goo blog サービス終了のお知らせ 

gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

笠置山(美濃)のこと

2022年07月06日 | インポート


 私が毎朝登っている笠置山が大変なことになっている。東濃の山々でも、格別美しいヒノキの森が大規模に伐採され、山の品格が荒廃しつつあるのだ。



 舟伏山と呼ばれていた平安時代、花山天皇がこの地方に来て、山の形が都の笠置山に似ているというので、『眺めつつ 笠置の山と名付けしは これも笠置くしるしなりけり』と詠い、以来、笠置山と呼ばれるようになったとされる。



 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%A0%E7%BD%AE%E5%B1%B1_(%E5%B2%90%E9%98%9C%E7%9C%8C)



 「くしるし」という意味は、たぶん「奇しるし=不思議な」だろうと思うが、千年前の当時、笠置山は修験霊山として、相当大規模に開発されていた。

 今でも、当時の宗教的遺構が山頂近くにたくさん残されている。

 縄文時代に刻まれたと思われる「ペトログラフ」と呼ばれる岩文字もたくさん残っている。多くは雨乞い儀礼のものらしいが、あるとき霊能者が、「これは生首を捧げた礼拝遺構」と指摘したことがある。

 https://blog.goo.ne.jp/huvy52g1s7/e/4060f548e59ac97540448645c7ca82a8



 笠置山は、建築用材として世界でもっとも良材といわれる、「東濃ヒノキ」の代表的な生産地だ。伊勢神宮式年遷宮に使われるのは加子母ヒノキだが、今回伐採される山頂付近のヒノキは、遷宮用材に引けを取らない100年級の高品質なものだ。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%BF%83%E3%81%B2%E3%81%AE%E3%81%8D



 今回の伐採地は、登山道の集中する山頂南側付近で、登山者を排除して行われている。姫栗登山道を上った登山者は、姫栗林道から川向登山道に迂回させられることになった。

 すでに数日前から工事が始まり、笠置山奥社参拝道は重機で荒廃が始まっている。

 檜の年代から考えて、このような皆伐は、第二次世界大戦前、以来だと思う。

 kasagi01

 9合目駐車場の参拝道入口





kasagi02

 今朝の参拝登山道の様子



 もちろん、人間が用材として利用するために植林したものだから、いつかは伐採するのは当然なのだが、今では、この素晴らしい東濃ヒノキが、伐採後、大部分が中国に送られることが分かっている。

 日本人の住宅に使用されるものは非常に少ないだろう。

 https://mitsutomi.jp/japanese-woods-4132



 出口王仁三郎は、生前、「ヒノキは神様の木だから、粗末にしてはいけない。人は杉の家に住めばいい」と言っていた。

 私も杉の家に住んでいるが、ヒノキは値段が高くて恐れ多く、手が出ない。だが、今では大部分が中国人の金持ちのための建築用材になってしまった。

 これは、日本人が使うために、明治時代に先人が植えてくれたものなのだ。



 持ち主は、笠置町森林組合だろう。彼らの先祖が、「全国の寺社建築のために良材を植える」と百年後の子孫たちの繁栄を願っての植林だったが、それを日本人が使えずに、金儲けのために中国に送られるのは情けないことだ。



 自民党が持ち込んだ新自由主義は、金になりさえすれば、天から与えられた宝物でも平気で売り飛ばす。民衆生活を支えている交通機関であっても、「金が儲からない」と、どんなに住民が困ろうが平気で廃止してしまう。

 先祖が子孫の生活向上を願って植えた木を、平気で腐敗した独裁権力の外国に売り飛ばしてしまう。



 中国は、世界最高の東濃檜の代金として人民元で支払うのだが、それは狸が作った木の葉の紙幣だ。本当に価値ある財産ではなく、印刷しただけの紙屑なのだ。

 中国共産党は、一帯一路政策で、外国に莫大な金をばらまいているが、その金は輪転機が印刷しただけのもので、裏付けになる価値など存在しない。

 やがて激しいインフレを起こして、どんどん価値が下がり、最期には紙屑に変わる。



 基軸通貨発行国は、輪転機で金を生み出すことができる。裏付けがないから、たちまち膨大なインフレが起きる。

 こうして、宝の山に見せかけた莫大な紙幣は、狸が作った木の葉に化けてゆく。

 そんな紙屑で、人類の宝である東濃ヒノキが決済されるわけで、受け取った代金は、金庫のなかで木の葉に化ける仕組みなのだ。



 本当に価値あるものは、ホンモノの価値によって決済されなければならない。それは、百年前にヒノキを植えた先祖が望んだ、人々の喜びに満ちた温かい世界をもたらすものなのだ。

 それは自国民の生きた臓器を売り飛ばして金に換えている、中国共産党員の家に使われてはならない。



 私は、毎日歩いている美しいヒノキの森が破壊され行く姿を見るのが辛い。

 この数ヶ月、恵那市は、笠置山8合から上にある「望郷の森」キャンプ場に大金を投じて手を付けている。

 管理棟にあるトイレは、いつのまにかウオッシュレットに変わった。登山道は丁寧に草刈りが行われている。

 それはいい。しかし、同時に激しい自然破壊を伴う奇っ怪な遊具工事が行われている。



 まったく目的も使い方も理解不能の奇っ怪なモニュメントだか遊具だか分からない構造物が、私が毎日利用してきた登山道を封鎖して、たくさん作られ、これまで歩いてきた道が利用できず、迂回させられるようになった。

 最初は、キャンプ用の床板かと思ったが、そうではない。高さがある床板は、危険で利用できず、上ることさえできず、もちろんテントも張れない。

 kasagi03





kasagi04



kasagi05





もっと悪いことは、この床板?を支持するために、径50センチもある大木ヒノキに大穴を開けて、中心部まで太いボルトを通している。

 こんなことをすれば導管が塞がれて数年後には枯死してしまうことが明らかだ。



kasagi06



 森や木を知っている人なら、こんな馬鹿げた工事は絶対にやらない。この工事を恵那市から請け負った業者は、山や森、木についての知識がほとんどなく、平気で自然破壊を行って金儲けする連中なのだ。

 同時に、この付近の百年級ヒノキもたくさん伐採され、まるで自然破壊の見本市のようになっている。



 これでは、恵那市が望郷の森キャンプ場を改良しようとした目論見は後世まで末永く批判される自然破壊の典型事業となってしまう。 

恵那市公園管理課は、まともな人材がいないのか? どうして、こんな愚劣な仕事ができるのだ?

 私は、文句を書いて送りつけたが、十日経っても返事がない。非常に憤っている。

 市議会にも送ったが、何一つ反応がない。恵那市全体の意思なのだろう。



 近年、恵那市は、自然資産の開発に力を入れる名目なのか、事実上、自然破壊街道をまっしぐらだ。担当部署のリーダーは名誉欲の強い人物なのだろうか、利用者の便宜を無視して、強引に事業を進めている。

 ラリー開催も、その一つだ。

 https://rally-ena.jp/



 私が歩いている笠置山や根ノ上高原の道路を勝手に封鎖して、ラリーを開催し、ウオーキング、ハイキング利用者を閉め出して、大宣伝している。

 周知が不十分なので、私などは知らないまま入って、身動きが取れなくなり困ったこともあった。

 そこには、自然との触れあい利用者への配慮がほとんど感じられない。



 恵那市は、かつて雇用促進事業団の詐欺的なグリーンピア事業に乗せられて大損害を被ったことがあった。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2004-01-05/01_03.html



 百億円近くを出資し、それが見通しのないデタラメ事業だったので破綻し、負債を被ったのだ。だから私の住む蛭川村は、本来、恵那市と関係が深く、統合する予定だったのだが、結局、借金を負担させられることを恐れて財政の良い中津川市に合併することになった。



 恵那市の自然保護に対する無関心、派手な金儲けばかりに走る姿勢を見ていると、もはや体質というしかない。恵那市の為政者は、自民党の新自由主義思想に毒されてるに違いない。

 せっかくの素晴らしい大自然資産を豊富に持ちながら、それを名誉欲や事業欲に引きずられ、自然破壊をすることにしか関心が持てないように思われる。



 だが、もはや、そんな時代ではない。外国から日本に訪れる人々も、自然破壊を見に来るわけではない。美しい自然で癒やされたいのだ。ラリーの排気ガスを吸いたいわけではない。

 それを理解できないで、派手な開発に暴走するばかりの恵那市は、いったいどこに行くのだろう?