TAOコンサル『市民派アートコレクターズクラブ』

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手塚雄二花月草星展・・伝統的な花鳥風月とは違う深い精神性

2006年04月20日 | 注目の現代美術作家と画廊散歩
 私が代表を務めるアートNPO推進ネットワークは、手塚雄二展の支援というか、展覧会に先立つ講演会の主催を引き受けるなど若干のお手伝いすることとなった。

 私のコレクション暦も30年近いが、現代美術中心であり、日本画作家の作品も所蔵しているとはいうものの、いわゆる伝統的な花鳥風月の日本画には余り関心を持ってこなかった。しかし、今回手塚雄二作品をじっくり見させていただき、何か新しい発見をしたような心境である。


(写真左は手塚雄二ご夫妻とアートMPOボランティアメンバー、右は1988年作品)

 展示作品は1980年の卒業制作作品「夢模様」から「花不動」~「星の河」などの新作までの約60点とのこと。
 日本画のいわゆる花鳥風月の世界を想像していたが、少し違うと思った。美しいものをただ写し取るというのではなく、目に見えないもの、何かもっと深いものを表現しようとしているように見えた。多分目に映る美しさではなく、作家の内面の精神的なものを描こうとしているのだろう。色彩も繊細で深さがあり、知らず知らず引き込まれてしまった。

 手塚雄二氏とは初対面であったか、真面目で実直そうなお人柄も好印象であったし、作品も想像以上に良かったので、いささかお手伝いできたこと嬉しく思う次第である。(山下透)