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中国にNBAで大活躍するスーパースター、姚明(ようめい)がいます。ルーキーシーズンからオールスター出場、2005年は歴代最高得票数でアメリカの誇り、マイケルジョーダンを抜きました。CMにも出ていますからご存知の方も多いでしょう。
中国では成人の日に当たる、5月4日(わかりますよね)、若者の模範となる人物を“労働模範”として表彰するのですが、姚明選手を選ぶかどうかで論争が起こったそうです。国内でなくアメリカの商業組織の中で働いているものが“愛国的”であるかどうかという点です。日本ではイチローは確か国民栄誉賞を辞退しましたし、松井はWBCに知らん顔ですが。
結局、姚明選手は『祖国の要請があればいつでも駆けつける』と発言、中国スポーツのレベルの高さを知らしめたというのも愛国の一つだろうということで、表彰されたそうです。
本書はこのようなエピソードから始まり“愛国”の概念が日中では異なること、昨年のデモの時に見られた“愛国無罪”というスローガンも誤解されているというような主張をします。
もう一つの指摘をご紹介します。日本では『言論の自由は当然』のものであるが、中国人は『言論の統制は当然』だと考えている。それが良い悪いというより、そういうものだと思っているようです。そうなると日本のマスコミから伝えられるニュースはすべて政府の見解として受け取ってしまうというのです。教科書検定にしろ、靖国にしろどう報道しても真実がゆがめられて伝わるわけですね。
本書のキーワードは5つ。『愛国』『歴史』『徳』『中華』『受容と抵抗』で日中を分析します。本書を含め、いたるところで、中国や韓国には日本にあこがれる若者が多いとは書いてありますが、いかんせんこの文化の隔たりを埋めるのは容易ではなさそうです。おもしろい一冊でした。
http://tokkun.net/jump.htm
![]() | 中国人の愛国心 日本人とは違う5つの思考回路PHP研究所このアイテムの詳 細 |
日本では「愛国」は戦争につながると教わってきました。
さすがに、最近の若者にはこんな考えを持つものは少ないと思いますが、、、。
WBCを見れば、韓国のナショナルチームは、ベストメンバーなのでしょう。
松井、城島、井口がいないことが、日本という国の姿を現しているのでしょう。
それだからこそ良いといえる部分もあるのですが、いてほしいという願いも持っていました。
たくさん本を読んでおられますね。うらやましい限りです。
またお寄りください。
マー君 : そちらのブログも興味深く拝見しております。池田さんの本は私には難しいんですが。
もう少し冷静になって、日本人も中韓二国に関する色いろな本でも読んで理解を深める必要があります。でも、どちらかに偏りすぎたものは敬遠したいものです。
もちろん絶対に勝って欲しいんですけどね。
しばらく前に読みましたが、共産主義国家の愛国心とは何か新しいものがあるのか?という私の興味はさっぱり満たされませんでした。
どこの国でも、愛国心ということになると多かれ少なかれ似たようなものであることがわかります。
そのような中でも、「原則と理念に背いた行為には時効はない」という伝統的思考より「水に流す」日本の思考のほうが、民族や国家の対立、抗争を回避するためには好ましいように思えます。
日中が逆の伝統的思考を持っていれば、話はこじれることはなかったのでしょうが、うまくいかないものです。現在の政治の問題もありますが、それはさておき、相互の歴史、文化の理解を広げて誤解を解いてゆくより手はないようです。
ふくろうの城さんのブログ、勉強になりますし、ご指摘のように、なるほど、中国は水に流さないのですね。
研究されなけラバならない問題だと思いますj。