銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

2月3日

2012-02-03 | 経済動向
東京市場は売り優勢となりそうだ。高値警戒感に加え、週末要因や米雇用統計を控えて利益確定売りが優勢となりそう。企業業績の悪化が顕著となるなか、きょうもザラ場中を含めて決算発表が相次ぎ、下方修正ラッシュが予想されえる。日経平均の予想レンジは、8700~8880円。

足元で業績選別の動きが一層強まっている。四半期ベースで最終損益が黒字に転換した野村が商いを伴って上昇したほか、ザラ場中に業績上方修正・増配を発表した伊藤忠が後場一段高を演じた。その一方で、過去最大の赤字に転落するシャープと工場閉鎖に追い込まれるSUMCOがストップ安になったほか、業績不振のパナソニックは約半月ぶりに年初来安値を更新するなど、明暗がはっきり分かれた。電機や電子部品などの製造業では、下方修正ラッシュ・巨額な赤字計上が相次いでいるが、一時的な要因ではなく構造不況に陥っている可能性があるだけに、安易なリバウンド狙いは禁物だろう。大引け後に、ソニーが決算発表と同時に通期予想の下方修正を発表したが、市場予想以上の悪化。これで悪材料出尽しとは考えにくく、11月につけた昨年来安値(1253円)を割り込む公算が大きいだろう。電機株で安値更新が相次げば、相場全体にも影を落としそうだ。一方、グリーが市場予想を上回る通期見通しの上方修正を発表した。規制への懸念で年初から急落した経緯があるだけに、ソーシャルゲーム関連に見直し買いが入るのか注目されよう。

2日のNY株式相場はまちまち。中国首相の発言などを受け欧州債務懸念が後退したものの、バーナンキFRB議長が追加の金融緩和について具体的に言及しなかったことが重しとなった。ダウ平均は前日比11.05ドル安の12705.41ドルで終了した。ダウ平均は買いが先行。スペインが実施した中期国債入札が順調に消化されたほか、中国・温家宝首相が「EFSF」「ESM」への資金提供について検討していると示したことから、欧州財務懸念が後退した。また、予想より強い新規失業保険申請件数の結果も好感された。バーナンキFRB議長による下院予算員会での証言で追加の金融緩和について具体的な言及がなかったことから、一時40.41ドル安まで下落する場面がみられたものの、引けにかけて持ち直した。NASDAQは前日比11.41ポイント高の2859.68ポイント、S&P500は同1.45ポイント高の1325.54ポイントで終了した。個別では1日取引終了後に堅調な10-12月期決算を発表したクアルコムは2%高。一方、ブラジル事業に絡む費用が重しとなり10-12月期決算が赤字に転換したダウケミカルは1.2%下落した。