ひねもす日報

このブログももうすぐ開設20年とは

誘拐

2007年12月29日 | Weblog
近所の八百屋。
昨年までは、やや太めの茶虎猫がいたが、ある日見かけなくなり、尋ねたら20年生きた末、老衰したということだった。
老夫婦が営む八百屋。みかんやピーマンを一袋買えば、大体一つ腐っている鮮度の悪い八百屋。

そこに、先月初頭か。新規猫を見掛けた。聞くと4ヶ月の子猫。
顔はいつもよく見えない。奴が一時も止まっていないから。
店の奥から走り出てきて、道を渡った所にある垣根に飛び込んだり、魚屋と八百屋の間にある細い道に紛れたり、いくつか積んである野菜の段ボールから飛び下りたりしていた。
子猫らしい動作。

その日に買った卵の消費期限が当日ということもある、相変わらずな鮮度の店だが、子猫見たさについ通っていた。

昨晩行くといない。会社に行く時に、店の前を通るのだが、最近見掛けない。店主に訪ねる。
「ここ4、5日、帰らないんだよ」「オスだったから、段々遊ぶ範囲が広くなって迷っちゃったのかなぁ」「お客さんが言うには、血統書付きだから、見る人が見たら分かって、盗まれたんじゃないかって」。

小さくて赤い首輪に鈴付けたチビという名前の猫。
血統書付きとは知らなかったが、チビの話をする時は、店番のお婆ちゃんの顔が明るくなっていた。年齢は5歳は若返ったように見えた。
小さい命って、こういう効果があるのかもと思った。

もし、盗んだ奴がいるなら地獄に落ちろ!と毒づきながら帰路についた。猫だけど、あんだけ愛情込めて育てられてりゃ誘拐と同じだ。

お爺ちゃんとは初めて話したが、意外とフレンドリーだった。
「暮れに孫が猫見に来るって言ってたのに、猫いないんじゃ、来ないかもなぁ」と言っていた。
コメント
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