戻しが入るとみられるが、足元の企業業績が想定以上に悪化しているほか、外部環境に不透明感が強いため、上値は限定的だろう。買い一巡後は伸び悩むとみられる。日経平均の予想レンジは、8700~8850円。

業績面での選別物色は顕著となっており、下方修正を発表したリコーが急落したほか、東芝、TDKなども売られた。大引け後にはシャープ、カシオなどが下方修正しており、決算発表が一巡するまでは業績への懸念が付きまといそうだ。これまで相場上昇をけん引してきた外国人投資家だが、足元では売りに転じている公算が大きい。寄り付き前の外資系証券経由の注文動向をみると、株数ベースで売り越しの日々が続き、1日は株数・金額ベースともに大幅な売り越しとなった。外部環境にも暗雲が漂い始めている。米国では、先週末の10-12月期GDPが下振れしたのに続き、31日発表の1月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)、消費者信頼感指数などが低下。欧州でもギリシャ問題など不透明感が強く、ユーロ安が進行。中国では、1月製造業購買担当者景気指数(PMI)が50.5(前月比+0.2)と、市場予想(49.5)を上回り、景気判断の分かれ目となる50も2カ月連続で上回ったが、むしろ金融緩和期待を後退させるとの見方から上海総合指数が下落するなど、マーケットがネガティブな反応を示していることには留意したい。

1日のNY株式相場は上昇。中国の経済指標の結果やS&Pに対する強気なテクニカルな見方などにより買いが優勢となった。ダウ平均は前日比83.55ドル高の12716.46ドルで終了した。ダウ平均は買いが先行した中国1月製造業PMIの結果が予想を上回ったほか、ポルトガルの入札が目標の上限に達したため、高債務国の資金調達懸念が後退。S&P500指数について強気なテクニカルサインがみられたことも、相場の強気ムードを押し上げた。1月ISM製造業景況指数の結果が予想下回ったものの、ウェルズファーゴがGSやシティなどの投資判断を引き上げたことから金融セクターを中心に買いの勢いが続き一時151.71ドル高の12784.62ドルまで上昇した。しかし、合意が近いと期待されていたギリシャの債務減免協議の結果が持ち越されるとの報道を受け、上昇幅を縮小させて引けた。NASDAQは前日比34.43ポイント高の2848.27ポイント、S&P500は同11.67ポイント高の1324.08ポイントで終了した。個別では昨日の取引終了後に軟調な決算を発表したアマゾンは7.7%安。一方、インドでのコンテンツ事業を拡大させるために、現地の大手企業を子会社化するディズニーは1.2%上昇した。