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 豊かな村

2023年04月10日 | インポート
 例え、村の未来を破壊するような施政であっても、有力者や住民たちの頬を札束で殴りつけて意識を失わせれば、住民たちは札束の麻薬効果で、それを喜んで受け入れるようになる。



 豊かな村ランキング

 https://www.apamanshop.com/townpage/ranking/town-zaisei/



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 第一位の飛島村は、60年前まで海水浴場もあり、潮干狩りで賑わった憩いの沿岸だったが、伊勢湾台風で先住民が全滅に近い悲劇に見舞われてから、今は全村が臨海工業地帯で、工場やトラックの影に隠れるように住民が生きている。

 当然、企業群や道路インフラからの固定資産税によって、村の財政は日本一豊かになった。





 だが、私から見れば、工場や運送車両の排ガスで村人の命を切り売りしているに等しい。人が自然に依存して健康なライフスタイルを満喫できる場所ではない。

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 本来なら20年前の市町村合併政策のなかで名古屋市に合併するべき地域だが、村人たちは巨大な固定資産税の座布団を取られてたまるかと、必死に独立を死守した。





















 

 第二位の六ケ所村は、言わずとしれた恐怖の核燃料再処理施設が置かれている場所で、村人たちも、日本で一番危険な場所であり、現実に、周辺地域に物凄い健康被害を及ぼしていることを理解しているはずなのだが、危険性を告発する住民の声は、村人たち自身によって封じられた。

 今は、ネット上で、再処理施設建設反対の声は片っ端から削除され、反対派住民の声もまったく検索できないが、代わりに以下のようなものがある。



 核燃料再処理工場を誘致した六ヶ所村の村民所得は年1364万円

 https://www.news-postseven.com/archives/20110801_26498.html?DETAIL

 

 使用済み核燃料に再処理を施し、再び原発で使えるようにする「核燃料サイクル」。そのための再処理工場を誘致した六ヶ所村は原発マネーで潤う。かつて激烈な誘致反対運動があった地の事情をジャーナリストの出井康博氏が報告する。



 1人当たりの村民所得が全国平均の5倍にも相当する年1364万円(2008年度)――。日本でも有数の豊かな自治体が本州最北端の下北半島にある。大阪市よりも広い面積に約1万1000人が暮らす六ヶ所村だ。

 かつての六ヶ所村は「日本の満州」と揶揄されるほど貧しかった。畜産や漁業を除けば産業もなく、冬場には東京への出稼ぎで溢れた。そんな村が1980年代半ば、核燃料の再処理工場を誘致して生まれ変わった。



 冒頭で紹介した1人当たり所得には企業所得も含まれ、自治体の経済力の指標とされる。六ヶ所村の経済力は、全国にわずか75しかない地方交付税の不交付団体の1つであることからも明らかだ。村の年間予算は約130億円と、同規模の自治体の2倍以上にも達する。確かに、村内を車で少し走るだけで、その豊かさが実感できる。



 牧場の間を高速道路並みの道路が通り、中心部には4階建ての立派な村役場、700人収容のコンサートホール、さらには縄文時代の竪穴式住居を再現した郷土館まである。23億円を投じて全戸に設置されたテレビ電話も自慢だ。



 これらのインフラ整備も、再処理工場の誘致なしにはあり得なかった。村の歳入の半分近い約60億円は、再処理工場や関連施設に関係している。その中心が、工場の運営のため、東京電力など電力10社の出資で92年に設立された日本原燃という企業である。



 昨年、“反原燃”候補を大差で破って3選を果たした古川健治村長(77歳)が言う。

「貧しい村の代名詞だった六ヶ所村が発展を遂げた基盤が日本原燃と関連企業。将来も大きな柱と位置づけている」



 政府は、使用済みの核燃料に再処理を施し、再び原発で使えるようにする「核燃料サイクル」の実現を国策に掲げてきた。その要となるのが再処理工場だ。ただし、工場では原発同様、放射能漏れの危険がつきまとう。再処理工場の誘致を巡っては、激烈な反対運動が村ではあった。だが、そんな過去が嘘のように、今では古川村長を始め、定数18の村議会にも工場の存在に反対する者は1人もいない。



 単に税収を見込めるからではない。日本原燃本社だけで300人近い村民を雇用。下請け企業を含めれば「家族の1人は原燃関係の仕事に就いている」と言われるほど、同社丸抱えの村なのだ。村議も多くが建設業などを営み、原燃とは持ちつ持たれつの関係にある。原燃側も、年に一度は社員がタオル持参で全戸訪問するなどして気を配る。村民からは「こんな田舎で、しかも格安の値段で小林幸子や八代亜紀のコンサートが見られるのも、原燃さんが補助してくれるお陰」(50代の女性)といった感謝の声も聞かれた。

※SAPIO2011年8月3日号

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 引用以上



 もう12年前の記事なので現状は不明だが、私が、何回か訪れた範囲では、とにかく公共インフラや箱物が凄まじい規模だった。

 しかし六ケ所村公立図書館で、原発や再処理施設批判文献を探したら皆無だった。代わりに、「原子力の未来は明るい」という類のヨイショ文献がわんさか置かれていた。



 だが、六ケ所村再処理場は、1993年の建設開始以来、2兆円を超える税金を投入しながら、30年を経ても未だに完成せず、おそらく未来永劫、まともに稼働することがありえないのは「もんじゅ」と同じ事情である。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E3%83%B6%E6%89%80%E5%86%8D%E5%87%A6%E7%90%86%E5%B7%A5%E5%A0%B4



 六ケ所村で起きている再処理工場由来と思われる健康被害については、何回もブログに挙げている。

 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5828328.html

 ご覧の通り、六ケ所村再処理工場の周辺市町村は、いずれも全国平均の3倍を超える心筋梗塞死者が出ている。

 それなのに、六ケ所村や周辺自治体から、「危ないから廃止せよ」との声は出て来ない。出ても、たちまち封殺されるのだ。



 第三位の豊かな村は「大熊町」

 ほとんど報道されていないが、フクイチ巨大事故で、もっとも恐ろしい結果が現れた「恐怖の町」だ。

 東平地区の鈴木木工前で、一ヶ月後に発見された1000名近い遺体は、ミリシーベルトサーベイが振り切れ、遺体を発見しても近寄ることさえできなかった。

 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6020797.html

 これを共同通信(親会社は電通)は、「事故後被曝」と奇っ怪に補筆したが、なぜか、この記事は、わずか3年後に、すべてのメディアから消去されてしまった。



 大熊町の財政報告

 人口約1万人(大半が住民票だけの架空居住)の町の歳入が、431億円。

 ちなみに、ほぼ同等の人口を抱える長野県小布施町の23年度予算は過去最大の大盤振る舞いで57億円だった。



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 同規模自治体の5~10倍の予算を抱える大熊町は、いったい何に出費するのだろう?





 第四位の豊かな村は、軽井沢町だ。

 これだけは分かりやすい。レノン・ヨーコも住んだ日本最高の別荘地で、今や世界中の大金持ちが集まっているのだから、永住者からの税金収入も大きいだろう。

 ここも地価が高く、したがって固定資産税が高いので、税収も大きくなる仕組みだ。

 

 第五位の豊かな村は、意外にも北海道の寒村、泊村だ。

 なぜか? もちろん泊原発の存在である。関連企業も含めて、工業地帯と化していて、固定資産税税収が大きいのだ。



yutaka06https://livedoor.blogimg.jp/hirukawamura/imgs/2/1/217dbe1e.jpg" title="yutaka06"



人口1600名に満たない村なのに、予算は52億円を超えている。上の小布施町と同じくらいだ。

 なるほど自治体財政が、原発誘致でぬくぬくと暖まっている状況が手にとるようにわかる。

 だが、その見返りは、とてつもなく恐ろしいものだった。

 

  原子力発電は事故を起こさなくとも日本人を殺戮している その1

 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5828326.html



 泊村の心不全死は、2014年段階で全国平均の444%だった。癌のレベルも非常に高い。

 つまり、泊住民は、文字通り自分の命を削って、全国5位の高額予算を手にしていたのだ。全国有数の行政サービスによる豊かな暮らしは、泊原発が放出する放射能を吸い込むことと引き換えだった。

 第一位の飛島村は、トラックの排気ガスや工場排ガスと引き換えの豊かさだったが、泊村は、子供たちの未来を真っ黒に塗りつぶす放射能汚染

と引き換えだった。



 そして、加圧水型原子炉は、もしも(大地震やミサイル攻撃などの事情で)冷却に失敗したなら、160気圧が大爆発を起こして、炉内の放射能を全部ぶちまけ、北半球全域を放射能汚染するが、地元で生き残る人は少ないだろう。



 「みんなで死ねば怖くない」って? おめでとうございます。