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みやしたの気まぐれblog

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「夕凪の街 桜の国」の映画を見てきました

2007-08-06 00:55:29 | 日常
今日はちょうど62年前、広島に原爆が投下された日です。
今日は仕事ですので、予定通り、昨日渋谷の映画館で「夕凪の街 桜の国」を見てきました。

私はこの作品の原作を雑誌掲載時の方は読んでおらず、2005年初頭に単行本で読みました。ただし、こうの史代さんの漫画は1997年頃から読んでいて、「ぴっぴら帳」、「こっこさん」等の作品から入ったものです。あと、まんがタイムジャンボの挿し絵等も。以後も4コマ雑誌への掲載時は読んでいますが(最近売れてしまったせいか、あまり掲載されませんが)、一方で雑誌モーニング等の掲載作品は、単行本でしか読んでいません。
こうの史代さんの絵は、トーンを極力使わず、非常に暖かみのある絵です。この絵に魅せられて、大学時代はコミケに同人誌やいくつかのグッズを買いにも行きました。今も同人誌は実家に残っているはずです。
多分、こうの史代さんの名が一般に知れ渡ったのは「夕凪の街 桜の国」がメディアで取り上げられた、2004年秋以降のことでしょうね。これまでの作品よりも重いテーマに取り組んだ結果、才能が一般にも知れ渡る結果を産んだのでしょう。

以下、映画のネタバレを含みます。映画を見ていない人で、ネタバレが嫌な人は読まないでください。

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さて映画の方ですが、原作には大部分において忠実でした。私は普段あまり映画を見ないので、率直な感想しか述べられませんが、泣けました。前の回のかなりの人が、すすり泣きながら出てきたんですけど、私の見た回も泣いている人が結構いらっしゃいました。元々、原作も読んでると涙が出てくるんですが、映画も十分泣けましたね。
まず、良かった点は平野皆実役の麻生久美子さん、平野フジミ役の藤村志保さん、石川七波役の田中麗奈さんの演技。原作の雰囲気を崩さず、役にはまっていると思います。年老いた石川旭役の堺正章さんもけっこうはまっていたと思います(多分、私は普段のタレントとしての姿をあまり知らないからでしょうね)。
悪かった点と言うか、違和感を感じたのは、桜の国の終盤に七波が父・旭と母・京花の出会いとプロポーズ、東京で暮らしているシーンなどで、外から見ているところ。これは映画の演出なんですけど、最後のシーンへのつなぎを考えると、こういう手法にせざるを得ないかなあと言う気はしました。連続して絵を見る映像では、漫画ほどシーンの切り替えが簡単にできないし、語りを表現するのは難しい。あと、気持ち悪くなった東子と七波がラブホで休むところ。2人で風呂で歌わなくてもよかったと思うんだが。
ちなみに原作との相違点は、物語が3年進んでいる事。これは原作が発表された2004年をベースにしているのに対し、映画は公開に合わせた2007年をベースにしているためでしょうね。この影響で夕凪の街の舞台が昭和30年から33年に変更されており、原作の時にはなかった広島市民球場の姿があります(広島市民球場は昭和32年に完成)。このほか、原作では皆実の姉として存在し、原爆の2ヶ月後に亡くなった姉の霞が存在しておらず、妹の翠は「見つからなかった」から「見つかったけど死んでしまった(かつこれが皆実のトラウマとなるように)」変更されてます。
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写真は2002年10月13日17:23に撮影した原爆ドームの姿です。ちょうど夕凪の頃でしょうか。平和記念公園から見た姿ですね。
私は被爆とはほど遠い東京で生まれ、両親も東京出身(厳密にいえば父は福井生まれですが)。戦争被害とはあまり関係ない生活をしています。以前は広島や長崎に原爆が落とされた事の重さも理解していませんでしたし、戦争への意識も人事のようだった。シュミレーション的な考え方をすれば、今の我々も戦争の最後方にいるのと変わりないのに。今回あらためて、戦争、原爆の重さを考えさせられました。
会社で同期と話をしたとき、あまり戦争の事を理解しておらず、靖国参拝の論争の意味や南京大虐殺のことを全く知らない人もいました。太平洋戦争から60年以上経って、日本に何があったのか、知らないまま大人になる人も多いのでしょう。そういう人にこそ、こういう漫画や映画を見て欲しいものです。
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