田中雄二の「映画の王様」

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『ロスト・バケーション』

2020-10-26 07:01:53 | ブラウン管の映画館

B級アクションの鑑のような傑作(2016.8.1.MOVIX亀有)



 いずれもリーアム・ニーソンが主演した『アンノウン』(11)『フライトゲーム』(14)『ラン・オールナイト』(15)という、アクション映画の佳作を撮ってきたスペイン人監督ジャウマ・コレット=セラがまたやった!

 今回は『アデライン、100年目の恋』(15)の美人女優ブレイク・ライブラリーを主役に迎え、人里離れたビーチで人食いザメと対決する羽目になったヒロインのサバイバルを描く。

 原題は「The Shallws=浅瀬」。医学生サーファーのナンシーは、サーフィン中にサメに襲われ、海岸からわずか200メートルの岩場に一人取り残される。持ち物はピアスとストップウォッチのみという絶望的な状況だ。そしてサメが周遊する中、満潮の時が迫り、岩場が海面に沈み始める。絶体絶命のナンシーの運命やいかに…。

 スピルバーグの名作『JAWS/ジョーズ』(75)の、三人の男たちと巨大ザメとの対決とは異なり、一対一の対決の面白さと女性が主人公という意外性の妙を見事に組み合わせ、凝ったカメラワークで見せる。ライブラリーの熱演にも増して、脇役のカモメ(スティーブン・シーガル)が抜群の存在感を示すのも面白い。単純明快ながらアイデア満載のストーリー展開、しかも上映時間は86分という、B級アクションの鑑のような傑作だ。


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