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【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

親が子に注意すること:東京・北京・ソウル 【教育データ】

2007年04月21日 | メルマガ関連記事




当教室のメルマガで、先月ご紹介した教育データの記事です。今日取り上げました本の内容と関係があると思いますので、ご覧ください。なかなか興味深い内容ではないでしょうか。どうぞ。


■■■■■


『親が子に注意すること:東京・北京・ソウル』


◎小学生のみんな!君たちのお父さん、お母さん、こわいですか?家でどんなことを注意されますか。

実は、日本の小学生の親は中国・韓国の親に比べて、子どもに注意しないという調査結果が「日本青少年研究所」というところからつい最近発表されました。


例えば、小学生にこう聞きました。


 ■先生のいうことをよく聞きなさい■  と親から言われますか?


  この質問に “よく言われる” と答えた子どもの比率は


 東京【20.3%】 北京【45.2%】 ソウル【43.7%】 

 

えっ、もっと言って下さい、お父様、お母様(笑)。まぁでも、なぜ東京の親は子どもにそのように注意しないかというと、可能性としては、


1・すでに日本の生徒は先生のいうことをよく聞いているから (絶対違うな)

2・先生はろくなことを言っていないから (違って欲しい)

3.親が子どもに無関心だから (???)


どうでしょう。まぁ理由はともかく、東京の小学生の親は、23項目の注意のうち21項目で最下位。つまり日本の親は自分の子どもに注意しないという結果なのです。

そこで、日本の親がよく子どもに注意している順で、そのいくつかを紹介します。


■ 質問 ■: あなたは自分の親から、以下のような注意をされますか。

【“よく言われる”と答えた子どもの割合】 です。




■ 勉強しなさい ■

 東京【30.5%】 北京【31.7%】 ソウル【47.2%】


■ あいさつしなさい ■

 東京【26.1%】 北京【46.7%】 ソウル【35.5%】


■ うそをついてはいけません ■

 東京【20.9%】 北京【46.0%】 ソウル【39.7%】


■ 親のいうことをよく聞きなさい ■

 東京【18.6%】 北京【41.7%】 ソウル【38.7%】


■ もっと食べなさい ■

 東京【15.0%】 北京【37.4%】 ソウル【31.5%】


■ 友達と仲良くしなさい ■

 東京【11.1%】 北京【36.1%】 ソウル【29.8%】



他にもご紹介したいものがたくさんありますが、スペースの都合でここまで。

興味のある人は⇒ http://www1.odn.ne.jp/youth-study/

■■■■■



という記事でしたがいかがでしょう。東京の小学生は、家庭ではあまり注意されていませんし、学校でもきっと昔に比べれば、ずっと少ないでしょう。

当塾ではあいさつや遅刻などは厳しく指導しますが、先生方が 『ちゃんと人の顔を見て、はっきりあいさつをしなさい』 というと、キョトンとしている生徒が多いですね。あまり言われたことがないのでしょう。


また、教室に入ってくるときに、『こんにちは』 帰るときは 『さようなら』 と言いますが、そのとき、ペコリと軽く会釈をするのが普通だと思うのですが、“やぁ” “じゃあ” という感じで、手を挙げながら、あいさつをする生徒がいます。これもどうも違和感が抜けません(笑)。どう思われますか?



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『家族力―「いい親」が子どもをダメにする』 ジョン・ロズモンド 大沢章子・訳

2007年04月21日 | 教育関連書籍


家族力.jpg


ブログでも子育てを話題にしているものは多いですね。本当に子育ての悩みは尽きません。私も何冊か取り上げました。実際に自分の子どもを持ってみてはじめて、子育ての難しさを痛感しました。いや大変です(笑)。


それで、自分の子どもが生まれてから、本当にずっと不思議に思っていたのですが、こんなに大変なのに、今より貧しい時代、今よりずっと余暇も少なくて、家庭電化製品がなくて、さらに手間がかかったはずの昔の人は、どうしてたくさんの子どもを育てることができたのでしょう。だって昔は5人6人の兄弟、姉妹は珍しくなかったですよね。

本書では、いきなりそのことを、あるエピソードを紹介して、取り上げており、“そうそうこれこれ”、という思いで夢中で読みました。


偶然、飛行機の中で筆者の隣に座った老婦人は7人の子どもを生み、みな普通に育った、離婚した子もアル中もいないと。夫を戦争で取られている間は働くシングルマザーで苦労したと話したそうです。

筆者が、「その当時、子育てを大変だと思ったことはありますか。まわりの人たちはどうでしたか」と尋ねると、どうしてそんなことを聞くのか分からないという表情で、「いいえ、普通にやっただけです」 という答えでした。


筆者が言いたいのは、子育ては難しいものではなく、“普通”にやれば、苦労することはないし、失敗することも少ないはずだということ。問題はその“普通”を現代の親たちの多くがわかっていないか、誤解しているということです。

その証拠に、子育てについて、例えば、近所にいる“普通の”年配の人や自分の親などに相談するのではなく、本屋へ行って、本書のような、“専門家” の書いたものをさがし、それに頼っているではないかと(笑)。何か特殊なことだと勘違いしているというわけです。なるほど…。


子育てのおおまかな原則を以下のようにしています。目次を紹介しましょう。


序章 バック・トゥ・ザ・フューチャー

第1章
 子育ての基本原則その一―子ども第一ではなく家族第一(何が一番かをはっきりさせる)

第2章
 子育ての基本原則その二―しつけに必要なのは、罰ではなくコミュニケーション。信頼関係を結ぶことではなくリーダーシップ

第3章
 子育ての基本原則その三―子育てとは人を大切にする心を育てること。自尊心を育てることではない

第4章
 子育ての基本原則その四―大切なのは礼儀を教えること。技術を習得させることではない

第5章
 子育ての基本原則その五―大切なのは責任感を育てること。よい成績をとらせることではない


子育ての目標は、子どもを幸福にすることではない、と念を押します。なぜなら、幸福というのは、立派に生きているときに結果として感ずるものであって、目的にはなりえないからだというのです。

幸福を目指した典型がヒッピーであり、なんと、筆者夫妻もかつてはヒッピーだったそうですが、彼らには何の目標も無く、何も成し遂げられず、悪い夢を見ただけだと振り返ります。

幸福とはなすべきことをし、品行方正に生き、よき隣人となることによって、得られるもの。多くの専門家が完全に間違って、子育てを複雑にしてしまった。故障していないものを修理が必要だと騒ぎ立てた結果だというわけです。


アメリカで流行っている、褒めることで成績が上がるなどという考えは、心理学的な神話だとも言い切っています。自尊心というのは非常に大切だけれども、実績のともなっていない賞賛をもらいながら育つと、自分で何かを達成することではなく、社会や法律や会社から、常に何かを与えられるこを期待した大人になると警告しています。本人はいいが、まわりはたまったものではないと。


他にもいろいろ示唆に富む指摘があるのですが、特に親の言葉遣いや振る舞いに関するところはおもしろかったです。全体的には、子育ての原則が書かれていて、細かい内容はあまりないのですが、言葉遣いはいくつかの具体例が出ています。

例えば、次の二つの言い方、どちらが好ましいでしょうか。


 「もうブランコは終わりよ。家に帰る時間だからね」

 「もう家に帰る時間よ。ブランコを降りて、行きましょう」


どちらでもいいですよね、素人から見ると(笑)。良いのは下だそうです。指示のあとに理由を付けると子どもの関心は理由の方へ向かい、口ごたえしやすくなると。他にもいくつかの例があるのですが、私にはこれが一番難しかったです。


筆者は、“家族心理学者” というそうで、子育てに関する本をたくさん出し、そのいずれもがベストセラーになっているそうです。毎週200誌以上の新聞にコラムが同時掲載される人気コラムニスト。


確かに分かりやすいし、多くの点で共感できます。以前、ご紹介した 急がされる子どもたち(ディヴィッドエルカインド)にも通じる主張ではないでしょうか。筆者が専門家に頼るなと言うのですから、おすすめしにくいのですが(笑)、一読の価値ありだと思います。気が楽になったように感じます。





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家族力―「いい親」が子どもをダメにする

主婦の友社

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『家族力「いい親」が子どもをダメにする』ジョン・ロズモンド 大沢章子・訳
主婦の友社:189P:1365円