相互リンクの milesta さんの記事に触発されて、しばらく前に読んだ本ですが、私も金美齢さんの本を紹介します。
この書名がいかにも軽く、エッセイ風の読み物のように勘違いしそうですが、中身はなかなか強烈なものです。著者の金美齢氏は時々テレビに出演していますので、ご存知でしょう。台湾独立の象徴だという人までいるそうです。
10人の男性と対談し、その後に金氏がそれぞれにコメントしています。何ということはない企画ですが、対談相手の顔ぶれがすごいですね。紹介しますと…
1 リーダーとしての男―小泉純一郎
2 闘う男―小林よしのり
3 国際人としての男―岡本行夫
4 夫としての男―向井万起男
5 生活者としての男―池沢夏樹
6 癒しを知る男―上田紀行
7 バランス感覚のある男―深田祐介
8 群れない男―岡崎久彦
9 パートナーとしての男―周英明
10 国を変えた男―李登輝
いずれも興味深い人物ばかり。“闘う男10人の覚悟を満載” と宣伝してありました。日本に必要な男像! だそうです。それぞれ活躍する分野が違うので、闘う相手も異なるのですが、相手の背後で何となく共通して問題になってくるのは、やはり日本の官僚組織でしょうか。
本当に大物がそろっていて、近くにいるだけで相手はものすごい威圧感を持つと思わせる人ばかりですが、金氏はリラックスをして逆に、相手をたきつけるくらいの勢いです。むしろ男性の方がたじろいでいるのではないかと思うほど(笑)。
金氏に関しては、私は不明にもどういう方か知らず、テレビで短いコメントをいうだけのちょっときれいな知識人ぐらいに考えていました。とんでもない誤解でした。本書を読みますと、勇気ある戦士と言ってもよいくらいの人物だったのです。
もし仮に金氏のような人物が台湾のリーダーになって、日本と台湾がしっかり協力関係を結んでいたら、かなり違った外交政策が取れたのにと思わずにはいられませんでした。台湾と深い友好関係が築けていれば、アジア外交での選択肢も広がったのかなと。
ただ、以前ご紹介した『還ってきた台湾人日本兵(河崎真澄)』 もぜひお読みいただきたい、考えさせられた一冊ですが、本書を読んでも、日台関係の難しさを痛感します。仲良くしようと言っても、やはり過去の戦争や国内のさまざまな勢力、国際的な政治環境がそれを阻みます。
金氏はこれまで、さまざまな勢力から批判や圧力をかけられ、かなり厳しい状況に追い込まれたこともあったようですが、その信念と情熱はものすごいですね。絶対に諦めないし、グチや弱音のようなものすらありませんでした。見習いたい闘志です。
こういう形式の本の良い点は、一つずつが独立していますから、それぞれが短時間で集中して読めることですね。しかも対談ですから読みやすい。逆に難点は、もっと知りたいと思っても短時間で、あっという間に終わってしまうこと(笑)。
やはりこういう本から、興味を持って、金氏やここに登場した男たちの別の著作、または歴史の勉強をするというのが理想的でしょうか。強い女性は何人も存じ上げておりますが(笑)、それにしても金美齢は強い!そう感じた一冊でした。
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