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停電が示すもの

2022年07月27日 | インポート


 私は毎朝4時すぎに起床、5時前には近所の山に向かい、2時間ほど歩いて8時前に帰宅して、夜は9時過ぎに寝るパターンだ。

 歩かないと間質性肺炎が悪化して呼吸が苦しくなるので、少しくらいの雨なら歩くのだが、今日の雨では全身ずぶ濡れになるので、久しぶりに歩けそうもない。



 今朝、4時に目覚めたら、電気が来ていない。外は雨で蒸し暑いが、除湿にセットしてあるエアコンが切れていた。4時半にならないと明るくならないので、4時は夜中と同じで照明がないと、かなり困る。

 もちろん、パソコンもモデムルータの電源がないのでアウトだ。ライトも、どこに片付けたか思い出せなくて、闇のなか手探りで、石油ランタンを点灯させた。



 深夜に落雷があったので、ブレーカが落ちたのだと思った。草をかき分けてブレーカボックスに辿りつき調べると、ブレーカは落ちていない。

 ならば、これは停電だ。唯一の通信手段であるスマホで見ると、確かに中津川市の広い範囲で停電が起きていて、我が家も範囲に入っていた。

 復旧の見通しは書かれていなかった。我が土地は落雷が多く、したがって停電も多い。年に数回は「大規模停電」が発生する。



 結局、深夜1時半に停電が発生し、復旧したのは朝の9時頃だったのだが、問い合わせようにも、朝の4時台から、問い合わせが殺到し、窓口がパンクして、とうとう一度もつながらなかった。

 ネットが普及するようになって、昔のような電話での問い合わせは事実上、窓口が閉ざされていて、唯一、ネットでのチャット問い合わせしかない。これでは、ネットから取り残された老人たちは、本当に困ってしまう。



 まあ、半世紀前でも、電話を持たない世帯が少なくなくて、予期せぬ停電では、ひたすら復旧を待つしかなかったのだが、当時は、近所同士の連帯連携がしっかりしていたので、「三人寄れば文殊の知恵」で、すぐ声を掛け合って、互いに知恵を出し合って問題解決することが多かった。

 今、ネット社会になって、近所付き合いしている暇があればネットを覗く人が多いので、そのネットが切断すると万事お手上げになってしまう。



 ネットという、生身ではない、いわば虚構のバーチャル世界が身近に普及してから、我々は生身のリアル人間より、電子信号の向こう側にいるバーチャル世界に頼り切って生きてゆくようになったのだと、私は今朝の停電で強く思い知らされた。

 ネットが切断したなら、生きてゆく術を奪われるくらい深刻な情報飢餓に見舞われるのだ。



 私の場合、停電で何が困るかというと、まず井戸ポンプが止まるのでトイレも台所も水が出なくなり、食事も作れない。水は、念のために2リットルペット水を60本ほど常備しているが、まさか、これでトイレは流せないので、小用は流さず大で初めて流す。

 それでも、今朝は二回出たので、二回目は流せずに困った。



 電灯が消えているのは、石油ランタンと携帯ライトでなんとかなるのだが、蒸し暑い真夏にエアコンが使えないと、非常に困る。汗で体がベタベタになり、ヤブ蚊も寄ってくる。エアコンは三年前に新品にしておいて良かったが、今、新品を買おうとしても、世界的な半導体不足で入手困難であり、中古エアコンが新品と変わらない値段で売られている。



 朝、起きたら、まずパソコンを開けて情報収集する習慣なのだが、それができなくて、毎日のルーチンワークを奪われたようで、時間が無意味に過ぎてゆく焦燥があった。

 なんだか、ひどく時間が長く感じられ、何をしていいのか分からなくて困った。

 普段なら、バイクに乗って山に向かい、歩きに出るのだが、強い雨では、それもできない。ひたすら横になって、復旧を待つしかなかった。



 900ワットの軽量低騒音ガソリン発電機も非常用に用意してあるのだが、セットしたり元に戻したりするのに相当な労力を必要とするので、利用するか、復旧を待つかの判断は難しい。

 だから、こんな事態では、室内に置いておける小型の非常用電源があるとモデムも切断されず助かるが、ネットで安く買えるのは中国製ばかりで、国産電源は10万円以上するのが普通で、簡単には買えない。

 中国製は、信頼性が乏しく、発火などのトラブルが多い評判なので、さんざん泣かされてきた身としては手を出す気がしない。



 しかし、世界は、相当な勢いで不安定さを増していて、ウクライナ戦争が第三次世界大戦に発展するのも時間の問題と思えるので、今後、このような予期せず停電断水などの事態が頻発するような予感がしている。

 生き延びるために、最低限必要な非常事態への備えが必要になっていると思う。



 生活をするために最低限必要なものは、①水 ②食事 ③電灯 ④トイレ ⑤冷暖房 だが、もしも巨大地震が起きたり、プーチン・習近平が核ミサイルを日本に撃ち込んできて、生活インフラが破壊されたとき、数十日、数ヶ月を生き延びるための準備がないと、地獄を彷徨わねばならないような予感がしてる。



 私の場合、①水は一日4リットルとしても備蓄ペット水で一ヶ月は飲めるし、いざとなれば裏山の小沢から、いくらでも調達できる。食器洗いや洗濯も、近所の小川でなんとかなる。

 それに、ガソリン発電機で一週間程度は、井戸ポンプを動かせるようにしてある。

 ②食事は、1人なら半年分の玄米真空パックと大量の缶詰を用意してある。カセットコンロを利用していて、カセットは60本備蓄している。

 おまけに、庭に竈を二基作ってあるので、いざとなれば、裏山の廃木で煮炊きできる。



 ③電灯は、基本的に石油ランタンが数台あって、灯油タンク一つで、二ヶ月は持つ。ガソリン発電機は、井戸ポンプを使うので、せいぜい一週間しか使えない。洗濯機を使えば、ガソリンを50リットル備蓄してあっても、数日程度だろう。

 冷蔵庫は、もちろんアウト。冷凍室は持って24時間。三日目には腐る。



 ④冷暖房は、基本的に使えない。だから衣類で調節するしかないが、当地は厳冬期、マイナス10度以下になるので羽毛服が欠かせない。

 問題は真夏だが、40度の猛暑でエアコンが使えなければ、本当に困ると思う。

 それでも、密集した大都会暮らしに比べれば、中津川市の山奥は、どれほど有利なことか。



 巨大震災や核戦争(たぶん同時に来そうだ)の場合は、交通インフラが止まるし、何よりも燃料供給が止まるので、車も動かせなくなる。

 遠方への交通手段は、たぶん自転車くらいしかない。食料はともかく、水が止まり、トイレが使えないことは悲惨だ。

 だから、これを想像すると、私は絶対に都会暮らしが嫌だ。うちの裏山はすべてトイレのようなものだから。まあ、庭に穴を掘って用を足すつもりだが。



 結局、大都会の人々は、テントを担いで、自転車をこいで、過疎の田舎に逃げ出すしかないだろう。何よりも飲料水の問題なのだ。

 私は、近隣で大震災が起きたときは、中津川市に住んでいて良かったと胸をなで下ろすにちがいない。



 今朝の停電は、私自身が困りながら、もしも、これが大都会だったなら……と、いろいろ想像力を働かせることになった。

 それ以上に、不安定さを増す世界情勢から、もう世界戦争が避けられず、時間の問題で、我々日本人はウクライナ人と同じように、戦火から逃げ惑う運命に至るのではないかと思われ、そんなとき、どのように生活すれば良いのかと深く考えさせられた。



 たぶん、100人のうち99人くらいは、まさか戦争は来ないだろうと思っているに違いないが、私は戦争と大震災がダブルで襲ってくるような予感がしている。

 習近平やプーチンは、どう転んでも破滅の運命しか残されていないのだが、もしも自分の破滅=死が避けられないから、できる限り多くの人々を地獄に道連れにしてやる……と決意するのが彼らネガティブ人種というものなのだ。



 このなかでポジティブに生き抜こうとすれば、それはある原理を用いるしかない。

 それは「三人寄れば文殊の知恵」原理だ。人間が三人寄り集まれば、一人孤独の何十倍もの知恵が浮かび、元気をもらえるのだ。

 だから、とにかく親身になって相談できる友を作るしか生き延びる道がないのだ。

 過疎地にダーチャを作ってあれば最高だ。ダーチャの芋を食べながら未来を見ることができるだろう。