道々の枝折

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ハムストリングスの重要性

2021年09月26日 | 健康管理
筋トレというものに取り組んでみると、太ももの裏側の筋肉群、ハムストリングスの強化を自重トレーニングで行うのは存外難しいことがわかる。それだけ高齢者は、ハムストリングスが衰え易いということなのだろう。ハムストリングスの衰えは骨盤後傾に繋がり、歩行力が弱り転倒し易くなる。

太ももの前側の筋肉群はスクワットで鍛えることができるが、後ろ側の筋肉群にはランジ(フェンシングの突きの足の踏み出し動作)の方がより効くと専門家は云う。

骨盤後傾はインナーマッスルの大腰筋とも関連しているので、高齢者は日頃ハムストリングスと大腰筋をセットで鍛えなければならない。
ウォーキングを励行しているにもかかわらず高齢者が転倒するケースが減らないのは、歩行だけでは下肢の筋肉群を強化出来ないからだろう。

ハムストリングスを鍛えるのに効果的な動きのひとつにジャンプがある。これも高齢者には一番苦手な運動だ。つまりジャンプ力は、ハムストリングスの筋力の指標ということである。

ハムストリングスが弱るから走力が落ち、ジャンプ力が落ち、最後には歩行力までが落ちる。
ウォーキングで歩行力を強化出来ないとは、まことに皮肉な身体の仕組みである。

つまり、日本の多くの高齢者は、最も強化しなければならない筋肉群のトレーニングを等閑にし、最も筋トレ効果の薄いウォーキングに励んでいるという実態が明らかになってきた。

慥かにウォーキングは、内科的な生活習慣病の予防や改善には効果がある。しかし、検査データの数値は筋力を示さない。脚の筋力が衰えては、ウォーキングの継続そのものが危うくなってしまう。
脚の筋力強化が先で、ウォーキングはその成果に与るものという認識が、健康の維持には適切かと思う。

ウォーキングを万能視するかのような〈歩け歩け運動〉は、コロナで影を潜めたように見えるが、収束すれば集団志向の日本では再び復活するだろう。このキャンペーンには、鉄道会社の商業主義と当事者が気づかない「継続は力」という精神主義とが見え隠れしているように見える。

秋はウォーキングには絶好の時期。鉄道に乗らず集団で歩かなければ、コロナ感染の惧れはない。筋力を強化して大いに自分流のウォーキングを楽しもう。




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