玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

BBCの取材 2 タメフン

2017-03-29 02:52:09 | 生きもの調べ
 さて、タメフン場に行きました。クリスはアナグマのタメフンの調査もしたことがあるので、
「わあ〜、すごい。これがタヌキのタメフンか。」
といっていきなりフンを手でつまんで、匂いを嗅ぎ始めました。
「うーん、これはアナグマのフンとも、キツネのフンとも匂いが違う。独特で、あまり臭くはないな」
 などと言っていました。
「で、どうやって拾うの?」
というので
「あのねえ、私はゴム手袋とかピンセットとかいろいろやったけど、これが一番いいんだ」
といって、いつもバッグに入れている割り箸を取り出していくつか拾いました。
「へえー、これはいい考えだ。」
あとでプロデユーサーのローワンさんも
「これはいいわね、日本的でとてもいいわ」
と喜んでいましたが、私としてはこんなことがウケるとは思ってもいなかったので、妙な気持ちでした。


タメフン場でタヌキのフンを箸で拾うクリス(棚橋早苗さん撮影)

 そこでいくつかのフンを拾っていましたが、そのあいだもクリスが
「これは哺乳類の骨が入っているよ」
とか、私が
「ここに落ちているのはカキの種だ。カキは野生植物ではなくて家や神社の庭などに植えられているから、タヌキはそういうところで拾ってきて、フンが雨に現れて種が出てきたんだ」
とか会話がはずみました。幸運なことに、棚橋さんが19日にソーセージにマーカを入れておいていたのですが、そのマーカーがフンの中から顔を覗かせているのが見つかりました。
「これでどういうことを調べているんだい?」
と聞くので
「キャンパス内に数カ所餌場を決めて、それぞれに違う色のマーカーをおいているから、このタメフン場で回収されたら、どこから運ばれたかわかる。」
「そうね、実は私も5年前にイギリスのアナグマで同じことをしたことがあるんだ」
「そうなの?同じことを考えるもんだね」
「番号がついているけど、これはダイモ?」
私はダイモは日本製品と思っていたので、ちょっと驚きましたが
「そうダイモ。これでマーカー一枚一見合いの情報がわかるから、記録をとっておくと、何月何日にどこにおいたマーカーかがわかるわけだ」
「なーるほど、私は色を変えただけだったから、番号をつけるというのはいい考えだね」
「ところで、これはひとつのフンに2枚入っている。このタヌキはガツガツしたやつで、ソーセージを何個も食べたんだな」
とクリスがいうので、二人で笑いました。
つづく


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