よむよま

よむ・よまない、それから。

能面と能装束展

2014-09-02 21:27:33 | 歩く

三井記念美術館へ「能面と能装束展」を見に行ってきた。

能面は室町時代のもので、翁、女の面である小面、鬼神、般若、男の亡霊の面などなど。
(男役は普通は素顔で演じるが、亡霊や特殊な役は面をつける)
翁面の部屋は、裏側も見られるように透明なプラスチック板に飾り付けてあるので、
空中に面が浮かぶかのように点々と並んでいる、その展示室のようす自体、
一つの空間として、オオと思ってしまった。
面の裏側には、製作者の名前や印があったり、「本」(オリジナルの意味)と書いてあったり。

肉付きの面の言い伝えのある不動の面もあった。
それをつけて舞ったらはずせなくなって、無理にはずしたら顔の肉が取れた、という話の。
裏側には黒く何かが垂れた跡が!血の跡!?
ではなくて、血が垂れたように見える跡は、木のヤニが出たんだそうだ。
普通の面の裏側は漆が塗られているのに、この面は木で彫り出したままで分厚く、
まるで仏像から顔だけ切り取ったかのように見える、
そこからの伝説ではないかという解説だった。
おもしろー。

裏側が見えるので、裏に立って面を通して向こうを見てみると、
目の穴はちいちゃい丸。(目の形は切れ長でも穴は真ん中の丸だけ)
視界が全然まるで真正面だけ?
これつけて舞って、しかも謡うんでしょう?
いやはや!

女の面である小面(こおもて)、
秀吉が気に入っていた三つの小面に「雪・月・花」と名前をつけた、
そのうちの「花の小面」が展示されていて、
なるほど、華やかな美女。
おもしろいなと思ったのは、これも、ほかの美人の面も、口元がちょっと受け口なの。
やっぱり昔も、それがちょっと色気があってかわゆいと思われたのかしら。

女の面はいくつか展示されていたんだけど、
この「花の小面」ともう一つ、孫次郎の「おもかげ」と名付けられたものが、
際立って美女でした。

般若と蛇(じゃ)とか、大飛出(おおとびで)と小飛出(ことびで)とか、
同じ分野の面を並べて比較するコーナーもあって、興味深かったことでござる。

装束は明治時代に作られたもの。
なんでこんなに刺繍で埋めようと思ったんですか?というような、
ぜーんぶ刺繍で分厚く埋まっている衣装なんかある。
「七賢人」という、中国ふうの人物と動物もいて、
象と同じ大きさでハリネズミがいたりするのや、
生地に柄があるのにその上に全然ちがう形の大きな刺繍をしてるのとか、すごいデザインだよね。



ほかに三井家が歌舞伎の衣装を作った時期があって、
九代目団十郎や六代目菊五郎の衣装も何点か展示されていて、
こちらも豪華絢爛でした。

大変、目の保養でしたが、
展示品を保護するためか、冷房がきつくて、すっごく寒かったわー。(><)


ギャラリーカフェでお昼食べて、レモンパイとコーヒーのデザート。
でも、ここのお店も冷房が効いてたの。寒かったわー。(><)
コメント
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