『1774年、今から200年以上も前に書かれた名著です。本書の原題は『Letters To His Son(息子への手紙)』 ですが、この邦題はいかがでしょうか、そのままでいいと思うのですが…』
と、実は3年前に当教室のメルマガの書籍紹介で、本書を取り上げました。今、改めて、確認してみると、何と、邦題が 『わが息子よ、君はどう生きるか』 に変わっていました!そちらはノーベル賞学者の小柴先生が推薦されております。
もしご覧いただけるなら、こちらの方が入手しやすいでしょう。こんなことあるんだな~と思っておりましたら、そもそも『わが息子~』の方が元だそうで、もう一度元に戻したということらしいです。ホントにややこしいし、題だけ変えて売ろうということをよくやるのでしょうか。なんかセコい、という気がしますが。
それはともかく、
300年前のイギリスは、訳者の竹内均氏によれば
『重商主義の時代で、裕福な市民や近代的な地主を基盤として議会制度を確立し、外国との条約を結ばず戦争をせず、大国フランスとの協調を第一とし、こうして浮いた金のことごとくを経済発展に注いだ』状況ですが、これフランスをアメリカに変えると日本の状況に似ていないでしょうか。
国会議員でもあるチェスターフィールドが、息子に対し、豊かさの中で、努力を怠らず、人格を磨き、どう教養を身に付けるのかというアドバイスをします。礼儀から、学問、読書、友人、健康、身なり、振る舞い、様々な分野に及びます。暖かく、そして厳しい指摘が続きます。
以下のような一節で始まります。
『怠慢-これについて君に言っておきたいことがある。私の愛情は、君も知っての通り、やわな母親の愛情とは違う。私は、子供の欠点から目をそらすようなことはしない。その反対だ。欠点があれば、それを目ざとく見つける。それが、親としての私の義務であり、特権であると思っているからだ。
一方、その指摘された点を改めようと努めるのが、息子としての君の義務であり、権利であると思うのだが、どうだろう。(後略)』
“紳士の教科書” と呼ばれているそうですが、なぜ、こんなに長期に渡って、世界中で読み続けられるのでしょうか。フリーター、ニートなど、いかにも現代特有の社会現象だと、とらえがちですが、昔から、いったん豊かになったあとの社会で、人がどう生きるかという難しさがあったのではないでしょうか。
“衣食足りて礼節を知る”とも言われますが、衣食はあまり、平和で低成長の社会が長く続くと、皮肉なことに、若者は刺激を求めて、社会に反抗するでしょうし、大人はその対処に迷うのでしょう。本書にその時代の答えを求める人々が、昔からいたのだと思います。
日本のお父さんたちは、自分の子どもに、こんなにストレートに話をしたり、手紙を書いたりすることは苦手でしょうが、参考になる、目からうろこが落ちるといったアドバイスが多く含まれていると思います。
“紳士の教科書” というより、“お父さんの参考書” と言った方が良いかもしれません。
一人の父親は百人の教師に勝る!―親にしかできない人生教育 この絶対不可欠なこと三笠書房詳 細 |
http://tokkun.net/jump.htm
『一人の父親は百人の教師に勝る』フィリップ チェスターフィールド
三笠書房:234P:1575円
『 わが息子よ、君はどう生きるか 』フィリップ チェスターフィールド
三笠書房:236P:1575円
■■ 生きにくい時代であろうと、なかろうと、お父さんにかかる期待は大! ■■
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1位です。ありがとうございます。
まずは3位キープかな。
この本はたぶん以前に読んだことがあります。見たような本も多いので、内容はよく思い出せないのですが。
ときどきこちらにはおじゃましてますが、読みたい本ばかりになってしまって、時間とお金が足りません(^_^)
これからもいい本を紹介してください。楽しみにいています。
こちらこそ、これからもお付き合いいただけるよう、よろしくお願いします。