銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



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2月1日

2012-02-01 | 経済動向
東京市場は売り優勢となりそうだ。前日ドレッシング買いで上昇した反動に加え、対ユーロの100円割れなど円高進行、業績悪化に対する懸念などから利益確定売り圧力が強まりそう。日経平均の予想レンジは、8650~8800円。

前日の相場の下支え要因となったのは、鉱工業生産の上振れ。経済産業省が寄り付き前に発表した12月鉱工業生産は、前月比+4.0%と2カ月ぶりの増加し、市場予想(+3.0%)を上回った。ただ、タイ洪水による落ち込みが解消されたことによる反動増が主因で、10-12月期では前期比-0.4%、2011年の通年でも前年比-3.5%の低下となっており、それほどポジティブには評価出来ないだろう。製造工業生産指数調査では、1月に+2.5%、2月は+1.2%と上昇を見込んでいるが、いつも楽観的な予測になっているため参考値として捉えたい。決算発表がピークを迎えたが、厳しい業績を余儀なくされている銘柄が多い。下方修正を発表した富士フイルム、花王などが急落したほか、今期見通しが市場予想を下回ったキヤノンも売られるなど、ネガティブな反応を示している。31日の大引けにも下方修正が相次ぎ、ホンダは未定とした通期予想を改めて開示したが、取り下げる前の水準を下回る実質下方修正で、市場予想も下回る水準のためネガティブな反応が予想される。

31日のNY株式相場はまちまち。景気動向に関する経済指標の結果が予想を下回ったことから、景気回復ペースに対する警戒感が重しとなった。ダウ平均は前日比20.81ドル安の12632.91ドルで終了した。欧州首脳らが財政協定と5000億ユーロ規模の欧州安定化メカニズム(ESM)の稼働時期前倒しで合意したことで、欧州債務問題への懸念が後退した。ダウ平均は買いが先行し、一時66.38ドル高の12720.10ドルまで上昇した。しかし、1月シカゴ購買部協会景気指数、1月消費者信頼感指数が市場予想を下回る結果となったことが嫌気され、売り優勢に。一時86.39ドル安の12567.33ドルまで下落したが、引けにかけて下げ幅を縮小させた。NASDAQは前日比1.90ポイント高の2813.84ポイント、S&P500は同0.60ポイント安の1312.41ポイントで終了した。個別では主力薬品の特許切れにより減収となったファイザーは0.8%安となった。また、増収も精製コストの増加が嫌気されたエクソンモービルは2.1%下落した。

トレーダーズウエブより