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【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『 暗号解読 』 サイモン・シン

2006年08月27日 | 科学

I love you.” というメッセージを “ a→b b→c c→d” と次のアルファベットにして暗号化し、書き換えますと
  ↓ ↓ ↓
jmpwfzpv”  となります。

この暗号をどう解読すればよいのでしょう。

実はこれが、暗号の初歩の初歩で、アルファベット一つ一つの使用頻度を分析することから、簡単に見破ることができます。本書ではそこから始めて最新の量子力学まで話が及びます。 

ロゼッタストーンに描かれた紀元前の絶滅した絵文字の解読法や、戦争中の無線傍受した内容の暗号分析方法などの丁寧な解説書であり、それを発明した天才たちを描いたドラマでもあります。

これまでの暗号の歴史が国家の盛衰に著しい影響を与え、現在の企業の生命線を握っていることまでも、よくわかります。

“なるほど!” “すごい!”の連続で、確かに暗号は解読できるんだ、と確信させてくれるでしょう。決して、気軽な本ではないのですが、興味のある方には、知的好奇心に充分応えてくれる一冊です。特に数学好きの人なら感心しきりでしょう。


億、兆どころか京、さらにその上の位の数の候補からどのように正しい“かぎ” をつかみ取るか、あるいは隠しとおすのか。 情報戦の凄まじさ、数学の不思議さがよく分かります。『 フェルマーの最終定理 』 も同様ですが、サイモン・シンの著作は、科学の本でありながら、歴史、ミステリーであり、壮大なドラマです。 


ちなみに、本書が書かれた時点では、暗号作成側が解読側よりも勝っており、最新の技術ではたった一つの暗号化されたメッセージを解くのに地球上の全パソコン2億6千万台をいっせいに使っても宇宙の年齢の1200万倍かかるそうです。すごいスケールの話になっていますね。


生徒諸君!数学や物理、さらに歴史を勉強する醍醐味はこんなところにもあるんですよ。


暗号は、ネット社会のキーワードですし、日米開戦時にも決定的な役割を果たしています。一般市民が知らないところで、ものすごいエネルギーが暗号作成、解読に注がれていることに驚きます。★5つレベルのお薦めです。



http://tokkun.net/jump.htm 


暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで

新潮社

詳  細

『暗号解読』サイモン・シン
新潮社:509P:2730円



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  追撃の1冊ですが…。せめて2位の半分へ(トホホ…)

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
涼微さん (VIVA)
2006-12-21 21:02:21
こちらこそ記事に拙ブログのリンクまで貼って、TB。ありがとうございました。
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Unknown (涼微)
2006-12-21 20:25:51
コメント&トラックバック有り難うございますm(__)m
しかし、トラックバックだけでコメントをいただけるとは、さすがにランキング1位だけあって他の人とは器が違いますね! (笑
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
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雨さん (VIVA)
2006-08-28 11:34:23
コメントいただけて大変うれしいです。そうですか、似た趣味の本がありましたか。どうぞ遠慮なくコメントしてください。本書は500ページを越える大作で、楽しくてどんどん進むというタイプではありませんので、読み終えるのが一苦労ですが、その苦労する(笑)かいのある一冊でした。
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小林毅さま (VIVA)
2006-08-28 11:30:56
お忙しいのに、わざわざコメントまで頂戴し、恐縮です。ビッグバンも期待とおりということですね。確かに、良い本だと、読みきってしまうのが惜しく感じることがあります。ぜひまた購入して見たいと思います。ありがとうございました。
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どうも。 ()
2006-08-27 17:54:50
コメント、ありがとうございます。早速、サイトを覗きましたが、新旧、硬軟、様々なジャンルが、ほとんど一日に一冊並んでおり、圧倒されました。(しかし、生意気言わせて貰えれば、私と興味ある分野の本が、かなりあります)暗号解読は必ず読むつもりです。その感想を雨日記に書きますので、よろしければ読んで下さい。
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ビッグバンも快作です (小林毅)
2006-08-27 17:51:19
「暗号解読」、若干、エニグマをめぐる戦いをめぐるスペースが長過ぎるような気がしましたが、それでも、大変な労作です。冒頭に「悲劇のスコットランド女王」メアリー・スチュアートの裁判のカギが、暗号を解読できるかどうかにかかっていた、というエピソードを置くあたり、読む者を引きつけるツボを心得ている、という印象を強く持ちました。

サイモン・シンの新作、「ビッグバン 宇宙論」を現在、読んでいるところです。これも面白くてやめられないんですが、面白さにまかせて、一気に読んでしまうのが惜しく、ゆっくりゆっくり歩を進めています。

なお、「暗号解読」と「フェルマーの最終定理」の御書評ブログに当方のブログTBさせていただきました。ご了承下さい。
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シンさん (VIVA)
2006-08-27 17:33:19
いつもコメントありがとうございます。確かに、もう少し安ければ、いいのですが…。



できれば、1500円の本を2冊買ったと思ってください(笑)。
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こんにちは^^ (シン@偽哲学者)
2006-08-27 13:16:10
本日も面白そうな本ですね^^

こういう暗号解読や数字パズルは好きなので

これは買ってみよう…と思ったけれど

値段的にちょっと無理です><



そうそう、以前紹介していた

「アメリカ最強のエリート教育」は

購入して読了しました。

確かにデータブックとしての価値はありますが

教育本としてはかなりアメリカ万歳な内容なので

けっこう読むのが苦痛でした(^^;

また近日中に記事作成をして

TBさせていただきたいと思いますm(_ _)m
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