町田久美の作品は以前からどこか気になり、一点入手したいと思いながらなかなか手に入らない。西村画廊から6月6日の個展オープニングのご案内があり、出かける。会場が盛況なのでちょっと驚く。
作品は一見イラスト風ではあるが、よく見ると深さと魅力を感じさせる絵だ。テーマは日本的な少女が多いが、その顔はどれも無表情で、全体のイメージも無機質で冷たい感じである。感情を抑えた表現だからであろう。しかし、雲肌麻紙に青や茶の墨、岩絵の具などの素材で描いた作品は不思議な魅力を漂わせている。特に墨で引いた細い線や薄いマチエールが美しく、見る者を惹きつける。
子供たちのあどけない表情のどこかに不安が漂うのは、作家が抱く現代という時代への不安感、現実の社会との違和感なのだろうか。そこに単なる日本画でない面白さがある。
作家はまだ若いが、これからが楽しみだ。(山下透)
作品は一見イラスト風ではあるが、よく見ると深さと魅力を感じさせる絵だ。テーマは日本的な少女が多いが、その顔はどれも無表情で、全体のイメージも無機質で冷たい感じである。感情を抑えた表現だからであろう。しかし、雲肌麻紙に青や茶の墨、岩絵の具などの素材で描いた作品は不思議な魅力を漂わせている。特に墨で引いた細い線や薄いマチエールが美しく、見る者を惹きつける。
子供たちのあどけない表情のどこかに不安が漂うのは、作家が抱く現代という時代への不安感、現実の社会との違和感なのだろうか。そこに単なる日本画でない面白さがある。
作家はまだ若いが、これからが楽しみだ。(山下透)