銀右衛門文庫の経済動向

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9月1日

2017-09-01 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1198/値下がり723と買いが優勢。売買代金は2兆2810億円(概算)となった。後場は上げ幅を広げる場面もあったが、2万円手前の戻り売りを警戒し買いがしぼんだ印象だ。米IT・ハイテク株の上昇で電機セクターが強かったほか、出遅れ感のあった銀行・保険セクターの上昇が指数に寄与した。月初高のアノマリーを期待する買いなどの観測も聞かれた。売買代金上位では、メガバンク株が堅調だったほか、伊藤忠やJFEなどの上昇が目立った。東京エレクや村田製などの値がさハイテク株は伸び悩み、富士フイルムも上げ幅を縮小。また、経営統合に関する報道の真偽確認のため、第一三共が売買停止となった。一方、KLabが3日続落となったほか、ダイフクが利食い売りに押された。

9月相場入りとなる。米8月雇用統計やISM製造業景況指数の発表を前に東京時間は株・為替ともに手掛けづらいが、米国株が上昇で返ってきた場合は月初連続高のアノマリーを意識して前場は堅調か。ただ、日経平均の2万円を前に戻り売りが意識されやすいほか、後場はポジション調整の売りに押される公算が大きい。 一方、日経平均はきょうで25日線(19708円)近くまで戻しており、米国株にプラスでも大した動意がなければ、19500円付近まで反落のシナリオもあろう。 きょうの業種別騰落上位は、銀行や鉄鋼、ガラス・土石、保険など8月月間ベースできのうまで下げていたセクターばかり。指数上昇でも依然として業種間のリターン・リバーサルの売買にとどまっており、9月前半はしばらくこの続きが続きそうだ。

直近20年(1997~2016年)における日経平均の9月の騰落状況は7勝13敗と負け越し。2000年からは5連敗するなど鬼門の月といえる。ただ、9月の過去20年間の平均値幅は6月、2月に続いて小さい。 下げたケースを振りかえると、2015年は中国リスクの高まりに加え米国の利上げに対する警戒感から下げが加速、2011年の欧州債務不安・米国景気の二番底懸念、2009年が円高進行で7カ月ぶりに下落、2008年はリーマン・ショックによる金融危機、2004年はハイテク株安などで9日続落、2003年は円高進行で失速、2002年は不良債権問題などを背景に19年ぶりの9000円割れ、2001年は米同時多発テロで急落した。 一方、上昇したケースは、2013年はFRBが予想に反して量的緩和の縮小を先送りしたことで、金融相場への期待感が広がった。2010年は6年ぶりに政府・日銀による為替介入実施で円高が一服、2007年はFRBの大幅利下げで信用収縮懸念が後退、2005年は衆院選の与党圧勝を契機に上昇した。 過去1997年、1998年、2001年、2015年は8月に1000円以上の下落幅となり、9月も同じような下げで尾を引くかたちとなった。一方、きょうで終わった今年8月の高値と安値のレンジは833円程度と、過去20年間の8月相場の中では比較的小さな動きとなった。9月もFOMC(連邦公開市場委員会)を後半に控え動きづらそうだ。

トレーダーズウエブより