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file .237 Dennis EcKERSLEY 【デニス・エカーズリー】

2008-01-13 | DEF
【second wind】
Dennis EcKERSLEY

1972年、インディアンズと契約を交わしたエカーズリー。
75年、弱冠20歳でメジャーデビューを果たし、13勝、防御率2.60という好成績を残すも
新人王はフレッド・リンにさらわれてしまう。
エカーズリーはその後も76、77年と連続して2ケタ勝利をマークし
チームの主力投手として活躍、
さらに78年、トレードでレッドソックスへ移籍すると
この年20勝、防御率2.99と絶好調、
いきなりチームのエース格にのしあげる。
「この先、20勝なんていくらでも出来るさ」
若きエースは自身満々でそう嘯いた。

が、『驕る平家も久しからず』とはよく言ったもので、
79年も17勝をあげ、好調を維持したエカーズリーだが、
80年、12勝14敗、防御率4.28と不調に陥ると
81年は9勝、防御率4.27....と徐々に成績が下降線をたどるようになる。

なかなか上昇の気配を見せないエカーズリーは
83年、9勝、防御率5.61に終わると、
84年、シーズン途中でカブスへ放出されてしまう。
移籍後は10勝、防御率3.03と好投を見せたエカーズリー、
85年こそ、11勝、防御率3.08と頑張ったが、
86年、6勝11敗、防御率4.57の低迷ぶりで
87年、今度はアスレチックスへ放出。
「もう俺に売りなんて無いよ。どこへ行っても変わらないさ」
アル中の三流投手に成り下がったエカーズリーは、
望みを失っていた。

しかし、エカーズリーはまだ終わってはいなかった!
当時のアスレチックス監督、トニー・ラルーサと投手コーチのデイヴ・ダンカンの指示で
リリーバーとして起用されるようになり、さらに怪我で戦列を離れたジェイ・ハウエルに代わってクローザーに転向。
アスレチックスでの一年目は6勝、16セーブ、防御率3.03をマークする。
エカーズリーに二度目の風が吹いた。
88年、4勝、45セーブ(リーグ最多)、防御率2.35。
チームのリーグ優勝に貢献すると
89年、4勝、33セーブ、防御率1.56。
今度はワールドシリーズ制覇に多大な貢献を果たし、
チームの大黒柱的存在となる。
その後も、90年、4勝、48セーブ、防御率0.61(!!!).......91年、5勝、43セーブ、防御率2.96と快進撃。

「野球に感謝したい。こんなにも野球を愛せるようになるとは思わなかった」
既にアル中を克服し、抜群の制球力を発揮、
サイドスローからのスライダーもキレまくっているエカーズリーは
心からこう語った。

92年は最高の年となった。
7勝1敗51セーブ、防御率1.91......、
シーズン最多セーブ、MVP、サイ・ヤング賞の三冠を獲得、
6度目のオールスター出場も果たすなど、
押しも押されぬ球界を代表するクローザーへと登り詰めた。

93年からは、3年連続で防御率4点台.....と、
40歳近い年齢的な衰えもあってか、成績は下降していくが、
96年、ラルーサ監督を追ってカージナルスへ移籍すると、
30セーブ、防御率3.30とやや持ち直す。
97年も36セーブをマークするが、ここまでであった。
98年、43歳の老兵は古巣レッドソックスで現役を引退。

通算197勝、390セーブ、防御率3.50

2004年に野球殿堂入りを果たしている。